仕事を終えるなり、コンビニで夜ご飯を買い、家に帰る。 ２日ぶりに会ったのに何故か久しぶりだねって 彼の顔を見ながらこそっと思う。 明日は休みだから、GWの予定早めに決めないとね、と胃を満たした体を布団に運びながら言う。 「じゃあ今決めよう。」 旅行はなるだけ安くするのが肝。 お互いに幾つかのサイトを比較しながら、より安い方、レビューがいい方、シャワー室がついてる方…を選んでゆく。 さあ、予約と言ったところで、 新幹線の座席はこんな深夜に取れないみたいで、 とりあえ
どうせ死ぬなら、一緒に死にたい人がいる。 仕事して帰宅した夜、ふたりで静かにご飯を食べ、静かに温かな布団に眠る。 「このまま棺に入りたい」 からだを重ねて増すぬくもりは、ここにしかなくて、 いつか死んだ時、冷たい箱にひとりではいって身内が泣くよりも 2人で箱に入って、静かに、やすらかに去れたなら 愛おしい君の肌に、骨に 最期まで触れていられるのなら 好きな色の花を並べてもらって、透き通るような笑みを浮かべて、お別れができる気がする そんなきみの過去を知らない。
