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日々の雑感 day77【成熟産業になったフィッシング・カテゴリー】

昨日は3年ぶりの開催となった釣りフェスティバル2023(横浜)に顔を出してきました。久々の新鮮感!

往年の「密」で戦いのようにビッグサイトを人が埋め尽くしていたブームの時代とは完全に違っていましたね。ほどよく回れて、プロスタッフ、開発スタッフとしっかりお話をする時間も取れて、なんかいい感じでしたね。

☆背景

僕は中学の時にルアーを始めて、20代から30代の頃に深みにはまっていった時期がありました。河口湖をホームレイクにして、チャプターというプロトーナメントの入り口に足をふみいれるかどう考えたくらいのところまでレベル上げをやったわけです。当時、ベースにしていたボート屋さんでトッププロを目指して働きはじめたのが青木大介さんでしたが、今や日本を代表するトッププロの一人に。アメリカでも結果を出してくるその適応力、今に至る情熱の力と本当にリスペクトしています。

僕自身はちょうどその頃に池原ダム(奈良県)で自己最高のレコードを釣ったこともあって、釣りは趣味と割り切るタイミングとなりトーナメントには向かいませんでした。そして、その代わりに登山、キャンプ、トレイルウォークとアウトドアや旅のすそ野を広げる方向にライフスタイルを向かわせていったわけです。

そんなわけで、現在の僕は当時のトーナメントモードのような道具はすべからく手放しています。そして、ちょっと遊べる道具だけ残して年に数回、釣り糸を垂らしているのが昨今ですね。

☆感じた個別化という帰結

そんな状態で今回のイベントを見に行って感じたのは、成熟産業として着地しつつあるという感触でした。

中堅クラスのメーカーが費用対効果を考えて出店していないという状況がはっきりしていて、大手のメーカーかベンチャーという極端なブース構造にもなっていたように思います。

特にルアーのジャンルに関しては「個別化」が進んでいて、ロッドの細分化とか行き過ぎではないかと思うくらいに、多種多様な本数のロッドが各メーカーの展示でひしめいていたように思います。

これはマーケティング視点としてはとても興味深い事象でした。

☆少数高単価多品種

カスタム。
とにかくカスタム。

昔だったら微細な違いとして統一モデルになったのではないかというその違いを表現したロッドが増えていたわけです。リールもカスタマイズされてくるものが当たり前になり、価格帯も10年前と比べても倍近く上がってきています。でも、それがきちんと売れているんですよね。

トッププロ。トーナメントという大会の現場で磨かれてきたプロセスを動画で公開し、理解者を増やし、ファンとその共感を共有する。ゆえに大衆的大量生産的なものは売れなくなり、エッジのたった目的が明確な道具が支持を得るという結果が残る。

まさにマーケティングからブランディングに至る時系列をきちんとたどっている・・と感じたわけです。

☆まさに見習うこと

再会したかった方々がいたこともあるのですが、趣味としてまた再開しようかなとか、なんか新しい釣りでもやってみようかなと思っていた今回のフェス。結果としては、こうした業界の進化と言うか、よい意味での変化を学べた機会になりました。

実際、自分の関わっている地方創世なんていうカテゴリーでは、この「個別化」が大事なんです。でも、ブームでもないのに大衆化を目指して失敗し、誰かの成功を模倣して「横展開」という名の官製大衆化でさらに失敗していくことがずっと繰り返されています。

本当に「横展開」しなければいけないのは「How to」ではなくて、目の前の一人一人を大事にして「What」を見つけ、磨きぬいてその「共感」を共有し、カスタムし続け、成長していくことなんですよね。

技術の進歩と共に変わりゆく製品の中でしたが、自分が使っていたロッドのDNAを受け継いだものをみかけた時「あぁ、こうして継承され、時を超えていく」と感じ、自分も何かを伝えていきたい存在でありたいと思いました。

というわけで、今年2023年も自分らしく、また前に進んでいきたいですね!

そんな勇気を頂いた時間になりました。感謝です!




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