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硬い? いや、柔らかい? え、また硬くなった?

自分の書きモノにクセがあるのはわかっています。
たまに同居人に創作を読んでもらうと(めんどくせえな、とこぼしながらも)、
「説明し過ぎ! ── ここまで書かなくてもわかる」
よく言われマス。
「……うーむ」
素直に聴けるときとそうでない時が ── やはり、ありますね。

自分で推敲する際にもその辺りを修正することが多い。
主語の繰り返しなど自明の単語削除をはじめ、剪定作業を行う。

人生のかなりの時間を技術報告書と論文作成に費やしてきたので、これは仕方がない ── 職業病のようなものです。
勤め始めた頃は、まさに逆で、
「目的語が不明確! 重複感なんて気にするな、とにかく毎回、明確に書け!」
「文章は短く! 事実と推論をはっきり分ける! 主語がわかりにくい! 誤解を与える用語はしっかり説明!」
など、下書きを真っ赤に直されたものです。

Hanonさんが愛する書きモノグッズなどの紹介記事に加えて、『文体診断』ツールを使っておられた。

よし、ポチもやってみよう!

まず、比較的長めのエッセイを入れてみました:

ドキドキ……判定結果(5段階評価らしい)は、

表現力と個性が『A』なのは喜んでいいかもだが……

『文章が硬い』
うーむ。確かにエッセイ系は理屈をこねているところがあるのかもしれないな……。
似たタイプの作家は:

「リンク」欄は無視してください。削除が面倒だったので……
阿川佐和子のお父さんと似ている……?

どうやら、下記のような分析結果から評価しているようだ:

「意味」は考慮せず、まさに文章の「癖」を調べるようだ…

特徴的な偏差値としては、
・特殊語??の出現率が高い。
・異なり形態素比率が高い。
(文章中に一度しかでてこない形態素 ── 表現要素の最小単位 ── の割合が高い⇒同じパターンが少なく、言い回しが複雑、ということか?)
・助詞や助動詞の出現率が低い。特に助動詞が異常値で、偏差値がマイナスなんて初めて見た!

他のエッセイも放り込んでみようとしたけれど、画像や埋め込みのある記事が多いので『文章』としては完全じゃないな、と思い直し、創作で再トライしました。
── いや、むしろ、小説がどう診断されるか知りたい! ドキドキ……。

登場人物2人の会話文のみから成るショートショート、『ユウタくんシリーズ』ならば、いくらなんでも、
「硬い!」
なんて言われるはずないわな、と:

「アンタの通知表、いつも変わらないわねえ…」
いや、待てよ……コメント欄が!

通知表は一見、前回のエッセイと同じに見えて、なななんと、『文章の硬さ』項目が同じ『D』なのに、コメントは、

『文章が柔らかい』
じゃないっすか!

エッセイは too hard でショートショートは too soft、おお、ひょっとして、使い分けてる? 

なお、一致指数では、吉川英治さん、阿川弘之さん、太宰治さん、の順でしたが、いずれも、[指数< 54]の低さなので、むしろ、
この診断ツールのライブラリーに似ている作品は少ない!
と理解すべきでしょう。

やはり、特殊語出現率が高く、助詞助動詞の出現率が異常に低い
カタカナは「ユウタ」表記で多くなっているだけだから無視
名詞の出現率が低いことが柔らかさと関係している……?

まあしかし、「ユウタくん」は特殊な構成だから、一般的な形態の小説をかけてみましょう。比較的オーソドックス、かつ長めの短編を:

さあて、どうかな……

読みやすさが「C」⇒「B」に上がっているが、
あとは「珍獣」エッセイとまったく同じ!

『文章が硬い』
……またですかい、ダンナ、勘弁してくださいよ……。

『蟹工船』に似ている……絶句!
やはり、特殊語出現率が高く、助詞助動詞の出現率が異常に低いのは同じ
いや、これも、名詞の出現率が低いけど……硬い……?

結論として、私の書きモノは、エッセイでも短編でも、
『文章が硬い』
会話文のみから成る『ユウタくんシリーズ』のみ、
『文章が柔らかい』
そして、あとの評価点はほとんど同じ ── ようでした。
エッセイが硬いのはともかく、短編小説まで硬いと指摘されるのは、エンタメ系としてどうなんだろう……?
ま、あまり考えないことにするか……。

ここで大きな疑問:
入学試験や面接試験などで小論文を書かせたりしますよね、あれ、どうやって採点しているのだろう、全部読むのは時間もかかるし、面倒だろうな ── なんて思っていましたが、内容よりも、こんな風に機械的に評価しているのかもしれませんね。
昨今では、古今東西どころか、日々生まれるSNS記事なども参照しながら、AIを活用して評価しているかもしれない。

確かに、小論文を書かせるための塾なんてのがある時代です。『立派な意見を書いているかどうか』より、AIを使って『既発表記事を模倣していないか』を評価する方がはるかに重要かもしれない。

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