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総社市にデイサービスのイメージを変えるための会社を設立しました

このマガジンについて
【毎週火曜日更新】
別々のキャリアを歩んでいる大学の同級生3人が、一緒に岡山県総社市でデイサービスをつくる過程で考えたことや悩んだことをリアルに綴っていきます。

こんにちは!
土井脩平(どい しゅうへい)です。
わたしは、このたび大学時代の同級生と一緒に、岡山県総社市にある古い空き工場(こうば)をリノベーションし、デイサービスをオープンします。

会社を立ち上げた背景

岡山はわたしの地元で、高校を卒業する18歳まで過ごした場所です。実は、高校を出るまでは特別に地元に対して思い入れはありませんでした。しかし、大学進学や就職して県外で過ごす内に、少しずつ地元の空気や町に対して愛着を持つようになりました。それが積み重なって、いつかは地元に帰って地域に貢献したいと思うようになりました。

わたしのターニングポイントになった大学時代は広島で過ごしました。ここで、いま一緒に立ち上げをしている中山さんと小武くんに出会うことになります。

卒業後は理学療法士として岡山の病院やデイケア、愛知のデイサービスなどで6年間働き、いろんな施設を見てきました。その中で感じたことがいくつかあります。

デイサービスに行ったとしても、集団体操や塗り絵・お手玉のような画一的なレクリエーションしか活動の選択肢がないことで、その場での時間を楽しめていない利用者さんたちがいること。
介護やデイサービスに対して、ネガティブなイメージを持っている人が多くいること。友人からは「高齢者のお世話をするのは大変そう」「自分にはできない」と言われたこともあります。
”デイサービス=暗くて閉鎖的できつい仕事”というイメージがまだまだあると痛感しました。

一方で、要介護者の旅行支援などの先進的な取り組みを実践している愛知県の合同会社P-BEANSで働いて見えてきた介護やデイサービスの面白さもあります。

デイサービスでの活動やその延長に旅行やものづくり、料理、マラソンなど、その人の好きなことや得意なことを取り入れることで、潜在能力が発揮されてどんどん元気になっていく。

例えば、シニア/障がい者の方の旅行やお出かけに同行する旅行支援。
うどん職人だった方が、けがを乗り越えて何十年ぶりにうどん作りを教えるうどん教室。
「病気があっても走りたい」という方と一緒に練習して出場/完走した豊田マラソン。

愛知のシニアたちを倉敷を案内
数十年立っても衰えないうどん職人の腕前

そんな姿をたくさん目にするうちに、もっとこうした取り組みを当たり前に実践するデイサービスを増やしていきたいと思うようになりました。
それが、わたしが地元に帰り「デイサービスをつくろう!」と決心した理由です。

会社名は合同会社28(にじゅうはち)

つい先日、デイサービスの立ち上げに向けて
まずはその母体となる会社を設立しました。会社名は合同会社28(にじゅうはち)。
これは、3人ともいま28歳であることに由来しています。これまで160回以上の話し合いを重ねて言語化してきた今の初心を忘れずにいよう、という思いを込めています。

わたしたちが大切にしたいと思っていることは、以前のnoteでも紹介しているのでよければご覧ください。

舞台は岡山県総社市

総社市は岡山市と倉敷市に隣接するまち。もとは製薬業が盛んだったそうで、わたしたちが店舗を構える場所も、その時代から続く古い商店街のなかにあります。また、神社や古墳など、歴史ある場所も多く残っています。
一方で、企業誘致や障害者雇用、子育て支援など、新しいことにも柔軟に取り組んでおり、中国地方で最も人口が増加している、勢いのあるまちでもあります。

この地域でわたし達がつくるデイサービスの理想は、介護されていることを忘れるくらい“なんでもやってみたくなる”場所です。
これまで「家族から危ないと止められてしまって...」「もう歳だから」といって、やりたいことを諦めるのが当たり前になってしまっている状況を目にしてきました。
そうではなくて、その人がやってみたいと思うことならなんでも背中を押したい。それがあたり前の雰囲気が漂う場所をつくりたいと思っています。

理想を叶えるための空間・活動・地域との関係

繰り返しになりますが、デイサービスを始め介護施設は暗くて閉鎖的といったイメージを持たれがちです。自分たちがいるフィールドがそう思われるのは悲しい。それに、わたし自身の経験から、実際はいくらでも楽しくすることができる環境だと思っています。

これからどんどん高齢化率が上がっていき、誰にとっても”介護”が今よりももっと身近になって、将来的には自分や家族、友人などの大切な人たちもきっと介護のお世話になる。だからこそ、介護に対するネガティブなイメージを変えていきたいと強く思っています。

そのために必要なのは何か、3人でこれまで話し合いを重ねてきてみえてきたのは「空間」「活動」「地域との関係」の3つが軸になる場を作ろうということでした。

1つ例をあげると、わたしたちのデイサービスは本のある場所にしたいと考えています。本が好きな中山さんが「デイサービスと一緒に本屋もやってみたい」と言ってくれたのがはじまりです。
デイサービスの利用者だけの空間ではなく、本をきっかけにして地域の学生や一般の方も入りやすく「あれ?ここってデイサービスもやってるんだ」と知ってもらいたい。他にも、地域イベントや子供たちの習い事などをきっかけにして、介護とのポジティブな接点をつくりたいと考えています。

ワクワクして前向きになれる空間、これまでのデイサービスとは違う活動、デイサービスの利用者さん以外にも様々な人たちが気軽に立ち寄れる「介護と繋がるきっかけのある場所」になれれば最高です。

デイサービス立ち上げに向けて今の思い

会社の設立は無事完了しましたが、これから先もデイサービスのスタートに向けて資金調達、改修工事、人材集めと高いハードルが次々とやってきます。

これまで、愛知から総社市に何度も通って
少しずつ地域の人たちとの繋がりもできてきました。総社で活躍されているクリニックのお医者さん、ケアマネさん、大学の職員さん、総社宮の商店街筋を活性化させるために取り組んでいるNPOのみなさん、などなど。みなさん温かく受け入れてくださいました。

いま一番打ちのめされているのは、デイサービスの立ち上げに必要な莫大な費用。これまでも節約のために3年間以上エアコンを使わずに生活したり、もともと持っていた車を売って毎日12km以上の自転車通勤に切り替えたり。愛知から岡山に帰省する時も、夜行バスがデフォルトになっています。(それでもまだお金が足りないので改修プランのどこを削れるのか、もがきながら考えている最中です...!!)

困難なことは山ほどありますが、会社の設立が無事完了し、ようやくスタートラインに立つことができました。ここから、どうやったらワクワクする場を作れるかを考えて突き抜けて行きたいと思います。

一緒に働いてくれる方だけでなく、何らかの形で関わってくださる方も引き続き募集しています。少しでも気になった方は連絡いただけると嬉しいです。

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