富樫 重太

日記のなかから取り出してラフに書いています。政策・ガバナンス領域もマイペースに探究中。…

富樫 重太

日記のなかから取り出してラフに書いています。政策・ガバナンス領域もマイペースに探究中。 issues / 公共とデザイン

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  • PUBLIC & DESIGN|公共とデザイン

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    企業・自治体・共同体と実験を共創するソーシャルイノベーション・スタジオ「公共とデザイン」が運営するメディアです。クリエイティブ視点でガバナンス、民主主義、市民参加などの理論と実践例をお届けします。 プロジェクトのご依頼、登壇や研修、協業などのご相談はサイトのお問い合わせからどうぞ。 https://publicanddesign.studio/

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最近の記事

ビジネスと自己の間の葛藤や引き裂かれを、ビジネスに反映し返す

自分の場合、特に成長を義務付けられたビジネスをしていると、必然的に自己との矛盾は起こる。抽象度を高くいうと、欲望やコンプレックスを煽るようなマーケティングのあり方に違和感を覚えたり、このまま売上追求しても自分の理想のとは違う方向にいく可能性があるのではないか?という感覚だったり、組織文化自体がもっと探求的だといいなと思っていても効率的なパターンによっていて作るプロセスに楽しさを見出せなかったり。 立ち向かい方の1つとして、自己一致する職業を選んだり、自分がすべてコントロール

    • 自分の会話の苦手さから広げた思索

      社会と自分の間の引き裂かれの問題について。簡単にいうと仕事とかで演じている自分と、自分が自分だと思っている自分との乖離が激しくて、それに苛まされている状態。 引き裂かれの問題はさまざまだが、今日は会話について。 会話における、社会と自分の間での引き裂かれ自分は社会に望ましいとされていない発言をすることが多いと、自分では認識している。空気が読めなかったり、デリカシーのない率直な言葉、ぼーっとして人の話を聞いていない、(自分のなかではつながっているが)脈絡を無視した発言、明快

      • 悲観についての垂れ流し

        ペシミスト思想家のシオランの入門書『生まれてきたことが苦しいあなたに』を読んだ。怠惰や悲観といった言葉には惹かれてしまうものがあり、梅崎春生やラッセルなどのエッセイも読んだことがあったが、専門家による解説というところもありシオラン本がわりと頭には入りやすかった。 こんな本を読んでいたり惹かれたりする自分は怠惰だったり悲観的だったりしそうだなと思うが、状況や場面によるといえばよる。変わるものなので楽観的な時も悲観的な時もある。 ただ楽観的な時にはわざわざ本を読んだり文章を書

        • 想像と分析 - 政策へのアプローチについて

          年末年始でだいぶ政策関連の学術書を読んだ。政策というと何か?というのが政策づくりプラットフォームをやりつつも、まあまあ曖昧だったが、少しはクリアになった。 王道は分析基本は、政策課程論や政策分析論といわれる分野の本を読んでいった。政策を取り巻く全体像のプロセスについて理解を深めたかったから。たとえば、政策分析ではこのようなプロセスを経る。 問題の変数を構造化し、コントロールできるところを探し設計する。政策というと難しくて未知すぎる分野だなと思うが、ビジネス的な言葉でいうと

        ビジネスと自己の間の葛藤や引き裂かれを、ビジネスに反映し返す

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        記事

          文学フリマ京都で「自由苦手軍団」として出展した

          文フリ京都にサークル名「自由苦手軍団」として参加しました。自分のパートナーの真実のホタテによる、詩・エッセイ・感想文をまとめたものでした。 日々の日記から再編集販売したZINEも『自由苦手 詩と感想文』というタイトルで、自由の難しさをテーマにした本です。といっても、このテーマで書こうというかたちで書いたのではなく、日々の日記をまとめたらこのようなテーマが浮かび上がってきたという形の本でした。 きっかけはいろいろあるのですが、あくまで自分の視点からいうと、もともと妻と自分だ

          文学フリマ京都で「自由苦手軍団」として出展した

          選挙へのウェイトとスポーツ的な物語性

          年末年始にみた選挙を扱ったコンテンツ年末年始にかけて選挙系のコンテンツをいくつも見た。書籍では『選挙学入門』、映画では「センキョナンデス」「君はなぜ総理大臣になれないのか」。その他読みかけのものがいくつか。 『選挙学入門』は選挙プランナーの頭のなかを公開したような内容。どのように支持者を作っていくのか。こういうのは、わりと誰が読んでも裏側を知れるので、読んでみると面白いかなとは思った。 映画の方も、いずれも選挙戦を追いかけたドキュメンタリー。それぞれの思惑や根底にある思い

          選挙へのウェイトとスポーツ的な物語性

          2023振り返り

          issuesは段階的なPMFを迎えるissuesは2023年は、統一地方選・シリーズAの資金調達・国政展開の開始などがあった。2022年の前半でビジネスモデルの調整を行い、秋ごろから伸び始め、2023年に入るタイミングから統一地方選にかけて跳ね上がった。 その結果、特に都市部ではissuesを経由した要望が政策実現につながる事例も増えた。事業的にはマイルストーンであるシリーズAの資金調達を完了できた。 2022年の前半は探索と設計、後半は営業方法確立のフェイズだとすると、

