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日々の雑感復帰準備②【メンタルコーチのクロアチア戦視点】

決勝トーナメントに進んだということで、番外編的にもう一回やります。つまり、勝つたびにもう一回となりますので、③があることをまず願っています。

☆予選リーグを振り返る

【最も上手く戦えた、自分たちのポテンシャルを示したドイツ戦後半の守備時5-4-1、攻撃時3-4-2-1でよく走り、よく攻め守る戦い方を最初からやってもらえることを期待しています。ドイツとスペインには強国としての在り方はもちろん、つないでいくパスサッカーであることやそのためのフォーメーションにも相似するところがあります。三苫ならアスピリクエタやカルバハルが相手でも戦える】

前回このようにまとめさせて頂きました。その後、スペイン戦でなるほどなと思わされたソースとして鎌田選手の所属する【フランクフルトが欧州チャンピオンズリーグでバルセロナと戦い勝利した戦術】を鎌田選手がガイドしたというものでした。この点で、僕はもともと森保監督がサンフレッチェ時代には3バックを使った弱者の戦術を好んでいたイメージもありましたので、アジア予選の時のような強者の戦術よりも、こうした弱者の戦術にこそ「らしさ」を発揮する。そんな個性であり、メンタリティなのではないかと感じています。

実際、敗れたコスタリカ戦や苦戦が続いたアジア予選のように相手が弱者で5バックになり、自分たちが強者としてそれを攻略するときにはミスが重なるようなケースが目立ちます。この点でも、フランクフルトの弱者戦術をベースに、フットサルをヒントにした5人交代という新ルールを活用する「時間軸」での視点を組み込んだリスク管理、スペイン選手の想定を超えた「個」の力(三笘、堂安)が、ドイツ、スペインに勝利するという結果に結びついた・とも言えるかもしれません。

☆とはいえギャンブル

スペインのルイス・エンリケ監督は試合後に「日本はギャンブルに勝利した」と述べて、それもサッカーだと大人の貫録を見せていました。

当然、予選の3試合でギャンブルの手札は出し切ってしまったとも言えるでしょう。ですので、クロアチア戦は出し切った状況を逆にどう使うかと言う視点(自己理解)とクロアチアというチームの分析に加えて、相手の視点で見た日本対応(他者理解)という二つの考察によって今日の試合が開始されることになります。

オリンピックもそうですが、結果論で「勝てばなんでもいい」というマインド(考え方)に基づいた言動がこうした期間中はよく飛び交います。これらの考え方はとても危険で、こうした言動をする人々の日常には不安を感じます。というのも、この結果論マインドで何が危険なのかと言えば「成長を止めてしまう」ということに尽きるからです。

ギャンブルをしなくても決勝トーナメントに進める、ギャンブルなしでも計算できる最低限の土台がある。そんな環境や状況を積み上げていくことに対してネガティヴになりやすい。つまり短期的結果を優先し、その為に失敗を恐れ、挑戦を回避するようになり、結果として長期的な成長を著しく失うことになるからです。

これはよく日本の行政(公務員)等では顕著にみられる弊害で、この国の手放さないといけない文化だと思っています。その意味でも、ボトムアップ理論の継承者であり、長期的視座での指導者である筈の森保監督が率いる代表チームがこうした「結果論者」の両極(信者とアンチ)の間でさらされてしまう。そんな現状やメディアの展開にはとても違和感を感じています。

☆今日はどうなるだろうか?

今のクロアチア代表は、前回の準優勝メンバーも多くて、先の土台が部分が実に高いんですよね。ベルギーやモロッコのような攻撃に破壊力のある相手を0点に抑える力もあるし、カナダを相手に4得点する力もある。

巷では日本がボールを保持できそうみたい話が沸いていますが、日本はボールを保持してコスタリカに負けたということを忘れてはいけません。そして、後半に三笘という世界的な新星が出て来るということは誰にもわかっていることです。ドイツやスペインのように王者としてつないでくることに拘泥するようなこともありませんし、なので、前提としては今回はより状況への適応がシビアになってくると言えそうです。

で、結論から言えば前回と同じです。クロアチアがそのスタイルとして不動である世界最高クラスの中盤を支える3人(モドリッチ、コバチッチ、ブロンゾビッチ)から組まれているシステム。そこに今回もまた5-4-1で入って、スペイン戦前半途中で修正した余っているセンターバックがこの3人にプラスでついていくことで数的優位を保つ。その形で失点の確立を下げていくことからではないかと予想します。

で、またメンタルの我慢比べになるのかなと思います(見ている方のメンタルも含めて・笑)。そのうえで、どこでリスクスイッチとして三苫を投入するのかを待ちましょう・・かな。

理論上はベルギーみたいに4-3-2-1として常に中盤の数的優位を作る方が正しそうにも見えるんですけど、クロアチアの中盤はそれでも48%の保持率とってますからね。日本代表だとドイツ戦の前半のように相手中盤の移動や変化に対してチームとして適応する引き出しが少なすぎる(準備の不足)ように思いますので、やりやすい3バックでシンプルに戦う。その方が、日本代表はメンタルがよりよい状態で戦えて、悔いのない戦いになるように感じています。

では今夜、同じ空の下で!

#ワールドカップ2022
#日本代表
#クロアチア戦
#心理視点解説

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