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「焦り」が人をダメにする


みんな焦ってるなあって思うんですよ。私も含めてね。

私の長女のケース

長女は1年の予定でワーホリビザでアイルランドに滞在中です。
行ってすぐは、住居を懸命に探し次は仕事を探しました。
その最中は二つのミッションに毎日必死だったんです。
最近、ようやく家と仕事が見つかって、少し落ち着いた日々を過ごせるようになりました。
すると、ふと「私、こんなところで何やってんだ。なんでこんなところでこんな仕事してるんだ?」そんな思いに駆られるようになったらしいのです。

私から見ると長女はここ数年、いつも何か焦っていました。
「早く」海外生活を終えて、日本へ帰らなきゃ。
「早く」みんなみたいに就職してキャリアを作らなきゃ。
「早く」結婚して子供を産まなきゃ。
早く、早く、早く・・・彼女は26歳。
焦らなきゃならないような年でもないのにと50代の私は思うけど、20代の頃には20代の悩みがあったような気もします。

物販コンサルの相談者Aさんのケース

彼女は離婚して10年、必死で3人の子どもを育てているアラフィフのシングルマザー。
看護師としてフルタイムで働き、片道1時間の通勤の後家に帰ると疲れ果てています。
お金は、いつもカツカツで借金も少しある。

「お金を何とかしなきゃ。もっと稼がなきゃ。そうだ副業物販で稼げるかも」

そう思ってコンサル相談を申し込まれたのでした。

でも、私はその方に物販を勧めませんでした。

焦っているときの人の判断力はかなり低い状態です。今の仕事がしんどくてお金をもっと稼ぎたいから物販。
冷静に考えて、これまで積んできた看護師というキャリアを捨てて、数か月でそれ以上の収入をあげようと思えば、それこそ死に物狂いの努力が必要です。しかも、それをしたからと言って、成功する保証はありません。
失礼ながら看護師の仕事をしながら、それができる体力や根気がとは私には到底思えなかったのです。

それよりも今のキャリアを大切に伸ばす。又は今までの経験が生きるような副業を検討するように話しました。

何か質問は?ときくと「バイナリーとか、稼げますかね?」とおっしゃる。
完全に、判断力がバグってますよね?

とにかく早く稼ぎたい!その思いから逆に大金を失うことになります。

人間、焦るとろくなことがない。まずは落ち着いて。最低でも2年くらいはかけるつもりで、今の仕事を大事にしながらもう一つの収入の柱を作っていきましょう。
そうお話ししました。

手術を乗り越えた女友達のケース

出会って25年になる大好きな友達が、昨年暮れに開腹手術をしました。
手術は成功で、年明けから自宅で療養していた彼女。いつもは明るく、好奇心旺盛で登山が趣味の彼女は、身体が思うように動かせないことや傷の痛みがなかなか治まらないことに焦りを感じたのでしょう。
明るかった彼女は鳴りを潜め、スマホに届くメッセージは暗く沈んだ内容ばかりになりました。
「私と同じ時期に手術した人は、もう元気にスーパーにかいものにいけるようになってるらしい」そんな風に、人と自分を比べて「それに引き換え自分は」と泣いているようでした。

早く前みたいに普通の生活がしたい。早く、早く・・・

焦りは人の心をむしばみます。そうやってできない自分を嘆いて絶望してしまうのです。

私のケース

実は私も数年前に「早く稼がなきゃ」その思いから大失敗したことがあります。
あの時の絶望感。
思い出してもぞっとします。
今も、大金を稼げるようになっているわけじゃないですが、何とか生きています。

「焦り」を感じて物事が好転することはほぼありません。
50数年生きてきて、自信を持って言えることのひとつです。
もしも、今「焦っている」「何かに追い詰められている」という人は、いったん諦めてください。
まあ、仕方ない。
命まではとられませんよ。

落ち着いたら、焦るのをやめて、コツコツゆっくりと歩いていきましょう。


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