          2023振り返り

          理性の暴力をどう乗り越えるのか

          コードギアスと統治の形コードギアスが好きで3年に1回くらい見る気になる。征服された日本で革命を起こすテロリストの主人公・ルルーシュと、征服した架空の国家・ブリタニア政府のなかから変えていく道を選ぶ元日本首相の息子・枢木スザクという二人の幼馴染を軸にして話が展開されていく。 醍醐味はルルーシュの理性である。もともとチェスが強く頭の回転が早く采配に長けている高校生に、ギアスという人を操れる力が宿り、テロを起こしていく。全体的に人を駒として扱い戦略的に政府の陥落のために采配をする

          理性の暴力をどう乗り越えるのか

          民主主義や意思決定は、欲望形成に基づく。

          3年前に民主主義とデザインについて、マンジーニの捉えかたをもとに整理していた。いまみるとふわっとしてる記事だなと思うが、マンジーニによると民主主義とデザインの接続面は以下とされている。 3年前に整理した時は、自分の運営するissuesは2つ目の回路に当たるな、くらいの解像度だった。1もRxCなど実験的な取り組みが出てきている。そういう面でシステム寄りの思考だったと思う。 正直4つめの参加型デザインなどを取り上げたところの解像度が高くなかったが、issuesで感じる問題意識

          民主主義や意思決定は、欲望形成に基づく。

          政策づくりプラットフォーム立ち上げに至るまでと、軽い未来想像

          最近issuesの記事を2つ書いた。1個目は大胆な打ち手をどれだけ打てるかという話。2つ目は数名〜十数名規模で、会社内で顧客インサイトが回る仕組みについて。 今日はそもそもissuesをやっている理由でもあるどういう会社にしたいかというところについて。 源流にあったのはデザインの役割もはや今は自分は"デザイナー"という感じではないが、もともとはデザインの会社で働いたり、スタートアップのデザインやプロトタイプ制作の仕事をしていた。 そこからissuesを立ち上げる過程でも

          政策づくりプラットフォーム立ち上げに至るまでと、軽い未来想像

          顧客の接点となる部署と、仕組みをつくる部署を連動させる

          シリーズAの資金調達を終えて採用を実施している「issues」について。 前回はラディカルにプロダクトをつくるということを書いた。雑に書いたので読みづらく謎になっているが、内容はいいと思っている。 これでPMFに近づいた。小さくない、バーニングニーズだけに絞ることが重要。ただ、それを属人的にやっていてはスケールしない。 組織の全員がバーニングニーズを見つけて、プロダクトや仕組みに落とし込んでいけることが重要。 PMF後もラディカルな改善が重要今回の調達までは、toBと

          顧客の接点となる部署と、仕組みをつくる部署を連動させる

          ラディカルにつくれ

          2019年3月にリリースしたissuesがシリーズAの資金調達を実施。エンジェルラウンド、シードラウンドに続き3回目。 シリーズAはPMFを達成していることが一つの目安になる。前回のシードラウンドは一定使われているくらいでビジネスモデルは立ち上がっていなかったが、今回はビジネスモデルの確立と、売れるトラクション得られたので、投資を受けることができた。 自分はファイナンス周りはしておらず、プロダクトやビジネスモデル設計を顧客ニーズに基づいてやるところにフォーカスしていた。

          ラディカルにつくれ

          市民と共創するスマートシティ

          前回は1周年記事として公共とデザインのミッションや今後取り上げていく記事のスタンスについて書きました。人々がうちなる光を灯すための公共のあり方として考える一つのうつわとして、都市環境があげられます。 過去にも市民参加やまちづくりの記事を書いてきました。行政や企業が都市をつくるにあたって、たびたびキーワードとしてあがるスマートシティに焦点を当て、テクノロジーと住民、住民の都市における役割について考えて行こうと思います。 トップダウン型 - スマートシティの古典的モデル スマ

          市民と共創するスマートシティ

          人々の科学への能動性を育む

          過去にプロジェクト駆動の民主主義について取り上げました。私的なプロジェクトからはじまった活動が公共性を帯びていくかたちは、既存の選挙や制度のイメージが先行する「民主主義」とは異なるものの、むしろ生活者が自律し活動していくかたちは、民主主義の理想を体現しているとも思います。 デザインや都市計画の文脈で市民に委ねられる事例も紹介しました。社会づくりやそれに有効な方法論をひらいていくことは重要ですが、それを裏返していうと一部の高等な教育を受けた人や、専門的なキャリアを重ねた人が権

          人々の科学への能動性を育む

          食品ロスに向き合う場・ツールをつくる

          過去に「都市や資源の未来に「シェアリング」で向き合う」で限りある資源に対してシェアの考え方を用いた取り組みについて紹介しました。カーシェアやおもちゃの貸し借りなど、必要以上にものを持たず、さらには貸し借りから生まれる地域のつながりも生まれるなど、参考になる事例でした。 今回は資源のなかでもひときわ深刻な食料問題をテーマに、消費者が食品ロスに向き合う機会になっている事例を紹介します。 食品ロスの現状 日本におけるフードロスはおよそ年間600万トンにおよびます。これは国民ひと

          食品ロスに向き合う場・ツールをつくる

          熟議の補助線をデザインする EU発のカードゲーム「PlayDecide」

          過去にゲームを活用したヘルシンキ行政の取り組みについて紹介しました。行政職員の創造力を補助する役割としてゲームを用いることで、構造的にプランニングを行える好事例でした。 デザインの役割として、体験や使い勝手として優れたサービスを作るといったところも重要である一方、自律した市民・行政を育む上では彼らに主体性を移し、自ら社会をかたちづくれる基盤・文化を設計していくことは民主主義におけるデザインの姿勢として大切なように感じます。 「民主主義の熟議をデザインする」ではイギリス・ダ

          熟議の補助線をデザインする EU発のカードゲーム「PlayDecide」