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地方の店の探し方~川本三郎と大泉洋の比較・・ハブ酒を進めてくる男性やおさわり女性と飲んだ松本市の思い出も

コロナ感染者数が下火になり、出張も欲格的に増えていくように思われる。ただ、WEB会議が急速に普及したので、コロナ渦前の水準に戻ることはないだろうが。
愛読する作家川本三郎の『街を歩いて映画の中へ』(82年、集英社)をパラパラとめくる。
出張先で、いい飲み屋を見つけることは簡単ではない。料理のおいしい店であっても常連だらけの店は少々居心地が悪い。埼玉県寄居町を訪れた川本氏は「他所者に慣れていないのか、まったくサービスをしてくれない」「私の方はまったく無視している。いろんなバーに行ったがこんなに見事に無視されたことはない」とご立腹気味である。

確かにこのような店はある。短時間に出るしかないように思う。
店によっては、常連が話しかけてくれるところもある。一時、よく通っていた長野県松本市の駅前にある店では、常連の若い男性が飲んでいる濁った酒を興味深く眺めていたら、「興味ありますか? おごるので一度飲んでみてください。マスター、ハブ酒をもう1杯」と勝手に注文されてしまい、飲まないわけにはいかなくなった。飲んでみると黴臭くて、まずかった。「保存料は入れていません。腐らないので」と言っていたが、かえって不安である。強精効果があるとのことだったが、別にそんなこともなく、飲み損である(ごちそうされたことはうれしいが)この店では、入店の際、女性客から「こちらに広いスペースが空いているので、どうぞ」と言われた。素直に従って行こうとしたら、どうぞこちらです」と言いながらお尻に瞬間タッチする図々しい女性の存在と共に、しっかり記憶に残っている。その女性はマスターによると近くのバーのママらしいが。ハプニングはあったが、無視されるよりは楽しく過ごせるというものである。沖縄県名護市も常連の若い女性が話しかけてくれた。「東京から来たんですか!」と驚いていたが。

川本氏は「観光地でもなければ商業地でもない。ふだん、人の出入りが少ない町ではぶらりとやってきた男は得体のしれない他所者なのだろう」と分析している。しかし、「見知らぬ町の橋を渡り、もう1つの見知らぬ町に行く。これもまた私にとっては充分に"冒険"なのである」とチャレンジングなのである。

大泉洋も地方での店の選び方に著書でコメントしており、川本氏と読み比べてみると興味深い。
地方でいい店を探すノウハウ~『大泉エッセイ』を参考に|しゅうさん|note

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