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ウチの家事分担

結婚したのは随分前。妻は10年以上必死に頑張った仕事を辞めるのに躊躇はない様子だった。
「私はもう一生分の仕事をした。これからは家事を頑張る。あなたには何もさせる気はない」
頼もしい。
実際、何か手伝おうとすると大概嫌がるので、ほどなく何もしない夫が完成した。
仕事を辞めた妻は辻調の料理学校に楽しく通ったりしていた。

だが、半年くらい経った頃だろうか、「やっぱり私働きたい」と言い始めて、パートで働き始めた。
家事の分担をしようと言うと、働くのは私のわがままだから、家事は今まで通りすると言う。
了解して、その代わり妻が働いた分は一切生活費にはカウントしないことにした。

またしばらくしてある日
「確かに家事は一切しなくていいとは言ったけど、本当に何もしないのね」と言われた。
彼女は分担する気はないが「気付いたこと」をやってほしいと言う。
私としてはちゃんと分担してほしい。気付いたことをやると言うと簡単そうだが、その要求はおそらく際限がない。何をやっても「何もやらない」と言われ、「気付いたらやって」と言われる。今だって気付いたらやっている。確かに気付いてもやらないことだってあるが、それは誰にでもあるはずで、それをもって気付いてもやらない、何もやらないと言われるのはしんどい。
そう主張したが特に私の分担が決められることはなく、妻もその後は特に不満も言わなかったので、そのまま継続。

実際のところ妻は自分のペースでやるタイプなので、私が手を出すのが必ずしも喜ばれるとは限らない。
そのことは私も妻も理解している。

コロナで在宅勤務主体になった時、突然妻に言われた。
「自宅にいる時間が伸びるってことは家事の分担を頼めるってことでは」
自宅にいても仕事をしていることに変わりはないので、そこは安易に捉えてほしくはないが、通勤時間がなくなったので、時間ができたのは事実。
「いいよ。なんでもやるよ。たぶんできないことは殆どない。何をやって欲しいのかはっきり決めて。何をやってもらうのが1番助かるの?」
しばらく考えて妻の出した答え。
「土日のご飯を作って欲しい」
在宅勤務関係ないなと思ったが、ここで変に否定的なことは言わない。
「平日のご飯ではないの?」
それだけは確認したが、結局、土日のご飯担当に就任。

その後、ルンバの導入に伴い、ルンバ担当にも就任し、毎朝、椅子や床置きの雑貨を片付けたり戻したりしている。

ウチの家事分担のポイントは、妻のしてほしいことを聞き出して、やると言う点にある。妻の満足度が高くて、タイパが良い。

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