シュンスケ・ナカムラ

漫画とアニメをこよなく愛する男。広告代理店でコミュニケーションプランナーとマネージャー…

シュンスケ・ナカムラ

漫画とアニメをこよなく愛する男。広告代理店でコミュニケーションプランナーとマネージャーをしています。 読んだ本を紹介しています📚

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数字に”熱”を込めろ「確率思考の戦略論」

こんにちは、ナカムラです。今回は「確率思考の戦略論」という書籍を紹介したいと思います。 P&GからUSJに移り、CMOとして同社のV字回復を牽引した森岡毅さんの著書です。2014年に放映されたプロフェッショナル-仕事の流儀-では、そのV字回復劇の裏側が特集され、森岡さんのマーケティングに対する”リーダーシップと熱量”に心が震えたのを今でも覚えています。 そんな森岡さんが得意とする*数学マーケティングの真髄が凝縮されたのが「確率思考の戦略論」です。(*数学マーケティング=確

    • 自由の考察「目的への抵抗」

      こんにちは、ナカムラです。今回は「目的への抵抗」という書籍を紹介したいと思います。 以前、こちらのnoteで紹介した「暇と退屈の倫理学」の著者、國分功一郎さんの著作です。 本書は、國分さんが東大で行った「新型コロナウイルス感染症対策から考える行政権力の問題」という特別講座と、「不要不急と民主主義」という特別授業の2つを出発点とし、「人間が自由であるための重要な要素の一つは、目的に縛られないことである」という結論への過程をしるした書籍です。 このnoteでは、本書の主な論

      • 大命題に挑む「暇と退屈の倫理学」

        こんにちは、ナカムラです。今回は「暇と退屈の倫理学」という書籍を紹介したいと思います。 長い休みが続くと、だんだんとやることもなくなって暇になってくる今日このごろ。そんな時に読んでみてほしいのがこの「暇と退屈の倫理学」です。 何となく「退屈だなぁ」と思う時はあったけれど、それを構造化して解決しようなんて考えたこともありませんでした。 本書は、この人類普遍の課題である「暇と退屈」に対して、その解決策を導こうとする試みです。今回のnoteでは、細かい話は全部省いて、核となる

        • 意思決定のための「分析の技術」

          こんにちは、ナカムラです。今回は「意思決定のための 分析の技術」という書籍を紹介したいと思います。 「分析」ってどういうこと?と改めて聞かれると、なんと答えてよいものか悩ましいもので、けっこう雰囲気で使ってるなぁ~というのが正直なところ。 本書は20年以上前の書籍ですが、分析とは何か?どうやって分析すればよいのか?という問いに、分かりやすい解を提示してくれますので、今回はエッセンスをまとめてみたいと思います。 1)「分析」とは「分析」という言葉の成り立ちについて、こんな

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        数字に”熱”を込めろ「確率思考の戦略論」

          アイデアの手引き「発想の技術」

          こんにちは、ナカムラです。今回は「発想の技術」という書籍を紹介したいと思います。 電通の樋口景一さんの書籍です。「資源のない日本人が世界と戦って伍していくにはアイデアしかない」という問題提起からはじまり、アイデアを生み出すための技術を体系的に解決してくれています。 今回は、備忘録として本書のエッセンスを記録していきたいと思います。 1)「発想の技術」の全体像まずは、樋口さん流のアイデアを生み出す流れを紹介します。 ①そもそもの課題とは、いったいなにか。 ②本当の敵はな

          アイデアの手引き「発想の技術」

          業界のリアル「テレビ局の裏側」

          こんにちは、ナカムラです。今回は「テレビ局の裏側」という書籍を紹介したいと思います。 2009年出版の書籍なので情報は古いですが、テレビ局(放送業界)の実態が生々しく描かれており、現在のテレビ局がどんな歩みを経て来たのかを、当事者の視点から知ることができます。 今回は、テレビ局のビジネスモデルと、私が個人的に興味深いと思ったテレビ局の裏情報を紹介したいと思います。 1)テレビ局のビジネスモデルテレビ局の収益構造 まず、テレビ局(放送業界)の収益構造について触れておきたい

          業界のリアル「テレビ局の裏側」

          哲学者プラトンの傑作「メノン」

          こんにちは、ナカムラです。今回は「メノン」という書籍を紹介したいと思います。 本書は、あの「無知の知」で有名なソクラテスが、対話の中で問いを探求していくシリーズもの『対話篇』の一つで、当時における”学習用テキスト”的存在です。 作者はソクラテスの弟子であるプラトン。「アカデメイア」という学園の創始者で、哲学の研究活動だけでなく教育活動にも熱心に取り組んだギリシャを代表する哲学者です。 そんなプラトンの『対話篇』の中でも初期の傑作と言われているのが『メノン』になります。

          哲学者プラトンの傑作「メノン」

          日本実業界の原点「論語と算盤」

          こんにちは、ナカムラです。今回は「論語と算盤」という書籍を紹介したいと思います。 2021年の大河ドラマ「青天を衝け」の主人公として描かれた日本実業界の父・渋沢栄一の言葉を集めたのが『論語と算盤』です。 幕末から大正を生き、攘夷志士→幕臣→官僚→実業家という異例のキャリアを歩む中で、彼がたどり着いた「人はどう在るべきか?実業とはどう在るべきか?」という問いへの答えが収録されています。 今回は、本書の全容と学びのトピックを紹介したいと思います。 1)論語と算盤の全容日本

