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ビジネスと自己の間の葛藤や引き裂かれを、ビジネスに反映し返す

自分の場合、特に成長を義務付けられたビジネスをしていると、必然的に自己との矛盾は起こる。抽象度を高くいうと、欲望やコンプレックスを煽るようなマーケティングのあり方に違和感を覚えたり、このまま売上追求しても自分の理想のとは違う方向にいく可能性があるのではないか?という感覚だったり、組織文化自体がもっと探求的だといいなと思っていても効率的なパターンによっていて作るプロセスに楽しさを見出せなかったり。

立ち向かい方の1つとして、自己一致する職業を選んだり、自分がすべてコントロールできる会社を作ったりする職業自体を変えるやり方がある。

ただ自分は今の仕事に立場として責任を感じていたり、そもそも一人でやることに限界を感じて、複数人で運営することやビジネスでスケールする道を自覚的に選んでいる。そのためこのやり方を安易に選ぶことはしない。

また一人の会社員としてだと仕事だと割り切ったり、事業成長のためならなんでもやるスタンスに切り替えるという自分のスタンス自体を変えるやり方が思いつく。

これは自分の性格上、自分の気持ちを押し込めて合理化しているところに息苦しさを覚えてしまい、結局のところ持続的じゃない。

(自分の性格上といったが、この感覚は自分だけじゃないのではないか。高度経済成長期や、ソシャゲやキュレーションメディア、グロースハッキングが流行っていた2010年前後なら成長やモメンタムが全てを癒すというのも強くあっただろうが、そこでさまざまな社会問題が起こった後の今の時代では、結局スタートアップだとしても長く走れるかが重要で、事業と自分のありたい姿との引き裂かれているような感覚を無視してはどこかで心身に無理が出てしまう人もそれなりにいるように思う)

つまり、安易に白黒つけるような選択肢を取ったところで完璧に自己一致した状態はありえなく、ビジネスにより引き裂かれた状態をうまく自分のなかで何かしらの転換を行い、ビジネスに反映し返すということをやっていかなければ仕事も自分の心も持続していかない。

反映し返すというのは抱いているもやもやを組織で発露させるという意味ではない。会社の目指す方向やビジョンにプラスになるような形で還元すること。

たとえば、学習サービスを運営しているとして、欲望やコンプレックスを煽るようなマーケティングのあり方に違和感を覚えていたとする。その場合、単純に倫理的な問題を犯して脳をハックするやり方ではなく、届けたいユーザーの本質的なニーズを特定して正面から成果が出る広告のパターンを作りにいくとか、入り口としては反射でクリックをしていても、サービスを利用するにあたってユーザーが自分に必要なことして自律的に学ぶするように変化していくプロセスを作りにいくとかをやってみる。

マーケティングへのもやもやを原動力にして、よりブランドどしても優れていて成果が出る新しいマーケティングパターンを作れるかもしれないし、サービスの利用継続につながる新しいパターンを作れるかもしれない。こうすると、自分が引き裂かれていた感覚をビジネスに跳ね返すことができる。

この例でいくと、わりと人文好きのなノリを与えてしまいそうだが、全然別のものでもいい。「テクノロジーをもっと活用したいのに、この会社ではできなそうだ」というなら、雑にいうとサービスで実現したい価値や業務効率化に、いま関心があるテクノロジーを組み合わせたりできる問いを立てることからはじまる。

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とはいえ、多くの組織では、今成果がでているやり方を変えるのはなかなか難しいし、自分は会社の目標と関係ないことを考えてるのではないかと思われるのは怖い。

1on1などで何でもいってよと言われたところで、評価対象であるわけだから、「今の目標にこういう課題があり、自分はこの点でもっと成長しないといけない」といった発言をしておいた方が無難だ。こういっといた方が、上司も「よく考えてるな、よし」みたいになる。

だから、「個人のもやもやを源にビジネスに跳ね返せ」という仕組みが重要になる。いやこの表現は自分に閉じすぎだから、実際は「個人のわくわくする問いを持って事業に反映してほしい」というくらいかもしれない。現実はこれは主に経営層や人事制度を担当する人がデザインする必要がある。

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この記事、前半は自分の話に閉じて書いてたが、後半はこれ実現するのって経営だなと広がる形になった。

よく言われる多様性を生かすというのも、ジェンダー比率や障害者雇用などの形式的な問題ではなく、この考え方がないと上滑りした決まり文句になってしまう。

自分自身のもやもやからこのようなことを考えるようになったが、自分の組織でも徐々に作っていきたい。

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すでに自分のイメージするものと近い仕組みを作っている組織もありすごい。

Will Can Mustとかも近いのだろうけど、これもやはりビジネスに反映するための問いみたいなものがないとWillをマネージャーが支援することはやりづらい。

また最後に自分の話に戻ると、自分はWillだともやもやが出てこない感覚がある。一定やりたいことはやっているから、ビジネスやっていて出てくるのは、それでも生まれてくる葛藤や引き裂かれている感覚が多い。

これは多くいるわけではない気がするが、自分の周りで経営してる人には少し見かける。この辺りは組織の仕組みというよりは、一旦は個人の振り返りのなかに入れていく感じにしようと思う。

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