見出し画像

コーチの社会分析 Note【アンラーンⅢ・間違いだらけのキャリア教育を解説するシリーズ⑦】

新しいことを学ぶ能力ではなく、一度は効果があったものの、今は成功の邪魔になっている考え方ややり方を捨て去ることが出来ない」 

というアンラーンを中心に前回は考察しました。
そして在り方から始まる「目的の言語化」。さらには「自分の弱さを認める姿勢」という必須条件と「成功(体験)は罠になりえる」というリスク。ここも改めて思い出しておきましょう。
 
そのうえで今回は、リラーン(脱学習・再学習)の話をしていこうと思います。

☆リラーン(脱学習・再学習)の壁に向き合う

さて、まず確認しておきたいことは、上記のような前提。何を(WHAT)達成したいのか?とどのようにしてそこまでたどり着くのか?を明確にしていく必要があります。そのうえで、いつもの机上の論理を脳に刻む行為ではなく、感情と行動が伴った行動をして、その体験を経験へと変えていく学びを通さなければいけません
  
ここを「知っている」「分かっている」という人は圧倒的多数ですが、実際に「出来ている」「身に着けている」という人は、圧倒的少数です。
 
つまり、ここで差がつきます。

僕がコーチとして、講師としてこれまで数百名の方々と向き合ってきた経験からも、多くのケースで要因となる二つ。それが、

①現状把握の失敗
自分の能力や状態を高く見積もりすぎていて、出来るといっていたことが出来ない状態に。その結果、自己正当化に走り自分以外の要因に責任転嫁をし続けます。けれど、出来ない能力の状態はそのままだから、いつしか言い訳が尽き果ててしまい「やらない(辞める)」という選択になります。
あるいは自分の能力を低く見積もりすぎていて、十分に出来る挑戦を怖れてしまい、モチベーションが下がってしまい、最初の一歩を踏み出せずに「出来ない(辞める)」という選択をしてしまいます。

②モチベーションの欠如
これは「ウソ」によって生じやすいですね。本当はやりたくないこと、嫌いな事。その実現を実際には願ってすらいないこと。また時には自分以外の誰かに押し付けてしまおうという思惑が内にあること。そんな「ウソ」の状態では、モチベーションが生まれるわけもありません。やる気がない状態では継続できないので「情熱(passion)」の感情が生まれません。情熱が生まれなければ持続しないので、習慣化もしません。
 
です。繰り返しますが、誠実でウソがない。心が躍る、ワクワクするような達成した状態を描き、そこへのプロセスを可視化する必要があるわけです。僕がコーチとしてコーチングをするにあたって大切にしていること。そして、コーチングが優位性を持つと感じることの一つが「体験を作る」スキルにあります。コーチはこの体験を描くことを支援できるので、パートナー(クライアント)がリアリティを得て、一歩目を踏み出せる。それがとても重要な事であり、人生をも大きく動かしていく一歩にもなりうるのです。

アンラーン戦略・フォッグモデルより

☆スモールステップの重要さ

既にこのシリーズのリンクから購入し、購読された方々もいらっしゃるかと思いますが、アンラーン戦略でも引用されている上記フォッグモデルからも2つの要因とその対策に関しては明快に理解できるところだと思います。
 
先日、ロコ・ソラーレ(カーリング)の吉田知那美選手がグランドスラムの裏側という題で
 
【今シーズンからまた新たな取り組みをはじめたロコは、現在ちゃんと順調に「大変」を噛みしめています。カーリングスキルもアテトゥも練習内容もひとつひとつ見直して改善するのは文字通り大変だけれど、これまた大変は文字通り大きく変われるチャンス。この小さな過程を通らなければ、大きく変わった自分たちの姿には会えないので、毎日毎日がんばっております】
 
という投稿をされていました。アンラーンの著作でもテニスのセリーナ・ウィリアムズのケースが描かれていますが、常に新しい何かを学び、身に着け、経験へとつなげていく人々は、概して周囲が驚くような小さなステップからスタートしています。そしてもちろん、そのステップにおける一度の成功に満足することなく、その歩みを加速させていく習慣も持ち合わせていますし「成長痛」を楽しめるメンタリティを発揮していきます。
 
僕自身のことでは、この2023年にあえて英検3級という小さなハードルを再学習してみました。これは、その合格が目的ではなく、自分の英語力において、基礎に何か見落としがあるのではないか(出来るという思い込みによって)という部分を探すこと。数値化によって各要素を客観視し、自分の現状を分析したいという目的があったからです(そして、気づいた部分を修正し、今は来年のTOEFLという目標へ学びを進めています)。
 
というわけで、多くの失敗事例では、
 
最初のステップが適切ではない。

ことから起こります。ですので、その考え方を変えるだけで解決することもまた多い・ということになるわけです。
 
大きく考えた後は、すぐに最初の小さな一歩を踏み出す。あなたが考えるよりも、もっと小さな一歩を。そしてたくさんの一歩を。

これが、リラーンの概要と言えるでしょうか。

と、ちょうど二千字を超えてきましたね。
続きは次回にと。ではでは!


ありがとうございます。頂きましたサポートは、この地域の10代、20代への未来投資をしていく一助として使わせて頂きます。良かったら、この街にもいつか遊びに来てください。