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ESC社って?

バイオテック・ショート・サーキット(BSC)社の《Safe-kiss maker》開発チームがイグノーベル賞を受賞しました:

開発のきっかけは、世界的に感染症が流行する中で、恋人に『生身の』キスを拒まれたことでした。
ふたりの間ではこんな会話がありました。

ESC社から出ている《Mobile Lips》をチュッチュして、我慢しなさいよ」
 実は、朋美には内緒にしてるが、とっくに買って使っている。
「あれじゃ、つまんないよ。やっぱり、キミ自身の唇じゃなきゃ」
 そう言いながら、ひらめいたのだ。
ESC社《Lips》にはない機能 ── 他の人と相互作用を持ち、しかも感染の危険がないデバイスを開発すればいいんだ!)

『オンライン・キッス』より

以前から別アカウントのnote記事をご覧いただいている方は憶えておられるかもしれません。そうでない方には、

ESC社? BSCの間違いじゃないの?

と思われたことでしょう。

ESC社とは、エレクトロニック・ショート・サーキット社の略称で、今から20年以上前に発足した研究開発型企業です。

……って、もちろん創作ワールドの中でのことですが。

1999年から2002年にかけて、「MATERIALS INTEGRATION」という材料研究の月刊誌に、「エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ」という読切の近未来SF短編小説を連載していました。
各短編では、エレクトロニック・ショート・サーキット(ESC)社という企業が、毎月異なるテーマで新商品を企画開発し、社会を混乱に巻き込みます。
商品の多くは社名で想像していただけるように電子デバイスやAIシステムです。

このシリーズの短編は40作品ありますが、そのうち半数を既にnote用に書き直しました。多くは別アカウントで発表しましたが(現在は非公開)、さらにいくつかを加えて再公開しするつもりです。
元のシリーズは単行本として発売もされていますので、noteでも有料マガジンにした方がフェアかと思います(20作以上が読み放題です)。

一方、堅気仕事のリタイア前後に書き始めたシリーズが、
「バイオテック・ショート・ショート・カタログ」
その中で、主に生体関連技術を使ってトンデモ商品を開発するのが、バイオテック・ショート・サーキット(BSC)社です。BSC社はESC社のライバル企業として、急速に台頭してきた ── という設定です。

《Mobile Lips》とは、「エレクトロニック・ショート・ショート・カタログ」の中の1作、『携帯キッス』の中で開発されたガジェットです。

この作品は、『オンライン・キッス』の中で引用してしまいましたので、近日中に無料公開させていただきます。

お楽しみください。


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