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新卒人事に赤裸々に聞くシリーズ「就活生は企業の休暇制度の有無だけでなく、利用の実態まで確認した方がいい」あじゅまるさん(10/n)

あじゅまるさんプロフィール


メーカーの人事。新卒の採用も担当。自動車メーカーの営業から転職した経験を持つ。
あじゅまるさんnote:あじゅまる|note



就活生は承諾後も内定を辞退できる

『で、もうひとつ学生側の強みは「あなたのところで内定承諾します!」っていう『内定承諾書』があると思います。

内定承諾書って署名・捺印する正式書類なんで、あれを提出した後に断れないって思われがちなんですけど、ハンコ押して出してから「やっぱりやめます」って言っても、問題なく断れますし受理されます。過去の判例ですけど裁判で争って学生が勝ったってこともありますし。』
 

ーすごいですね。


 
『それだけ「内定」って学生側にとって最強のカードなんですよ。』
 

ー内定ってそんな強気に出ていいんですね。


 
『強気に出ていいんです。ただその代わり、結構トラブルになりやすいのが「承諾までしてうちにこないとは何事だ?謝りに来い!」みたいなこととか「1回会社に顔を出せ!」みたいなことを言われるケースだったり、「もうお前の大学から採用しないぞ!後輩に迷惑かけるのか?」とか、企業からのほぼ脅しがあるみたいなケースが起こるパターンです。』
 

ーそれをやられたら、「裁判を起こすけどいいよね」みたいな感じですよね。


 
『それくらいめっちゃ強気に出ることもあるけど、多分そこまで言ってくれる企業はただ脅すだけで、基本的に裁判はやる気はないとも思うので、もう普通に平謝りすればいいと思います。

「本当にすみませんでした。理由としては○○だったんです。申し訳ないんですが、辞退させていただきたいと思うんです。」って終わればいいと思います。

ちなみに会社まで謝りに来いとか言われたとしても、言われていなくても、電話やメールなどの普段その企業とやり取りしていたツールで連絡すればいいです。』
 

ーあ、そうなんですね。いや、これ知らなかった。


 
『企業としては1回内定出しちゃうと、「この子、辞退されるかもな」って思っていても雑に扱うことはできないので、学生から「2週間じゃなくて、1ヶ月待ってください」って言われても、待たざるをえないっていう部分もあるんですよね。

だから、多少承諾期限を交渉されても「じゃあお前いらんわ」って下手に言えないっていう。期限の交渉をしたら9割ぐらいの企業はたぶん応じてくれるんじゃないかって話なんですよ。』
 

ーこれすごいことだ。


 
 

就活生は企業の休暇制度の有無だけでなく、利用の実態まで確認した方がいい


 
 

ー先ほどLINEで頂いたお話を2つしていただいてもいいですか?


 
『企業が公開している数値に踊らさせるな!ってやつですね。

例えば、有休だったり産休・育休みたいな必要に応じて取得する数値なんですけど、それって実際にちゃんと社員が取得しているのか結構怪しくて。

「○○な制度があります」とうたっていて、当たり前ですが国が「そうしなさい」って法律で決めている制度はたくさんあるんですけど、実態としては「やってない」みたいな。

これは特に古い会社とか、上場してない会社はこういう話しはザラにあるかもしれないです。』
 

ー上場してない会社はわりとなんでもできますからね。


 
『本当にそうなんですよ。

必ずしも上場してることが良いって訳ではないですが、上場してると株主に対する説明や報告が求められることもあって、監査の目が行き届いて不正なんかがあると監査の人たちが絶対指摘してきます。

そして気をつけた方がいい数値の見せ方があって、例えば学生視点で「うちの有給消化率は65%だよ!」って言われたら、その数値がその会社の社会的に信用する数値になるんで、実態が伴っていれば問題にはならないんですけど、逆に%(パーセンテージ)のみの表記・表現だと実態が伴っていない可能性もあります。

「ホームページとかに%だけ載せとくだけでオッケーだから、実際の実績値は載せなくてもわかんないよね」みたいな。』
 

制度の利用実態が伴っていない企業のサイン

ーこれって外から見抜けないですか?


 
『見抜くというか怪しいセンサーが反応しやすいポイントはあると思います。

企業側が自社の魅力的なところや良いところしか話してこない場合はその傾向が強いので、出来る限り面接の場ではなく、説明会やOB訪問、座談会などの企業と関われる前半の場やまだ素人質問が聞きやすい雰囲気の場で、担当者に何気なくその辺を聞いてみるってことですよね。
 
質問するときには先に必ず感想を入れると相手が答えやすくなるので、「ここが御社の課題のところになってくるんですね」とか、「御社って○○な雰囲気があってとか、私これをすごい魅力だなって感じてるんですけど」「この制度はすごい魅力的に感じているんですけど」っていう感想で褒めながら、実際に聞きたい部分の「この○○は実際に取得率はどのくらいなんでしょうか?」とか「実績でいうとどんな感じでしょうか?」って聞きたい核心のポイントを聞いてみたらいいです。
 
例えば「この事業の伸びって素晴らしいと思うんですけど、ここ数年で急成長してるとここの部署の方々は、その反面お休みとかも返上してやられてる可能性もあるな、と思ったんですが、実際のところ働き方はどうなんでしょうか?」みたいな感じで。』
 
 

ーすごい。企業の良い点の裏返しを聞いていくんですね。


 
『そうですね。なんかそういったことを聞くと、すごいネガティブ要素になってくると思うので「あのー、ちょっと気になるんですけど」って枕詞を使っておけばいいです。
 
「すごい今急成長してるってことは結構働くところ大変かなと思うんですけど、社員さんの健康の管理とかって大丈夫なんですか?」みたいな。』
 

ーこれは思いつかないですね。


 
『そしたら「残業時間はね~」と社員の方が具体的に教えてくれると思います。
 
露骨に「残業時間はどれくらいですか?」とか言われると、企業側はちょっと答えづらいですよね。

直球で核心を突いてくる質問って学生側も面接とかで聞かれると一瞬硬直すると思うんですけど、企業側も人間なんで同じ感じで戸惑っちゃてしまいますね。』
 

ーなんかあれですね、こういう言い回し集みたいなのを作りたいですね。


 
『いいですね!僕は個人的にそういった「僕だったら答えるかな」ってものを自分の経験則で持ってますし、どこかに書いて残してるとかはないんですけど、よくいろんな人にフィードバックだったり就活フォローの雑談なんかでは伝えるようにしてます。そんな言い回し集があったら意外と役立つ気がしました。』
 

ー確かにそうやって課題を聞いていけばいいんですね。