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日本のマドモアゼルがフランスマダム式を試したら、麦茶風になってしまう理由

在宅勤務が始まった3月以降、カフェに行くことはもちろん、缶コーヒーさえ買うことが少なくなった。

それでも仕事中に飲み物は必要。これまで自宅ではだいたい麦茶かスポーツドリンクを飲んでいたけど、平日、毎日飲んでいると、バリエーションを広げたくなる。

思い出したのは、昨年の夏にSNSで話題になったフランスマダム式アイスティー。

時間がかかるのでこれまで作ったことはなかったけど、手間はさほどかからない。簡単に言えばこんな感じ。

 ①2Lの湯を沸かす

 ②火を止めてティーバッグを3つ入れて蓋をして21分間待つ

 ③そっとティーバッグを取り出し、常温で冷ます

 ④冷めてからボトルに移して冷蔵庫へ(冷えれば完成)

時間がかかるのは、ゆっくり冷ます工程があるから。放置しておけばいいだけなので、出かけることもなくずっと自宅にいる平日に作る分には問題にならない。1度に2Lできるので、むしろ普通に紅茶を作るよりも手軽とも言える。

在宅勤務がスタートして間もない3月の月曜日、週末に買ってきた20袋入りのトワイニングスのレディーグレイと言うアールグレイ系のティーバッグで、初めてのフランスマダムに挑んだ。

1日かけて作って、翌日飲んでみた味は、渋味の全然ないスッキリとした味。アールグレイの香りが口にしっかり広がる。いくらでも飲める味。今まで飲んできた紅茶とは全然違う。紅茶の専門店で紅茶を飲んだことなんてないので、これがどういうレベルにあるのかは分からないけれど、とにかく気に入った。

ネットでおすすめされていたミルクティーも試してみた。と言っても牛乳を少し加えただけだけど、これがまた牛乳の甘みが加わってとても美味しい。

すっかりフランスマダムに魅了された私は、なくなりそうになったら作るを繰り返し、以後1度も切らすことなくフランスマダム式アイスティーを冷蔵庫に常備している。

そろそろなくなりそうだなと思ったら、朝、仕事を始める前に2Lの水のボトル1本を使って紅茶をいれて、そのまま冷めるまで放置しておく。仕事が終わる夕方、すっかり冷めた紅茶を、元々水の入っていたボトルに戻して冷蔵庫へ。これだけ。これで4,5日はある。

ウチには小さなじょうごしかないので、最初ボトルに移す作業に手こずったけど、次第に慣れてきて、ほどなくかなり素早く移せるようになってきた。

水の入っていたボトルをそのまま紅茶の保存に使えるので、衛生的にも良いし、ボトルを洗う手間もない。


8月の終わり、久しぶりに出社したら、机の上にリッツの缶が置かれていた。プルトップで開くようになっていて、中には筒状のリッツが6本入っている。ちょっとしたパーティーができる量だ。

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会社が非常食として確保していたものの保存期限が近づいてきたので欲しい人に配ったものを、同じ部署の女性がわざわざ私の分も確保してくれたそうだ。優しい。

さっそく持って帰って食べてみたら、久しぶりに食べたリッツは予想以上に美味かった。そしてフランスマダム式アイスティーとの相性が抜群だ。

リッツを確保してくれた方に、お礼がてら、このアイスティーの作り方をお知らせした。

そのうち美味しかったと言う報告があるかなと思っていたら、ある日「3度試したが、どうしても麦茶みたいな味になる」との報告があって驚いた。百歩譲って烏龍茶みたいな味になると言うならまだ理解できるが、麦茶と紅茶では元が全然違う。

普段きっちり仕事をこなす彼女が、大きなミスを何度も冒すとは思えない。とすれば私の伝え方が悪いのか?

詳しく聞くと、大きなポットがないのでレシピの1/3の量で作ったと言う。私の伝えたレシピでは書かなかったが、大量に作る方が美味しいし、できれば鍋で作れと書かれていることを元記事とともに伝えた。やはり私の伝え方が悪かったようだ。

その後、しばらく連絡がなかったので、どうなったか聞いてみたら、「昨夜、父が麦茶と間違えてがぶ飲みして、眠れなくなった」との報告。まだ麦茶から脱して無かった。茶葉を尋ねるとリプトンのイエローラベル。定番だ。なぜ麦茶になる?

しばらくやり取りして、早く冷ますために蓋を開けているから、そこで香りが飛ぶのではとの仮説。

その点はレシピには書かれていないが、私は蓋をしたまま冷ましている。また伝達ミス。

今ここ。まだどうなるか分からない。

日本のマドモアゼルから、フランスマダム式アイスティーを上手に作れたと言う報告はいつ来るのだろうか?

痛感したのは、簡単に思えることでも、正確に伝えるのは難しいと言うことだ。

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