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さやの湯

初めて降りる駅、志村坂上。スーパー銭湯界で都内人気ナンバーワンと噂のさやの湯を今回は目指そうと思う。
板橋区、少し路線を変えただけで町のオーラが全く違うものだな。池袋近い方とはだいぶ肌触りが違う穏やかな空気感。少しレトロな商店街。こんなところに住みたいな〜。不動産屋の店先に出ている物件を物色。中古で3500万か…

坂上という地名なだけにすこし坂が入り組んでいるのだね。東京ってわりにダイナミックな坂が多いけどこのあたりもそうか。江戸時代の城下町や水路建設の過程でそうなったのかしらね。よく知りませんがブラタモリとかで言ってそう。
滑り台のような坂を下って見次公園を抜けて行く。公園の池ではヘラブナを釣るおじさんがのんびりと釣り糸を垂れていた。良い公園ですね。

公園を抜けて住宅街をしばらく進むと郊外に突如現れがちなイオン様様がお出迎え。
向かい側に和風旅館のようなさやの湯が見えた。

靴箱の鍵は100円を入れるタイプで、鍵についてるバーコードでお風呂内での買い物をすべてまとめられるよくあるシステム。ここで良いなと思ったのは100円が必要なのはこの下足のロッカーだけだったところ。更衣室のロッカーはご自由にお使いください、そのほんの少しの余裕が客の質の良さを裏付けているようで、こういった小さなことで緊張がほどけるスピードが違ってくるのだ。
ロッカーは300あった。意外と広くてゆとりがある設計なのね。着替えていても隣とバッティングしない広さなのは嬉しい。
ドレッサーも16台あるので髪の毛乾かし待ちの列もなく、混雑時っぽいのに2、3個空いてて座れる感じだった。


1.温泉がいい

こちらご自慢の源泉かけながしのお湯のお風呂。源泉濃いめのお風呂は少し小さめ。可愛らしくひょうたん型の岩湯船に寄りあい譲り合って入る感じが有り難みを高めている気がした。みんな目を瞑り猿が山奥の隠れ湯的なお湯に入ってるみたいな感じ。そしてここの一番の特徴はお湯の色の美しさ、これに尽きる。なにこのうぐいす色のお湯。東京千葉あたりではあまり見たことがないにごり湯。硫黄臭はなく、泉質としては強塩泉らしいけど、目で見ているだけでうっとりするというリラクゼーション効果があった。温度は少し加温して41度とのこと。

2.お風呂全体のデザインがすばらしい

この露天ですごいと思ったのは視界の遮り方。都会の喧騒を離れて宿に辿り着きました…と錯覚するぐらいにほかの現実的な建造物や美観を損ねるオブジェクトがまったく見えない。和風竹垣の高さが一般によく見る塀よりもかなり高い所にまで設置されている。庭には大きめのナンキンハゼや季節の花なども植えられていて季節の情緒が感じられ、まるで山奥の旅館に来ているような静けさ。イオンの隣なのに何故。とにかく訪れた者に現実を忘れさせ今ひとときのやすらぎを提供するための努力を惜しまない、そのこだわりのホスピタリティがあちこちから伝わってくる。

そして女性に嬉しいポイントは紫外線への工夫。露天風呂だとつい気になるのが紫外線でいつもはタオルで顔にほっかむりをしながら入ったりしているものだが、こちらでは屋根や庇や御簾の角度などが実にうまく日除けの役割を果たしており、絶妙な計算がほどこされているのを感じる。
寝湯の枕もちょうどよい高さだったし、御簾の隙間から青空が覗くのを見ながら横たわり、あたたかなお湯が半身にやさしく流れ伝わってくるのを感じていると時代を忘れ悠久の時を超えて宙に浮かんでいるような気分が味わえた。

あとサウナ!ハンジュンマクのドーム型の韓国式サウナはご存知だろうか。あのように灼熱サウナではなくスチームサウナタイプなのだけど、入口の狭さ、石窯っぽさがどこか似ていてこれもまた風情あるつくりだった。よもぎほか和漢植物を蒸してアロマ効果を高めている模様。座ったあとにシャワーで流すのがマナーだが、そのリンス用の水道がポンプ式ではないところとかもグッと来た。小さなホース付きでかわいい。あれポンプ式でなかなか水止まらなかったりするとサウナ内の温度が冷えるし地味に待ち時間が不安になるのよ。

3.お湯の流れが美しい

真ん中にある円形のお風呂、こちらから流れあふれるお湯の流れが静かにその外側の足湯の船に流れていく様子が良い。岩肌をなめらかに流れる波線形を眺めながらお湯に浸るだけでも脳内でα波が満たされるようだった。


4.とにかくセンス
美意識のかたまりのようでした。中庭が龍安寺みたいだったぞ!



ほかにもたくさん言いたかったことあった気がするけどまあとにかく行ってみて!
ひさしぶりに最高の癒やしを感じるお風呂でした。

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