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ぴーぷる・ぴーぷ

札幌市街の真ん中を少しだけ外れたところに、カフェ「ぴーぷる・ぴーぷ」がある。サムネイルの店構えから分かるように、一般的なカフェとは明らかに一線を画している。

私の学生時代は「知る人ぞ知る」という言葉がまさに打ってつけだったが、ここ数年は「知っている人は知っている」くらいに知名度が上がってしまったらしい。お店のコンセプト的に取材などは受けそうにないので、店に行ったことのある人が口コミで広めていったのだと思う。

札幌に住んでいた4年間の思い出の店を問われたときに、サークルで行っていた居酒屋や部活の練習が終わった後に行っていた定食屋などと共にこのお店でパフェを食べたことが思い浮かんでくる。

当時(2015年〜2017年くらい)は、開店前30分以上前から並び、お店の中で2時間以上待ち、やっとパフェにありつけるような状態だった。お店の公式ルールとして「後どれくらいかかりますか?」と聞いてはいけない、というものがある。ルールを知らない人が待ち時間を聞いては店主に「帰ってくれ」と言われているのをよく見た。
また、店内も自由に写真を撮ってはいけないという掲示がされており、インターネットにアップされているのはパフェの近影ばかりだ。

店内に入ってから2時間や3時間も待たされること請け合いだったので、行くには相応の準備が必要だった。一人で行くときは積ん読を携える必要がある。ひたすらに携帯でゲームをしているのでは飽きる。だが一応モバイルバッテリーが必要だ。
誰かと行く場合には、まずは同行者の厳選が必要になる。ただの友達で2時間という間はもたない。だからとくに話のうまい友人か仲の良い奴が必要だ。または久しぶりに会う人もこのシチュエーションに打ってつけだ。ただそれもパフェのアイスクリームが固まる前に全ての近況のシェアが完了してしまうこともある。

並んで店内で待ってありつくパフェは、それはそれは最高に美味しい。

記憶では季節のパフェとニンジンのパフェ、ラム酒のパフェがとても美味しかった。(写真はパッとは出てこない)最近流行りの軽め、ふわふわ、ではなくしっかり食べ応えがあった。

2022年10月に札幌旅行に行った際に、はたと思いついてぴーぷる・ぴーぷに行ってみた。相変わらずの店構えて大変安心したが、店のシステムが当日の整理券制になっていて驚いた。
あのお店がそんなシステムを導入するなんて、大きな驚きと小さな悲しみが同時に襲ってきた。

あの永遠に待たされ、無駄にしていた無数の時間を今の人は味わうことはできないのだ。
後何人で自分のパフェができるかわからない感じ。パフェが来た時のワクワク感。食べ終わった後の満足度。お店を出た後の喋り尽くした感覚と満腹感で言葉少ない解散していく感じ。
お店を眺めたとき一緒にパフェにありついた友人たちや思い出がフラッシュバックしてきた。

その日は、他の日程と予約システムの変更により中に入ることができなかったので2024年の自分への宿題としている。

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