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DEAD OR SCHOOLのお話

評価:★★★☆☆ プレイ時間:15時間(プレイ中)

作品そのものはだいぶ前から知っていて、作家の木星在住さんが漫画だけでは食べていけないので~といった話もちょくちょく目にしていました。

ずっとリストには入れていたのですが、ちょうど先日のSteamサマーセール後半で突如対象作品になっていたので購入。

マップの構造などからメトロイドヴァニアと言えなくはない気はするものの、新たなスキルやアイテムを得ることで道が拓けるといったことは特になく、一応鍵や爆弾で開く扉などは存在するとはいえどちらかといえばステージ攻略型のアクションゲームに近いです。

ハクスラ×美少女アクションと銘打っているとおり、このゲームの骨子は探索ではなく大量のゾンビを倒しレベルを上げスキルツリーでカスタマイズする成長要素、敵からのレアドロップを狙っては武器の強化・改造を施すトレハン要素等々を楽しむところにあります。

避難民の救助や各地に隠されたおみやげという収集アイテム、サブクエストなどの寄り道要素も用意されているものの、これらは発見・クリアすることで経験値やステータスにボーナスが入る為成長要素としての側面が強いですね。

シナリオ

地上をゾンビに制圧された東京。
人々は地下通路に籠り、希望を失い、静寂の日々を過ごしていた。
地下育ちの少女ヒサコは、
祖母から「学校」の存在を耳にする。
学校とは、友と遊び学び、青春を過ごす、
若者にとっての地上の楽園
少女は祖母から聞いた「学校」を夢見て、地下列車に乗り込み地上を目指す。
その先に待ち受ける、絶望にも気づかず…

という目的のもと、各駅(ステージ)で待ち受けるボスを倒しつつ仲間を増やして地上を目指します。

ところでゲーム内では「腐敗生物」と呼ばれているのでそれで統一しようかとも思ったのですが、引用するにあたってゲーム紹介文をみたら普通に「ゾンビ」と書かれていたのでもういいや感がでてきました。(ぉ

一応シナリオもキッチリと作られており、行く先々で出会う仲間はサポート・進行役として拠点に残り、通信機を通して都度都度会話イベントが発生するなど、この辺は思いの外しっかりしていると感じます。

アクション

武器はソード、マシンガン、ランチャーの3種類を切り替えて戦うことになります。

ソードというカテゴリではありますがアックスやハンマー、チェーンソーやいわゆる風魔手裏剣のようなロマン武器を含む近接武器全般が多岐にわたって用意されていますし、マシンガンにはスナイパーライフルやショットガンなども含まれ、一般に銃と呼ばれるもの殆どがここにカテゴライズされます。
ランチャーはまぁ、ロケットランチャー・グレネードランチャーなどのエクスプローシブ武器です。プラズマライフルとかあるけど。

弾薬はもちろん近接武器にも耐久度が設定されており、敵は弾薬はおろか回復アイテムすらドロップしないため、次のチェックポイントで補給するまでジリジリとリソースを減らし続けて進むことになります。

ゲームの性質上「見えない弾にいつの間にか当たっている」ようなこともしばしばある上に、序盤は攻撃力も高くなく武器の耐久度がゴリゴリ減っていくため結構ジリ貧でした。

・エイムについて

銃の照準は先だってプレイしたHARDCORE MECHAに似通っており、あちらで挙げた不満点として射線の補助線が短くエイムが難しいというのがあったのですが、DEAD OF SCHOOLでは画面端まで伸びているのでその点は助かります。

自分とその周囲に存在する丸いカーソルをつなぐ延長線が射線となる点も共通していますが、DEAD OR SCHOOLの方は実態としては(マウスエイムタイプの場合)マウスカーソルそのものなので画面内どこまでも移動可能です。
カーソルを自分から離せば微調整が効きやすくもあり、カーソルが自分を囲むように直近にあるため小さな動きで大きく射線が動くHARDCORE MECHAとはこの点が異なります。

「動かしていて楽しい」はない

純粋にアクションゲームとしての評価は、ヒットストップ、ノックバック、エフェクト、効果音等々・・・それらが上手いこと組み合わさると動かしてて楽しいというキモチが生まれるんですが、このゲームはどれをとってもあまり高いレベルになく、後述する不満点も多々ある為、特にそういうキモチにはならなることはないですね。

ハクスラ・トレハン

このゲームで一番おもしろい部分ですね。

敵を倒すと武器やアイテム・お金をドロップ。
武器にはアビリティがついているものがあり、攻撃力やスタミナなどをn%強化するというものから攻撃する度にグレネードを投げる、ドローンがついてまわる、衝撃波を飛ばすモノなど多岐にわたり、時折ドロップする強力なアビリティ持ちの武器が嬉しい。

↓ドロップの仕方とエフェクト、色でレアリティが別れてるあたりがすごくボダランぽいんですが。(笑

Vaultを開けろ!

