新学年・オブ・ザ・デッド
季節は春になり、冬の寒さが和らいできた。
私は新学年になるというのにこの世の憂鬱をかき集め、固めて飲み込んだような気分だった。
春休みの宿題を後半まで溜め込み連日徹夜をしたからか、登校初日から気分は最悪。
新学年になるということもあり、所謂陰キャというやつである私は新たな環境になることに焦燥を覚えていた。
家から目と鼻の先である学校まで眠気眼で自転車を走らせ、学校に着くとクラス名簿が張り出されている玄関まで向かう。
混雑の中で人をかき分け、自分の名前を見つける。
知らない名前ばかりだ。こんな有象無象共と1年間暮らすなどありえない、と思ったがすぐにそんな考えなど無駄なことに気づき教室へと猫背のまま向かった。
扉を潜ればそこには未知の生命体が跳梁跋扈していた。
私のような日陰者を焼き払うような輝きが教室内に蔓延り、連日の徹夜も相まって気分が悪い。くだらない(本当にくだらない)話で笑う有象無象共に反吐が出そうになるが、何も食べておらず、胃は空っぽなので出なかった。
部活仲間も、同じクラスの友達(友達と言っていいかわからない人が片手で数えられるほど)もいない私にとってそこはまさに地獄であった。
数日経った後も私は友達ができていなかった。
しかし、友達がいないからといって特別困ることは特にない。
学校に楽しみを見出すことを放棄すれば、ぼっちはなんてことはない。
ぼっちにだってどこかには居場所はあるし、学校が嫌だったら他のところに居場所を探せばいいのだ。
まあこの後遠足の班決めに困るのは別の話。
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