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日本のラーメンは美味い!

先月書きましたが、日本のラーメン店(ここでは、チェーン店ではない個人営業の店)は原材料やエネルギー料金の値上げ、人件費高騰に加えて、日銀総裁が交代しても変わらない(どころかさらに円安が進んでいる)為替レートのトリプルパンチで苦しいでしょうね。

私は2回、それぞれ約3年ずつ北米中西部の大学町に住んでいました。

1回目の1990年代前半には、彼の地で『ラーメン』に似たものを食べるのはきわめて困難で、とても恋しかった。
和食メニューのある外食店はありましたが、日本人経営の本格的レストランには天ぷらや寿司、すき焼きなどが高級店らしい価格でメニューに載っているがラーメンは不在、街食まちしょく的な朝鮮料理店、中華料理店に(味がちょっと違うな…的)カレーライスを食べることができた程度でした。
「ラーメンなんだから中華料理店にあるはず!」
と思ったけれど、メニューの『Noodle』を頼むと、いわゆる『かた焼きそば』が出てきます。
郊外に1軒だけ、『Soup Noodle』を出す店があり、これがラーメンに近く(味は、具を減らしたチャンポン麺風)、日曜に時々行ったものです。
車で3時間のシカゴに行くと日本資本のYAOHANはじめ周辺にホントの日本食がありましたが、貧乏&多忙の学生一家はほとんど行きませんでした。
インターネットなどない、口コミだけが頼りの時代です。
食べられないとなると、いかにラーメンが恋しいか、私は知っています。

2度目は2010年前後であり、日本食の店も増え、『Ramen』はメニューに普通に見られました。
そして、街のメインストリートにおしゃれなラーメン専門レストランも開店するようになりました。
ここで日本人の私が驚いたのは、やはり値段の高さです。
レストランの一品料理とあまり変わらない価格です。でも、味は確かに日本の醤油ラーメンをかなり再現していて美味しく、賑わっていましたね。
ラーメンに妙な固定観念を持たない人たちは、味に見合う対価を喜んで払うのだ、と納得しました。

だからやはり、我々の頭の中にある、
「ラーメン=お手軽軽食」的先入観
はリセットする必要があるのかもしれない。日本人にとってのラーメンの原点はそれこそ朝ドラ『まんぷく』に出てきたような、屋台で手軽に食べられる、それこそ夜鳴き蕎麦屋の蕎麦のようなものだったかもしれない。

でも、そうした先入観を持たない人たちは、下記のように2000円以上払ってもコスパが見合う、と感じているのです。
日経記事からの図引用再掲ですが:

日本経済新聞2024年1月22日 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCD040YN0U4A100C2000000/

いやなニュースを目にしました。
ラーメン店の倒産が増えているというのです。
『1000円の壁(ラーメン1杯1000円以上だと客足が遠のく)』がやはりあるからでしょうか。

いや、もちろん、消費者としては安い方がいいですよ。
でも、正当な対価を払わないと、大手チェーン以外の味は楽しめなくなってしまうかもしれません。

それでいいのか?

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