さて、アビリティはドロップ時についているものの他、改造ギアというアイテムを消費することでランダムに付け替えることができます。いわゆるアビリティガチャですね。

↓セーブポイントにあるショップで購入することも可能(組織の人間が敵から集めた武器を販売しているという設定

いい武器が手に入ったら強化ギアとお金を消費することで純粋に武器レベルを強化し、火力の底上げができます。
この辺はもうソシャゲの文法でわかりやすいですね。

・スキルツリー
レベルが上がるにつれてステータスが底上げされるほか、得たスキルポイントを振ってキャラクターのカスタマイズができます。

↓黒板のイラストで表現されておりかわいい。

スキルツリーはソード・マシンガン・ランチャーで別れており、それぞれ回転斬り・構え撃ち・時間鈍化のスキルを軸に強化していくことになります。

実際"ツリー"ではあるものの1つずつしか参照できないため全体像が把握しづらいのはちょっと不便でした。

グラフィック

ビジュアルは決してリッチとはいえず、というよりフルHDの時代としてはかなり残念なレベルに感じます。

2Dイラストについてはそもそもがエロ漫画家さんなので問題は感じられないものの、ステージなどに使用されている3DCGはポリゴン数も少なく、またテクスチャについては小学館の電子書籍もかくやという低解像度で、イベントシーンに挿入されるムービーも解像度が低すぎる上にビットレートもかなり低く、ブロックノイズだらけで見るに耐えません。
ボスや中ボスの登場演出もどうにも安っぽさが否めません。もう少しフォントやエフェクトに気を遣えなかったのでしょうか・・・

インディーズゲームだからと擁護したいのはやまやまなのですが、最近プレイしたインディーズゲームがどれも丁寧につくられていただけに、非常に粗が目についてしまいます。

数々の不満点

・とにかく画面が汚い
「見づらい」と評していた方もいましたが、率直に言ってこれは「汚い」だと感じました。

単純なビジュアル面においてもチープな上、画面内の情報が整理されておらずガチャガチャしていて倒すべき敵なのか賑やかしなのか背景なのか弾なのか自分なのか誰が何をしているのか判別が難しく、いつの間にか敵の攻撃でふっとばされ自分がどこにいるのか把握できず、そのままボコられて瀕死になっていることがあります。

改めて上の画像を見返しても自分がどこにいるのかよくわかりません。

・キャンセル不可
攻撃中に敵の攻撃が来ても回避に移行できない。

・SEがチープ
倒すと爆発する敵など、爆発警告のピープ音がピーピーピーピー耳障りです。
前述のように攻撃すると同時にグレネードが発生する武器アビリティがあるのですが、攻撃する度にピーピー鳴り響き、うるさくてとても使う気になれませんでした。

・カメラワークが雑
この先に敵がいる、穴が空いている、リフトがあるなどが予測できる場所で遠くまで見通せるようにカメラが動いてくれないことが多々あり、見えない場所から弾が飛んできたり、見えないリフトに飛び乗ったりを要求されることがあります。

↓弾が飛んできて初めて気づく。

・敵の涌き方がテキトーすぎる
倒した瞬間に全く同じ場所に同じ敵がリポップするのがちょっと・・・

戦闘中画面手前からゾンビが飛び込んでくる場面もあり、そういった演出が用いられていれば納得できるのですが、多くの場合どういうわけかなんの演出もなく敵を倒したそばから直ちに次の敵が目の前にリポップします。

このゲームのゾンビは岩や火炎弾の投擲、はたまた銃を扱うなど遠距離攻撃を多用するため画面の左右どちらかをクリアしておきたいにも関わらず、まとめて倒したと思ったらまた次の敵次の敵が無尽蔵に涌いてくるしその間にも反対側から岩や弾丸がひっきりなしに飛んでくるので回避しながら戦うのは本当に忙しいしイライラしっぱなし。
エレベーター乗ってる最中に次々に敵が出現するのはどういう理屈なの・・・

・整地して欲しい
細かい段差を無視して歩けるようになっておらず、岩などのオブジェクトの見た目通りに凸凹に引っかかってジャンプを要求されたり、平地に見えるところでキャラがナナメって射線がおかしくなったりとイライラさせられます。

多分コレは荒廃した世界が・・・のように意図したものではないし、仮にそうであってもアクションゲームにそういった要素は邪魔でしかありません。

一事が万事この調子なので、とにかく「雑だなぁ」という不満が蓄積し続ける羽目になります。

おしまい

Steamレビューに於いてはほぼ全員が高評価をつけながらも、同時に細かいところがストレスになるという点では皆意見が一致していました。
自分の場合はこのストレスが上回りマイナスに転んでしまっただけですね。
ストレス要因ではあるもののプレイヤースキルでカバーできるので問題ないという人たちであればプラスに落ち着くのかも知れません。
直近でプレイしたアクションゲームがどれも小粒ながら丁寧な作りだっただけに残念。

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