彼女は、彼女が思ってるより、可愛い

(しー)
僕もりんちゃんも、相手にどう見られてるかっていうのすごく気にしてしまう人間だと思う。
もちろん、大事な感性だと思うし、長所でもあると思う。
おかげで、職場では上手くやっていけるし、可愛がってもらえてると思う。
それは分かりきった上で。

取り繕っている自分を、本当の自分が「ぶりっ子しやがって。」と傷つける。
結果として自分は「汚い人間」「外面だけの人間」という自己評価になってしまう。
さらに、一人で過ごす時間が長くなると、自己評価だけが自分の支えになってしまう。
その時に、自己評価が低い人間は、どんどんと自己評価を下げていく。
たまに他の人と喋って「いい顔」をすると、その瞬間と一人になった時のコントラストがはっきり出てしまって、ますます自分を傷つけてしまう。
しかも、これは大体無自覚で、気づいた時には心がボロボロになっている。
一人だと、何で傷ついたのかも分からないまま、ボロボロの心を抱えて、一人で絶望してしまう。

でも、りんちゃんと出会ってから2年近くが経って、自己評価に頼り切ってた自分はおかしいことに気づいた。
だって、りんちゃんの僕に対する評価と自己評価が全く噛み合わない。逆も然り。
りんちゃんには、素の自分しか見せてないから、取り繕った僕への評価ではないはずだし、自己評価と一致するはず。
なのに、彼女は僕のことを褒めてくれるし笑ってくれるし時には叱ってくれるけど、基本は僕のことを尊敬してくれる。
最初は、お世辞だと思ってたけど、さすがに2年近くそんなことを言われ続けたら、自己評価が低い僕でも、仮に騙されてるとしても、「もしかして他人から見た自分って自己評価ほど悪くないんじゃないか。」って思ってしまう。

結局、自己評価って自分一人の評価でしかない。
すごく当たり前のことだけど、世界には何十億って人がいて、その誰にも自分の心の中で思ってることを1ミリも違わずに伝えることはできない。
だから、この自己評価の理由を誰かに正確に伝えることはできないし、他人からは他人基準の評価でしか見れない。
外面を良くしろって話でもないけど、外面良くしている以上相手からはそうとしか見えない。
それで嘘をついてる自分を傷つけるのは勝手だけど、そこまで卑下しなくてもいいんじゃないかって思う。
だって、絶対に外面しか見えないんだから。
そして、そのことに気づけたのは、嘘をつかなくていい相手を見つけて、その人の見る自分と自分が見る自分が違ったから。

このことがだんだん腑に落ちてきて、一つ思ったのは、これは彼女にだって当てはまるということ。
僕はりんちゃんのことが可愛くて仕方ない。生き様というか、仕事への姿勢とかもそう、普段の友達への振る舞いもそう、僕の扱い方・接し方もそう、全てが素敵だと思ってる。
あとは、単純に見た目も可愛い。背が高いの気にしてるけどそこも可愛い。顔のパーツ全てが好き。髪も毎日触りたくなるし、すっぴん可愛い上に、化粧もすごく頑張ってくれる。

僕からは、どうあがいてもそれ以上のことは見えない。
りんちゃんが実は心の中でどう思ってるかなんて、りんちゃんの言葉や普段の振る舞い以上のものは、どう足掻いても得られない。
りんちゃんが自分のことをどう思ってるかなんてもっと関係ない。
僕は、今この目に見えてるりんちゃんが、大好きで大好きで仕方ない。
これだけが僕にとっての現実だと思うし、そう考えたら、僕ももう少し自分に自信を持っていいんだと思う。だって、りんちゃんも僕のことを同じように想ってくれてるはずだから。

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