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事実はQueue、物語はStackで。読みやすく自然とわかりやすく興味深くなる文章の書き方

友人の記事がとてもきれいな構造で書かれていたため、完全に構造を真似して、分析した。書いてみた。備忘録。


queueとstackとは

queue(キュー)とstack(スタック)は情報工学用語でデータの管理に使う構造を指す。

  • queue: 入れた順で取り出す箱

  • stack: 入れた順と逆順で取り出す箱

例えるなら

  • ところてんはqueue(先頭から取り出す)

  • 平積みの書籍はstack(積んだ順と逆順に取り出す)

Stack型とQueue型の文章とは

文章には必ず情報がある。情報は大きく2種に分かれる。

  • 前提

  • 結論あるいは主張

今日は晴れだ(前提)
ピクニックに行こう(結論)

例文

前提が結論付けられたときを「解決」とよぼう。

今回は、前提と結論の解決がどのようにされるかによって文書構造を分類分けし、分析する。


Queue型の文章とは

直前の前提が、直後に解決される

前提と結論がセットで書かれ、近い距離で解決される。

queue型の文章の典型はFAQである。問い(前提)に対する回答(結論または主張)が最速で解決される。

Q. 電源が入りません。どうしたらよいですか?
A. 電源が正しく刺さっているか確認してください。

Queue型の例文

Queue型の文章は、マニュアル、ニュースや論文など端的に事実を述べることに向いている。実用性の高い文書構造と見て良い。


前提と結論が近い距離で解決されるほど、覚えるべきことが少なくなるため読むのが楽になる。難解なものほど認知不可を低くするために短距離で解決される傾向にあると思う。

分かりやすい反面、端的すぎてつまらなく見えがちである。

Stack型の文章とは

直前の前提が、のちのち解決される


前提と結論が逆順で解決される、もしくは遠い距離で解決されるものを指す。

物語はStack型のほうが向いている。

前提: 桃から生まれた桃太郎
(きじやさる、いぬを巻き込んで紆余曲折)
結論: 鬼を退治した

Stack型の例文

前提と結論が遠いほど、読み手の予測が入り込む。Stack型の文章はそのような含みを与えることで読者に楽しみを提供する。端的さはないが、興味深さや味わい深さを生む。

ただし、前提と結論の距離が遠すぎると解決されたときには前提を忘れてしまっているし、結論がない場合は解決されない違和感が残る。

例えば、100巻オーバーの漫画を読むときに、1巻から全ての前提を覚えておくのは曲芸に近い。そして、完結時に結論がない場合は解決されない違和感が残る。

Queue型とStack型を使い分ける

ここまで読むと、この文章は明らかにQueue型で書かれていることがわかるだろう。章が立てる問とと本文の回答が一致し、解決されているはずである。

では、Stack型とはどのようなものをさすのだろうか?

イメージしやすいのは小説や漫画のように「キャラや環境描写が序盤にずっと続く」状態だ。また、お笑いも近い構造になっている。

お笑いにはフリとオチがあると言われる。緊張と緩和を生むために前提を積み続ける。前提を積んで積んで圧力をかけた後に、一気にプシュッと抜く。それがお笑いの基本なのだそうだ。

技術文章や

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