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遊戯王初心者が閃刀姫・ウィッチクラフトにハマるまで【マスターデュエル】

 にじさんじライバー男女問わず始めてるなあ……私もやってみるか! そんな軽い動機で「遊戯王 マスターデュエル」を始めた。同ゲームは、マルチプラットフォーム(PlayStation /Steam/Nintendo Switchなど)で遊戯王をプレイできるオンラインゲームだ。

 数日前に始めてさっそくどハマりしてます。ネットでレシピを探し、解説動画で学び、ランク戦で実践して勉強する日々。いやまさかこんなにハマるとは思わなかった……せっかくなので、その過程をまとめてみます。オタクが沼にハマる過程をご笑覧いただければ幸いです。

始める前の先入観・偏見

 まず始める前の状態。私には変な先入観偏見があった。「ルールが難しそう」「どこから始めればいいのかわからない」だ。これは恐らくTCGをやっていない人々によくある思いだろう。小学生の頃はニチアサの影響でバトルスピッツにハマり、中学生になる頃には自然と熱が冷めていた。大人になると知人が遊戯王をやっていたり、推しのVtuberが熱中しているのを見たりで興味をそそられることはあったが、自分で始めることはないだろうな、と思っていた。

 しかし、その垣根を取っ払ってくれたのがにじさんじ。社築氏のマスターデュエール配信がめちゃくちゃ面白かった。アニメキャラRP・召喚口上をノリノリでやりながら、ぼくがかんがえたさいきょうのデッキを展開し、脳汁ドバドバで相手を蹂躙する。しかし時には一瞬で破壊される。細かいルールは分からなくても、社氏が全力で楽しむ姿は面白かったし、オタクとしてとても共感できた。

 そして、遊戯王初心者のライバーが何人もマスターデュエルを始めていた。最近は「逆張りしすぎなのもよくないよな……少しはトレンド追わないと……」と一周回った逆張りオタクになっていたので、さっそくプレイしてみることにした。


「閃刀姫-レイ」と出会う

 チュートリアルを通して「ああ、なんか懐かしいなこの感覚……」とノスタルジーに浸り、気がつけば結構な数の石が溜まっていた。試しに10パック剥いてみる。ここで運命の出会いがあった。

 「閃刀姫-レイ」。一目惚れだった。閃刀姫(せんとうき)というネーミングセンス、可愛い女の子が武器を持っているというオタク殺しのイラスト。遊戯王にはドラゴン族、アンデッド族など様々なモンスターが存在するが、群を抜いてこの少女に惹かれた。

 後にウィッチクラフトにもハマることにもなるのだが、これもイラストに惹かれたからだった。たとえば「ウィッチクラフトゴーレム・アルル」。魔女、アルビノ、球体関節……何すかこの性癖ぶっ壊すのに特化した造形は。人外だとか、アンドロイドだとか、無表情な子とか、非-人間とでも呼べばいんでしょうか。人間の姿をしていながら、姿形や感性が微妙に人間的でないもの。そういうのがめちゃくちゃ好きなんですよ私は(デカい声)

 ネットで小耳に挟んだ情報であるキャラのことが気になり、何とはなしに作品を見て、気づけばどハマりしていた——オタクなら誰しもそんな経験があるだろう。まさにその感覚だった。こと遊戯王に関しては何千種類ものカードがあるので、1枚くらいは性癖に刺さるカードがあるというという寸法だ早くもこのコンテンツの恐ろしさを思い知らされた。人外ショタとか、憂いを秘めた青年とかもいるんだろうな……世界観も違うからドラゴンも近未来もありなわけで……ああ、沼が深い……

 話を閃刀姫に戻すと——気になって調べてみると、コントロール(相手への妨害をメインとした戦術)寄りのデッキであることを知り、ますます興味をそそられた。自分のプレイスタイルに合うだろうなと直感した。

