オツキミモノガタリ(仮) その1

それはそれは遠い昔・・・

まだ不思議なことがあちらこちらに、た~くさんあふれていた頃のおはなし

黒い衣の雲の子が、ふわりふわりと夜空を散歩していて

お月様に出会ったそうな

夜に生まれた雲の子は、真っ暗な夜の世界しか知らなかった

でも、はじめて見たその光はあまりにも優しくて

近づくことすらできずにじっとお月様を眺めていた

それから、雲の子は時折そうやって

夜の散歩に出かけては優しい光を探していたのだという

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