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人の行く裏に道あり花の山

30年以上前の話ですが、大学の講義で高名な教授が『大衆は、一度たりとも責任を取った事は無い』という名言を言われて、その言葉が脳裏にこびりついています。

人の行く裏に道あり花の山』これは、株式投資の格言ですが、私の競馬スタンスの源泉と云っても過言ではない格言です。全ては大学教授の名言あっての発想なんですが。

JRAは競馬ファン(大衆)に対し、心理誘導をもってオッズを上下に変動させていると考えています。心理誘導において、レース結果はどうなるかと云いますと…

実力以上に人気過剰になっている馬・・・実力通りに敗戦

ファン心理が人気上昇させている馬・・・当然に敗戦

サイン馬だと考えられる馬が人気過剰になっている場合・・・JRAの罠

実績がありながら人気を落としている馬・・・激走注意

教科書通りなら好走は難しいと思われる馬・・・激走注意

波乱になる原因は、上記の要素に当てはまる事が多いです。

先日行われたスプリングSは、好例ですので読み解いてみましょう。

1番人気 ファインニードル 今年の高松宮記念優勝馬、前哨戦セントウルSも快勝して人気通りの結果(CMの解釈で頭に押さえる事ができず、申し訳ありません)

2番人気 ナックビーナス 前日に5勝し、当日も2勝、モレイラ人気が人気の上乗せになったのは間違いない。JRAの心理誘導そのものでした。

3番人気 ワンスインナムーン オッズを見てビックリ仰天。こんなに人気になる馬ではない!当日、テレビ解説者もこの異常人気に苦笑いでした。重賞未勝利にも関わらず、好枠に入り、前年のレース3着が支持された要因でしょうが、私も対抗に推しましたが、この人気は罠だと思いました。

10番人気 ダイメイプリンセス 11番人気 ラブカンプー サマースプリント戦線で勝負していた馬は、秋競馬ではおつりが無いので切り、という教科書通りの発想がファン(大衆)心理の大多数派、ガクッと人気を落としていました。

ダイメイプリンセスは、セントウルSで上位ならチャンピオンに輝いていたにも関わらず出走せずGⅠ直行、陣営の勝負気配がヒシヒシと、でした。ラブカンプーは、激戦の疲労度合いを測るべく、最終追切りまで出否未定。出走してきたからには買いだった訳です。

2017年チャンピオンズカップでは、Twitterで警鐘を鳴らしたのですが、優勝したゴールドドリームが8番人気で、ノンコノユメが6番人気(呟き時点は4番人気)だった件。

ゴールドドリームは、フェブラリーS優勝しながら、その後のレースで不振を極め… とは云え、騎手がムーアなのに8番人気でした。

2004年天皇賞春は、イングランディーレが逃げ切って大波乱となっています。

前評判は、勢いのある4歳4強(ネオユニヴァース・リンカーン・ゼンノロブロイ・ザッツザプレンティ)に注目が集まっていました。当時の春天は、逃げ切りは至難の業だという教科書的な発想もありました。

イングランディーレは、前年の日経賞を優勝していましたが、その後芝重賞では結果が出ず、ダート長距離戦線に矛先を変えて活躍してました。イングランディーレが春天に出走する時点で、逃げるのはこの馬という展開までは読めている状況でした。

私が目を付けたのは、横山典弘が騎乗するという点でした。当時の横山騎手は、関西遠征はレアケースで、勝負になる馬でなければまず関西遠征はありえない騎手でした。(今は状況が違いますので注意してください)その騎手が全く人気が無い馬の為に遠征するのだから… これは!

逃げ馬はつぶれるという教科書的発想は、当然に騎手の心理にも作用する訳です。それもダート馬ですから… ファン(大衆)も騎手連も心理が一緒なら、人の行く裏に道あり花の山じゃないの!! まんまと一人旅!

昨日、ノーベル生理学医学賞を受賞した本庶 佑氏は、『教科書を疑え』と仰ってます。

大衆心理の対極に、往々にして正解はある』と私は考えます。

今後の重賞見解にも、そんな理念を維持しながら取り組んでゆこう!本庶教授の理念に触れ、心も新たにする筆者であります。

注:オッズの異常値は、筆者の長い経験を基にした体感なので、読者の皆様全員が実感出来るかと云うと、ちょっと無理かもです。

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