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『筒美京平 大ヒットメーカーの秘密』

【番外編】その3
 
『筒美京平 大ヒットメーカーの秘密』

 
 著者:近田春夫
 出版社:文藝春秋(文春新書)
 第1刷:2021年8月20日

筒美京平_近田春夫


1. 本書を読んだ背景
 
発刊を知ったのは、FacebookかほかのWeb記事だったか? 忘れました。
 
2. どんな人に向いているのか?
 
好きな筒美京平作品のあるビジネスパーソンでしょう。
 
3. 本書のポイント&感想
  
筒美京平と実際に仕事されたり関係が深かった近田春夫が摘出した筒美京平観を三つ挙げます。
それらは、私自身を含めたビジネスパーソンにとって参考になる、と私は考えたので、以下に引用します。
さて、皆さんはどう感じられるでしょうか(笑
 
3-1. フィルターとしての筒美京平
 
「あの人の音楽には、実に簡単に真似し得る『らしさ』がなかなか存在しない。なぜなら、筒美京平というのは、どこまで行っても一つのフィルターだから。ある音楽を、筒美京平を通して濾過するとこうなる、というシミュレーションの形で曲を作ってるからさ。そこに、筒美京平という実体は存在しない。摑んだと思っても、その腕からスルッと逃げていく。小室哲哉がシステムだとしたら、筒美京平はフィルターなんだよ」
 
⇒ クリエーターには違いない筒美京平ですが、こういう匿名的な仕事スタイルは、ビジネスパーソン的と言えるのではないでしょうか?
 
3-2. 好きなことでも好きにやるわけではない
 
「俺は、いわゆる歌謡曲っぽさこそが筒美京平の本質だと思っていた。でも、本人のスピッツに対するシンパシーを知って、ちょっと優しいフォーキーで女性的な音楽性こそが筒美京平の本質だったのかなって考え直したのよ。ただし京平さんは、別に自分のやりたい音楽を作る人じゃないからさ」
 
⇒ 初対面の松本隆に「いいね、好きな音楽を作れて」と筒美京平が言ったことは知ってました。先日、林修先生の番組でゲストのつんく♂と語っていたのですが「好きなことを仕事にするのが理想だけど、好きなようには仕事をしない」。これと同じことなんでしょうね、と妙に納得しました。
 
3-3. ひねりがないとつまらない?
  
「京平さんの曲作りは、それ自体が批評だからさ。大喜利みたいなもんなのよ。『こういう曲作ってください』というお題に『それってこういうことなんでしょ?』と答えを出す。そこに、京平さんならではの見事なひねりが加わるから面白い。最近のJポップには、そういうとんちを利かせる人材が欠けてるよね。みんな、素直になっちゃったのかな(笑)」
 
⇒ 素直になっちゃったんじゃなくって、そういう「システム」になっちゃったということでしょうね。コンペとか。ビジネスの世界でもそれは言えてるわけでして、私もクライアントさまに「とんち」を利かせる勇気は???
お付き合いの度合い次第、ですかね(笑
 
以上です。


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