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2021年に「出会えて良かった!」10軒のお店

2020年に引き続き、お店の新規開拓という意味では思いどおりに進捗しない1年でしたが、それでも1年を振り返って10軒を選ぶのに、たっぷり1日かかるくらいには結果を残せたようです。2021年も、飲食店で働くみなさまと、一緒に食事してくれたみなさま、ありがとうございました!
店名はGoogle マイビジネス/Mapsにリンクしています。

わたなべ/白金高輪

わたなべ

最初から最後まで「かっこいい〜」というお店。キザなかっこよさじゃなくて、ところどころに遊び心をちりばめながらお客さんを楽しませようとする"柔らかさ”のあるかっこよさ。カウンターと厨房のつくりがすごくミニマルで目を引きつつ、バチっと伝統和食的な品から思いがけない家庭料理風な品までの幾度とない往復が心地よかったです。三軒茶屋「鈴しろ」はうかがうチャンスがないまま閉店してしまい残念でしたが、その大将がこちらのお店を2021年にオープンされて、すぐ行けたのは本当にラッキーでした。

Taihu Tokyo/神楽坂

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クラフトビールを扱うお店のなかで、おしゃれ・カジュアル路線では抜群だと思います。1Fはトーン控えめのカジュアルなバーの装い、2Fは白基調のモダンな屋台風。コアなビールのラインナップだけではなく、RTDと言われるカクテル風ビールドリンクもおいしい!個人的にはテキーラ・サンライズをイメージしたBefore Santorini Sunriseがとっても好みでいちおし。そんなフランクな雰囲気と裏腹にじつはかなり質実剛健な台湾料理だったりして、ビールの文脈以外でもすごく嬉しい。とにかく友達を連れていきたいお店。

Pizza da Vinci Tokyo/白金台

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店内中央のピザ窯を見て「そうだ、ピザを食べにきてるんだった」と思ってしまうような高級感ある内観。広々と配置されたテーブルと高い天井、奥行きのあるキッチンは白金台という家賃の高そうな土地にあってなんとも贅沢です。ピザ好きにはおなじみ、タマキさんの流れを汲む盤石それ以上のピザメニュー。そのほか各種料理も価格相応にとても工夫されています。ピザは距離を近づけるのにぴったりの料理であるにも関わらず、接待や会食にはあまりにカジュアルになりがちということを考えると本格ピザも食べられるイタリアンレストラン、という枠組みのなかで真打ち登場の感があります。

とり茶太郎/渋谷

とり茶太郎

私の人生有数の焼き鳥です。奇天烈なことは一切行わず、それでいて技術の引き出しがとにかく多いお店であるという印象です。塩もタレも、串モノも一品モノも、「なぜその形で供するのか」が徹底的に考え抜かれていると感じざるを得ない説得力があります。特に、"焼き"の幅広さは圧巻です。皮目がバキっと焼かれた"ふりそで"、上品にしっとり火が入った"レバー"。ハイライトは数多くあり、来店者それぞれに大好きな一皿があると思います。鶏肉という単一の食材に極限までフォーカスしている焼き鳥というジャンルの、良い意味でのクレイジーさが身に沁みます。

いりこ家/学芸大学

いりこ家

「小洒落てて、お酒もいろいろあって、新鮮なお刺身から創作っぽいたのしい料理まで全部おいしくて・・・」という、"ザ・みんなが好きな居酒屋"という感じです。常連だと2Fの座敷も貸切で使わせていただけるようで(真偽不明)、そんな感じも含めて、学芸大学のいかにもど真ん中って感じの業態です。だからこそ、商業っぽくなさというか、他のお客さんの雰囲気とか、席数含めたご主人との距離感みたいなもので最終的なお店への愛着が変わってくるジャンルだと思うのですが、その点でこちらはすごくコンパクトかつ、打ったときだけ打ち返してくれる会話の加減が大好きです。

fileja/神田

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12品のコースメニューオンリーなのですが、なんとそのうち7品がパスタという衝撃の内容。トルテッリからはじまって、長短織り交ぜた各種のパスタが様々な装いのソースと共に出てきます。1皿は3~4口程度と、ポーションもかなり調整されているので、お腹しんどそうという心配は御無用です。ただし、オフィスビルの入り口を通して入るという隠れ家風の演出や、一回転のみで一斉開始、強気の価格設定というのもかっこよくはあるのですが、ここまで店主のセンスが詰め込まれているとファンとしては継続性が心配になります。が・・・とにかく楽しかったので近々またいきたい。

