本当に出来の良い作品だけど、答えの出ない螺旋迷宮を永遠に彷徨うようにもなってしまう…。

ガンダムUCは抜粋動画を観ていて何年もしてからDVDを購入して観ました。抜粋動画の頃からエピソード4の「重力の井戸の底で」が一番お気に入りです！
ジンネマンとの砂漠でのシーンや、ロニさんとの戦闘シーンが感慨深いですね。

全体的な話としてはシャアは生い立ちの不遇から、それを覆す為に政治社会活動やニュータイプ理論に惹かれていったが、精神的な自立(過去の心理的な傷の克服)を果たせないままであったので、情感重視が暴走していき拡大自殺の選択へと至っていきました。
フロンタルは逆に冷徹なほど理性重視で、これは現実世界で現在多く見受けられる選択ではありますが、様々な格差が指摘され話題になるように、新たな問題を生じてしまう危険性も孕んでいます。ただベストではないけどベターな判断であると思います。
バナージとミネバは明確な解には全く達してはいないけれども、明確に判断し過ぎない事によって可能性の余地を残しながら、諦めない地道で苦難な生を選択していきました。明確に判断すれば何かしらの答えは早めに出て気持ちも楽ですし、それで一時的にうまくいく事も多々ありますが人類史を鑑みると思わぬ弊害が多発してきた歴史も物語られていますね。
バナージとミネバは「私が手を下さなくとも、ニュータイプへの覚醒で人類は変わる。その時を待つ！」というZガンダム時代のシャアが光や正位置の視点から観ていたものを引き継いだ感じであろうか？
逆襲のシャアで「世直しのこと知らないんだな。革命はいつもインテリが始めるが、夢みたいな目標をもってやるから、いつも過激なことしかやらない！」とアムロがシャアに言う、バナージとミネバは「夢みたいな目標を地道にやり続ける」選択をした。

ガンダムNTを最初に観た時は蛇足に思えていたのですが、UCを光や正位置と捉えると、NTは影や逆位置と捉える事が出来ると思い、その視点からすると感慨深い作品に思えました。

ギフテッドとニュータイプは類似点が多く、僕は富野監督はギフテッドであろうと考えています。
ギフテッドやニュータイプの光と影、正位置と逆位置、感慨深く思いませんか？

純粋な真っ直ぐさ、カミーユやジェリドがなぜモテるか？の話題で富野監督だかが答えていたと記憶している。
対してシロッコは有能過ぎた事で迫害などを受けた事があったのでは？と推測している。左遷的に木星に行ったか、新天地を求めてか。島流しのような場所で似たような境遇である人達同士、その中で頭角を現したシロッコがリーダーとして台頭するのは流れとしておかしくないし、同じ境遇という立場の親近感や、その不満や恨みを晴らしてくれる存在としてシロッコに忠誠を誓ってもおかしくはない。ただ、シロッコ自身がシャアやハマーンと同じく自分自身の問題を解決しないままであったので、レコアやサラに対しても小手先のホストやホステスのような心理操作、人心掌握で済ましてしまい、結果的に不幸な末路を迎える事に至った。
純粋な真っ直ぐさは、観る人に可能性、希望、光明などを良くも悪くも魅せてしまうものなのだろう。
スーパーサイヤ人も純粋さが必要と。
曹操も信長も純粋だったと評されている。

僕を好いた女性達も、そういったものを魅せられた人もいた事と思う。
ゾルタン・アッカネンがスパロボで「お前は女に守られてばかりだな！」とヨナ・バシュタに言い放つ。こんなセリフ本編にあったっけ？と調べてみたけど本編は「女共がぁ！！」だったみたい。
カミーユもジェリドも女に守られていた。女性の視点から通した可能性や希望や光明、それは「純粋な真っ直ぐさ」や「可能性や希望や光明」以外で表すなら何という言葉になるのであろうか？

ギフテッド贋作、どんなに総合力が高い人でも最初から完璧で完成されている訳ではない。数多な心の傷の後遺症が深く残ったままの状態であれば、それを脱した人やその体験が無い人からは贋作に映る。
ギフテッドに限らず誰しも少しは悪事をした事があると思う。その後に悔い改めるのが大半で、もちろんその方が自分自身の幸せに繋がるから。
過程の段階で真贋は定かではないかも知れない？
逆に心の深い傷を癒す為に特別な何かに依存する生態が人間にはある。よくあるのはギャンブルや酒や覚醒剤や異性など。ギフテッドもその一つかも？でもその依存の末路は？廃人？強化人間？精神崩壊？

ラプラス憲章やラプラスの箱は、ジョージアガイドストーンなのかも知れない。もちろんジョージアガイドストーンは後付け謀略の視点も。ジオンもシオンだよね。

オーパーツや古代文明は、深慮な人が様々な想い考えから相克された葛藤の結果による、平和への調和への相生への願いや祈りなのかも知れない。

spiral never ends.
螺旋は終わらない。