 というのは、私は「スプラトゥーン2」ではもみじシューターを愛用しており、高所に陣取る敵にひたすらロボットボムを投げたり、ガチエリアにアメフラシを投げて広範囲かつ長時間の移動制限・スリップダメージを加えたりと、敵を妨害することが好きだった。優れた対戦ゲームは鏡のようにプレイヤーの本性を映し出すもので、慎重な性格の私は、ガンガン攻め込んでいくスタイルより、戦況を見極めながらじわじわと相手を追い詰めていくスタイルが大好きだ。

 美麗なイラスト。コントロール戦術。どちらも私が好きなもの。閃刀姫およびウィッチクラフトの出会いはまさに運命的だった。振り返ってみると、入り口が広いからこそ、私は入り込むことができたのだと思う。千差万別のイラストや戦術があり、ユーザーはその中から自分が気になったものをチョイスできる自分が能動的に選択した感覚があるからこそ、余計に好きになれる。選択肢が狭ければこうはならなかっただろう。長寿コンテンツたる理由を実感できるファーストインプレッションだった。


実際に遊んでみる

 一機刀閃・魔術の探求者たちパックを剥き、各デッキを回すための最低限のカードを揃えてランク戦に臨む。初めてデュエルボタンを押す瞬間、マッチング待機時間、実際に辿り着いたバトルフィールドの景色を見た時。どれもドキドキが止まらなかった。

 実際にやってみるとプレミ初見殺しのオンパレード。「速攻魔法はセットしていないと相手ターン時に発動できない」というルールすら知らなかった初心者なのでまあ当然。「効果を発動しますか?」に適当にOKしちゃったら自分のモンスターを破壊しちゃったり、ペンデュラム召喚で大量のモンスターを召喚されて「何!? 何が起きてるのこれ……!?」と困惑しているうちに盤面制圧されたり。初心者に立ちはだかる壁に見事にぶち当り続けている。

 始める前はそれが目に見えていたから敬遠していたのだが、実際にやってみると楽しく感じられた。プレミをしたら「次はもっとうまくやろう」と思えた。
 ウィッチクラフトデッキは効果発動のタイミングを覚えるのがとにかく大変。せっかく手札に魔法カード揃えたのに、なんでマスターヴェールの効果発動できないの!? ……あ、ダメージ計算時に発動できるのか……墓地に送られたヴェールを再召喚したいな。パトローナスでデッキに戻すか。あっサボタージュで特殊召喚もできるな……などなど、デッキへの理解が深まるほどに選択肢が増える。

 噂の環境デッキ・エルドリッチと対峙した時は、マスターヴェールで攻撃を食い止めつつ、デモンストレーションでウィッチクラフトモンスターを場に展開、ドレーピングで相手フィールドの魔法・罠カードを一掃。いざ畳みかけようとしたところで降参(サレンダー)された。なるほど、やっぱりこういう動きをされると嫌なのか……相手の動きを見極めてピッタリ妨害し、一転攻勢の状況になるとまあ気持ちいいこと。

 実際にプレイしてみると、やはりコントロール戦術は自分の性に合っていると実感できたし、実践することでさらに知識を深めることができるのでめちゃくちゃ楽しい。好きなカード達を活躍させられるのだからなおのこと。最初は武器持った可愛い女の子にブヒってただけなのに、気が付いたら戦術などの別方向から楽しみを見出しているというのは、考えてみると結構不思議な話だ。

 ……と、そんな劇的な体験をここ数日、マスターデュエルで味わっている。振り返ってみると、イラストやキャラ設定などの"ライト"な部分があるから入り込みやすかったし、ルールや理解を深めることで戦略に幅が生まれ、貪欲に知識を吸収できる"ディープ"な部分の両方があるからここまでハマることができたなーと思う。なるほど、プレイ人口の多さもうなずける。遊戯王、引いてはTCGというコンテンツの見事なゲームデザインを実感することができた。

 あまりガチすぎると精神病みそうなので、エンジョイ勢として好きなデッキを回して程々に楽しもうと思います。みんなも始めよう、マスターデュエル。まだ始めて数日だけど分かる、この沼はまだまだ深いぞ……