しぇりークラブ/銀座

しぇりークラブ

適当にサッと行くかー!くらいの感じでパパっとGoogleで調べてふらっと入ったら、カウンターの常連さんたちが特有の凛とした"波動"のようなものを発していて、にも関わらず敷居を感じさせないスタッフの方々の優しいお迎えに、「あぁ、これはもう間違いない良店だわ。」という確信を得てスタート。ギネス記録にもなっているシェリー酒の品揃えを眺めながら知識を取り入れつつ、本格路線ゴリ押しのハイレベルなスペイン料理を胃袋に取り入れつつ。マッシュルームの石づきの処理、コシを感じるパエリアの炊き具合などとても細かいお仕事でした。と思ったら有名老舗だったということで、恐れ入りました。

とんかつ太郎/三宮

とんかつ太郎

つくづく、私の写真が悪いと思うのです。本当はもっと、断面が全体にうっすらピンクなのです。ちまたで"白いとんかつ"とよばれるような、低温揚げ系のとんかつのような断面にも関わらず、衣はしっかり昔ながらの"茶色いとんかつ"で、非常に香ばしく揚がっているわけです。なぜそんなことができるのかは全然わかりませんが、茶色い衣にピンクな断面ですから、それはもう当然、サクからのジュワなわけです。しかも、この衣に使われているパン粉は比較的粒子が細かく、かつ薄くつけられているため、とても上品で、相対的に肉の味を強く感じることができるのです。それがまったくこの写真から伝えることができず、非常に残念なのです。

YUMiO/十和田

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DNAにグルメが刻み込まれている伯父・伯母が「おいしい」という中華が青森県は十和田にあるということで、相応に期待していたのですが、問題はそれが、たとえそれが高級ホテルの中華で出てきても感激するような品質の料理で、しかも地産地消にまで落とし込まれているという、目から鱗のディテールだったことです。クラシックな上海蟹から、きのことXO醤を合わせた鶏肉まで、守破離も効いてます。しかもアラカルトメニューの大半は1,000円以下、コースも7品3,300円~7品11,000円までという衝撃の価格。リモート化による地方移住が進んだこの数年ですが、こんな素敵なお店が各地方にもっとたくさんあれば、移住する人も安心するというか、背中も押されるんじゃないかなど夢想した夜でした。

ひよこ/金沢

ひよこ

タケマシュランさんというグルメブロガーが大好きなのですが、そんな氏が「はっきり言って「ひよこ」が一番、そしてダントツに美味しいです。」と絶賛するステーキ屋さんに行ってきました。6席・30分1回転・メニューは300gのステーキのみ(パンやライスもなし、お酒もなし)・きっかり12,000円。しかもその歴史は今年で57年目、創業オーナーシェフの人生と共にある、奇跡のようなお店です。箸でもかんたんにほぐれる、"ふわふわ"とさえ言える柔らかいヒレ肉は、信じられないほどさらっと体に入っていきます。最終の回転だったのもあって、図々しくも30分以上滞在して少しお話をさせていただいたのですが、「ひとつのお店でひとつの料理をやり続ける」という覚悟や歴史を、御年を感じさせない語り口で教えていただきました。不謹慎なことを言うつもりはありませんが、シェフのご存命=このお店の営業可能期間ということを考えると、1年に1回は必ず行きたいです。

終わりに。

1年の外食を振り返るということは、「どこで・なにを食べたか」だけではなく、「誰と・どんな機会で・どんな話をしながら」ということもセットで振り返るということに他ならないなぁと思います。10軒のお店を選んでみるという過程のなかで、この1年の心理的な起伏とか、考えや付き合いの変化をまざまざと実感するわけです。そういう意味で、2021年は家族をはじめ"濃い"人間関係との外食の機会に恵まれた1年でした。とっても楽しかった!
いっぽうで、来年は思いもよらないものを・思いもよらない人と食べられるような、変化ばかりの1年にしたいなと思います。来年もよろしくおねがいします。

入れたかったお店たち。

VIEW & DINING THE SKY・・・ニューオータニのビュッフェレストラン。前菜からメイン、寿司や天ぷら、デザートに至るまで流石。ただ1人15,000円と考えるとシチュエーションが揃わないと行きづらい。あとお店の名前が覚えられない。
REVO BREWING・・・みなとみらいのブリューパブ。大箱で、みなとみらいらしい、水のある景色が2面に広がっていてとっても気持ちいい。春から夏は、桜木町駅からこのお店までゆっくり散歩して、ほどよく汗ばむところでビールをぐびっと一杯。最高のやつです。
KNOT・・・神戸のイタリアン。すごく繊細で複雑なお料理が、次々と美しいお皿で綺麗に提供されてきてびっくり!お店の調度もよく見るとめちゃめちゃ気が配られていそう。たぶん、オーナーの美的感覚がすごい。そしてたしかコスパも良かった。紹介してくれたソルティーありがとう。
回転寿司やまと・・・千葉への用事で寄り道。コスパ回転寿司のなかではクリティカルヒット!安旨でした。シャリのサイズが選べたり、いわゆる"おすすめ商品"がちゃんとものすごく美味しくておすすめとして成立してるのも嬉しかった。千葉県民はみんな知ってる、的なお店なのでしょうか。

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