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福原義春さんの言葉


資生堂 元社長、会長であった福原義春さんが令和5年8月30日にお亡くなりになりました。92歳でした。


福原さんの映像を何度か拝見したことがあったのですが、一番印象的だったのが「箴言と考察」ラ・ロシュフコオ著の本を紹介したテレビ番組です。


短い文章で人間の本質を抉り、一瞬で心臓(心)を突きさすかのようなラ・ロシュフコオの言葉に深く感銘しました。


その本を紹介していた福原さんが語っていた言葉が、自身の人間性をあらわしていました。


それは


「名誉会長なんかいらない」
という言葉でした。


大部分の人は羽振りや地位に
よってしか人間を判断しない

「箴言と考察」ラ・ロシュフコオ グラフ社

「だって、そうじゃないと人間、たいしたことがないのが肩書きで威張ったりするじゃないですか。それじゃ、やっぱり働けないですよね。みんなが。

肩書きがつくと機能ではなく、権威になってしまう。それは恐ろしいことなんでね。本当に何を考えているか。何をやっているか。肩書きじゃないんですよ。」

「小林麻耶の本にあいたい」BSテレ東 2010年11月25日


実際、福原さんは「さん付け活動」をしました。上司を役職名で呼ぶ習慣を見直して上下関係に縛られないようにしたそうです。


また


仕事で接した社員には直筆の手紙を出したり、心配りが細やかであったと。


仕事=人間力であるように思います。


しかしながら、そのような人はどれくらいいるのでしょうか?


仕事をしていると、人を非難し、恥ずかしくなるような正論(こちらから見るとあきらかに曲論)を押し付けてくる人もいます。


ラ・ロシュフコオの本に、このような言葉がありました。


人は、他人の欠点をわけもなく非難する。
しかし、ひとの振り見て、わが振り直そう
とは、ほとんどしない。

「箴言と考察」ラ・ロシュフコオ グラフ社


このような言葉で人の本質を突く、ラ・ロシュフコオ。


ラ・ロシュフコオの箴言に感銘を受けた福原さんは、自身の「物や人を見る力」の基本になったと語っていました。それが社員のみなさんの働きやすさになっていったのでしょう。


ラ・ロシュフコオや福原義春さんの語っていた言葉を噛みしめ、「人に対して、恥ずかしくないような行動をとらなければいけない」と改めて思い直した次第であります。


福原義春様のご冥福をお祈りいたします。


いつも読んでいただきまして、ありがとうございます。それだけで十分ありがたいです。