          日本実業界の原点「論語と算盤」

          成功と挫折は表裏一体「挫折力」

          こんにちは、ナカムラです。2022年最初の投稿は「挫折力―一流になれる50の思考・行動術」という書籍を紹介したいと思います。 こちらは経営共創基盤CEO冨山和彦さんの著書です。 タイトルにある通り、「挫折力」をテーマに思考・行動のポイントを①~㊿紹介する形式になっており、ひと言化されているポイントをざっと眺めて、目に留まった部分を詳しく読む、という読み方でも十分学びがあると思います。 今回は、挫折力とはどういうものかについて説明した上で、私が個人的に響いたポイントをいく

          成功と挫折は表裏一体「挫折力」

          「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」

          こんにちは、ナカムラです。今回は「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」という書籍を紹介したいと思います。 決算が読めるようになるノートのシバタナオキさんの著書です。 決算を普段読むことがない人に向けて、「決算ってこれだけ分かればいいのよ」と敷居を下げてくれる入門書的な書籍です。 今回はライトに、決算を読むメリットと決算を読むときの心得を紹介したいと思います。 1)決算を読むメリットここでいう決算とは企業が作成している「決算書」のことを指します。大抵は「決算説

          「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」

          ビル・ゲイツのマニフェスト「地球の未来のため僕が決断したこと」

          こんにちは、ナカムラです。今回は「地球の未来のため僕が決断したこと」という書籍を紹介したいと思います。 ビル・ゲイツが考える「気候変動による地球規模の災害を防ぐための具体的方策」を記したのがこの書籍。 ビル・ゲイツといえば、マイクロソフトの創業者としてIT業界を牽引した第一人者である一方で、世界最大の慈善基金団体であるゲイツ財団を運営している慈善活動家でもあります。 今回は、気候変動の影響について触れつつ、ビル・ゲイツの提言を要約してご紹介したいと思います。 1)

          ビル・ゲイツのマニフェスト「地球の未来のため僕が決断したこと」

          成功の大原則「人を動かす」

          こんにちは、ナカムラです。今回は「人を動かす」という書籍を紹介したいと思います。 邦題だと「人を操ってコントロールする」というニュアンスを感じますが、「友を得て、人々に影響を与える方法(How to Win Friends and Influence People)」というのが原題であり本書の主旨です。 1936年に初版が刊行されて以来、90年に渡って読み続けられている名作中の名作なので、読んだことのある方も多いのではないでしょうか。 今回は、本書で紹介されている原

          成功の大原則「人を動かす」

          企業の存在意義を問う「パーパス」

          こんにちは、ナカムラです。今回は「パーパス『意義化』する経済とその先」という書籍を紹介したいと思います。 昨今、盛んに叫ばれるようになった「パーパス」という概念について、それをどのように捉え、どのようにビジネスとして成立させるのかを、多様な事例と併せて紹介している書籍です。 著者はTakramのディレクター、佐々木康裕さん。イリノイ工科大学のデザイン学科修士で、以前ご紹介した「直感と論理をつなぐ思考法」の佐宗邦威氏と同じご出身、デザイン思考への造詣が深い実務家です。 今

          企業の存在意義を問う「パーパス」

          企業文化を創る「WHO YOU ARE」

          こんにちは、ナカムラです。今回は「WHO YOU ARE」という書籍を紹介したいと思います。 事業家・VCであり、「HARD THINGS」の著者でもあるベン・ホロウィッツが記した「企業文化」に関する書籍です。 原題は「What You Do Is Who You Are」。邦題ではサブタイトルのような扱いになっている「行動(What You Do)」の部分が、実は最も重要なメッセージになっていて、 企業文化とは信条ではなく、行動の積み重ねである。 という主旨が込めら

          企業文化を創る「WHO YOU ARE」

          普遍の戦略論「良い戦略、悪い戦略」

          こんにちは、ナカムラです。今回は「良い戦略、悪い戦略」という書籍を紹介したいと思います。 「戦略家のための戦略家」と呼ばれる戦略の大家、リチャード・P・ルメルトの著書で、戦略本の代名詞といっても過言ではない名著。 本書は、いわゆるフレームワークやチャートを紹介するような類のものではなく、本質的かつ普遍的な戦略論を提示しており、何年にも渡って読み続けられています。 3つのパートから構成されていますが、今回は第1部に焦点を当てて紹介したいと思います。 第1部…良い戦略、悪

          普遍の戦略論「良い戦略、悪い戦略」

          「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」

          こんにちは、ナカムラです。今回は「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」という書籍を紹介したいと思います。 台湾のデジタル担当政務委員を務めるオードリー・タン(唐鳳)が、デジタルやAIといったテクノロジーに対する考え方を”日本に向けて”語った書籍です。 ちょっと表紙が平成初期の広告並みにうるさいですが、内容は非常に面白いです。 5章にわたり様々なテーマについて論じられているのですが、今回はそこから2つのテーマを抜粋して紹介したいと思います。 1)「デジタル民主

          「オードリー・タン デジタルとAIの未来を語る」