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【他社戦略】地道が独自資源!他社が真似できない商品を作り上げるためには?

水曜日なので今日のブログは【他社戦略】。
年末年始で普通のブログにしていたが、今週から復活です!

「他社が真似できない商品」
これはどんな会社でも欲しいと思うものではないだろうか?

しかし、これはどうやって手に入れたらいいのだろう?
お金で買う?買えるものが「真似できない」といえるだろうか?

今回はその「真似できない商品」を作っている会社さんの話を取り上げてみよう。

 国民への食料供給を安定させるため、小麦や大豆など大半を輸入に頼る穀物の生産を増やすべきだという意見がある。これに対し、日本はそうした穀物の生産に適しておらず、増産は難しいという声もある。本当だろうか。

「固定観念。日本は麦に向いていないと何となく思っているのではないか」。農業法人イカリファーム(滋賀県近江八幡市)の井狩篤士代表は指摘する。

 イカリファームは栽培面積が約300ヘクタールと「超」のつく大規模経営。そのうち125ヘクタールで大豆を、120ヘクタールで小麦を作り、残りでコメを栽培している。
日本で作る小麦の大半は、うどんなどの原料になる中力粉用か、ケーキなどの菓子を作る薄力粉用。パンや中華麺に向くのは強力粉用の小麦で、そのほとんどを輸入している。

イカリファームが栽培している小麦は「ゆめちから」や「ミナミノカオリ」など。とくにゆめちからは、極めて強い生地を作れる超強力粉の原料になる。農業・食品産業技術総合研究機構の北海道農業研究センターが育成した。

井狩さんがゆめちからの栽培を始めたのは約10年前。地元製パン会社から「学校給食向けに滋賀県の小麦でパンを作りたい」と相談されたのがきっかけだ。

ゆめちからは漫然と育てても質を高めることはできない。井狩さんは「肥料をやる量やタイミングが商品価値を左右する」と強調する。試行錯誤を重ね、ノウハウを高めていった。

日経MJ 2024/1/5 P10

「日本では強力粉を作るのは難しい」
そんな考えを否定して大規模な農業を展開していったいかりファームさん!

「できない」と思っていては本当にできないよね。そういう意識から変えて他が真似できない状態になっている点が素晴らしい!

【今回の注目ポイント】
固定観念を排して強力粉用の小麦という他社が真似できない農作物を作っている点


<注目した背景>
※何度も読んだって人は読み飛ばしてね
今回これに注目した理由の理論は佐藤義典先生の、「戦略BASiCS」から。以下、「戦略BASiCS」を簡単に説明する。

戦略BASiCSの解説

この「戦略BASiCS」は、佐藤義典先生の中核的な理論。この理論、見た目は簡単でも、非常に奥が深い。ここで書くのは、あくまでもさわりのところだけ。詳しくは是非佐藤義典先生の本を読んでみてね。

「戦略BASiCS」とは、経営戦略・マーケティング理論は世の中に数多あるが、まとめると5つのパターンに分類され、それを再構築した経営戦略理論。その5つを一貫性具体性を持って考えることで強い経営戦略ができるという実践理論。その5つは以下の通り

attlefield (戦場・競合)
sset (独自資源)
trength (強み)
i
ustomer (顧客)
Sellingmessage (メッセージ)

頭文字をとって「BASiCS(ベーシックス)」。それぞれを簡単に説明すると、
 :自社が戦っている戦場・戦っている相手(競合)を明確にし
 :競合が真似できない強みを支える独自な資源を構築し
S :資源を強み(買ってもらえる理由)にし、
 :自社の強みを選んでくれるお客様に対し
Sm :メッセージを伝えて選んでもらおう
とこのような考え方で構築される理論。

「お客様(C)が、競合(B)でなく、自社を選んでもらう理由を強み(S)とし、それを独自資源(A)で支え、それを伝えよう(Sm)」という言ってみれば当たり前のこと。だけど、これを自社で考えると難しい。この理論、すべてにおいて「一貫性」を持つことが重要。

例えば、とても高品質なワンピースを作れる縫製技術(A)があるが、それを「ウチの強み(S)は『安さ』です!」といって売り出していたら?『安さ』といっても、高品質なもの。ユニクロと比べて安いか?しまむらと比べては?こう考えると、この会社は、「独自資源(A)」と「強み(S)」の一貫性がとれていないよね。

一貫性を5つ全てでとるというのは、非常に難しい。この一貫性だけど、以下の「3つの差別化軸」で考えると一貫性を取りやすくなる

※3つの差別化軸
佐藤先生の理論では、上記強み(S)のパターンは大別して3つしかない
商品軸:(競合より)高品質・新技術
密着軸:(競合より)個別ニーズに対応
手軽軸:(競合より)早い、安い、便利
強みはこの3つのパターンしかないので、これを考えることで一貫性がとりやすくなる。

例えば、先ほどの縫製技術の話だったら、他社よりも「破れにくい」という強み(S)を生み出せる技術力(A)があるなら、安くするのではなく、高くても「破れにくい服を欲しがるお客様」(C)を探す。といった感じ(具体性はないが…)。

これは①商品軸の例。このように、自社が戦える(戦いたい)軸は何かを考え、それに合わせて一貫性を取った戦略を作っていくことで、BASiCSの一貫性がとれるようになる。

簡単ではないが、できればとても強い経営戦略となる。そうしたら自信を持って、経営戦略を遂行していくだけ!是非この「戦略BASiCS」考えてみよう!!


パンなどに使う小麦はほとんど輸入に頼っている。その理由が「日本では生産に適しないから」ということだそうだが、このイカリファームさんは「固定観念」と言い切っている。カッコいい!

この「固定観念」が曲者だ。固定観念で「できない」と思っていると挑戦することすらしない。

だが、その固定観念を打破できる人が「他社には真似できないもの」を作ることができる。

「できない」という固定観念がある人には作れないのだから、固定観念が得ある人には「真似できない」ものだ。

「他社が真似できないもの」を独自資源というが、これが「強み(選ばれる理由)」の源泉になる。

為替が円安基調などで国産の小麦が求められてくると、強みがより強化されてくるかもしれないよね。

他社が真似できないもので強みを作れたら、なかなか追いつけず、儲けの独壇場になることもできる。

その一つの方法を今回の記事が教えてくれた。
「固定観念にとらわれない」
なかなかできることではないが、できたら独自資源への道が開ける!自社では何か固定観念はないか?あらためて確認してみましょう!

最後まで読んでくれてありがとう!!
vol.2075


意思決定インストラクター
FSAコンサルティング株式会社 代表取締役 谷川俊太郎

まずは経理情報を経営の羅針盤情報に
そして経営をシンプルに考えられる理論
・佐藤義典先生の戦略BASiCS
・MG(マネジメントゲーム)
・TOC
この3つのシンプル経営理論を駆使し企業改革の後押しを行う「意思決定インストラクター」として福井で企業をお手伝い中!

ご質問等ある方はコチラまで!



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