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見知らぬ女性からの誘惑にどう対処する?

 15時過ぎ、歯医者へ行く。少し蒸し暑くもあるが、晴れていて気持ちがいい。そのあと、久しぶりに書店へ。週刊新潮を立ち読み。

 ベストセラーになった『ボクたちはみんな大人になれなかった』の著者・燃え殻のエッセイを読む。電車内で、揺れ防止のために、金属の棒をつかむことがある。すると女性が手を寄せて接触させてくる。横へずらして、少し離すと再び、手を寄せてくる。その女性はある駅で降りるが、少しすると振り向いてこちらを見つめる。どうすればよかったのだろう、という内容。

 多くの人が行き交う都会の偶然のふれあい。少し、淡い感情が秘められている気もする。著者にとって、印象的な出来事だったのだろう。ただ、どうにもできないものであろう。女性が振り向いて顔を確認しようとしているので、横に立っている著者に好感は持っていたと思われる。電車で横に立つ見知らぬ異性を意識することは、ないではない。

 ただ、女性が途中で降りていることから、それ以上の発展を望んでいたのではなく、好みのタイプの異性との一瞬の接点を密かに楽しんでいただけのように思える。都会の一瞬のすれ違いシーン。

 自分が高校生の初もうでのとき、参拝が終わり、焚火に当たっていた。深夜は寒いので、多くの人が焚火を囲んでいた。一人で火に当たっていたが横の女性がこちらに体を預けてくる。夜で周囲は暗いので、反対側に立っている彼と間違えているのだろうと思って、少し体を開いて横の彼女を見ようとするが、その女性は揺るがない。誤解した行為ではないことを確信する。顔は暗くてわからない。同じ高校の女子だとすごく困ると思いはしたが、年始という特別な時間であったし、自分で喜んでくれるのならそれでいいかと思ったのである(変な言い方だが)その女性のために、すぐには立ち去らず、しばらく火に当たっていた。時間として、どの程度かはわからないが、しばらくして、無言でその場を離れる。暗くて、顔を確認していないのだが、おそらく知らない女性だと思う。今のように恋愛至上主義ではなく、硬派思考の自分にとって、誰かに見られることは避けたかったはずなのだが。

 先のエッセイもそうであるが、このような一瞬のすれ違いは、その場限りのもので発展はしない。著者にとっては少し思いを残している気はするし、女性も振り向いて見つめてきたことから、悪い感情を持っているはずはないが、時間と共に薄れていく淡い感情というしかないように思われる。

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