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ポジティブアプローチ

はじめに

ひさびさに臨床で患者さんを相手に治療をしている中で「これだけは絶対に忘れちゃいけないよな」ってのを改めて意識するようになったので、数回かけて備忘録のように書いてみたいと思います。

患者様へのアプローチはポジティブであれ!

世の中、長いこと生きてると「ポジティブが良いのだ!」的な言葉を1回くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。リハビリを生業としている私は患者様にも言葉は違えど、そのような趣旨の事を言葉に出していると思います。勉強会なんかでも「ポジティブなアプローチが大事」みたいなことを言われたような気がします。
ここで「ポジティブ」って言葉の意味をちょっと考えてみます。
「ポジティブ」、日本語に訳すと「積極的」となるでしょうか。アプローチをくっつけると「積極的なかかわり」とでも言いますかね。なんか影響力をもったセラピストなら誰でもやってそうです。ちなみこの「ポジティブアプローチ」、私が大好きなPNFの中でも特に大事にしている考え方です。
で、私がPNFを学ぶ中で教えられた「ポジティブアプローチ」の意味はいくつかあります。もちろん「積極的なかかわり」を持つことも含まれるんですが、患者様のネガティブな面よりもポジティブな面に注目する。つまり「患者様ができない事じゃなくて、現在できることに着目する、出来る活動を通じて苦手だった活動や、弱い機能や構造を強化していくのだ」と教えられました。「できない事をできるようにする」ってのがリハビリの目的だったりするので、ヒトの手や道具を使って「できない事」を何度も練習する場面も多々あると思いますが、それって患者様にとっては結構ストレスフルな時間かもしれません。だって失敗が連続するわけだから。運動学習の基本は成功体験の積み重ねですからね。となると、できる活動の中で、弱点が克服できたら最高ですよね。そういう見方をしましょうって事です。
次に言葉かけの面から考えてみると、「○○してはいけません」っていう指示になる事って多くないですか?例えば「独りで立ち上がってはいけません」とか「トロミをつけないで水を飲んではいけません」などなど。これってネガティブな言葉かけですよね、最後が否定形ですから。それを「ポジティブな言葉かけに変えていきましょう」って言われました。「してはいけない」ではなく「○○はできます」みたいな形ですな。これって「ハッピーな人生を送るためには…」みたいな話によく出てくる奴でしょ。「願いごとは肯定する形で考えろ!」とか、コップに半分入った水を見て「コレだけしか残ってない」と思うんじゃなくて「こんなに残ってる」って考えた方が幸せをつかみ易いみたいな話しは聞いたことないですか。患者様にもそういう意識を持ってもらえるように言葉かけしていくと患者様本人の治癒能力も活性化されて、治療効果も上がりそうですね。

ポジティブを勘違いするな!

ここまでの流れで「ポジティブ」って良い事で、「ネガティブ」って駄目な事って考えちゃった人に、ちょっと注意です。「ポジティブな人」が良くて、「ネガティブな人」が駄目なんて事は決して言っておりません。
「ポジティブな人」「ネガティブな人」には、それぞれ良い点と悪い点があるんです。例を挙げると「ネガティブな人」って慎重に考えてから行動するから絶対失敗しないって感じですよね。それに対して「ポジティブな人」って大胆に行動して大失敗って事もありそうですよね。他には「ネガティブな人」は行動まで時間がかかるっていう悪い点がありそうだし、「ポジティブな人」は即断即決でチャンスを逃さないっていう良い点がありそうです。
要するに今回のテーマに挙げた「ポジティブアプローチ」って話しと、ごちゃ混ぜに考えてはいけませんよ、って事です。

おわりに

セラピストの意識の持ち方や、患者様への態度、治療プログラムのたて方など全ての場面で「ポジティブ」にかかわっていけるようにできたら良いですね。まだまだPNFを学ぶ中で忘れちゃいけないことがたくさんあったので、ご紹介していきたいと思います。私の個人的な解釈も多く含まれていることと思いますので、これが「PNFのコンセプト」だと早合点されないようご注意ください。
PNFに興味を持たれた方は、国際PNF協会認定の講習会を受講されることを強くお勧めいたします。

まとめ

セラピストのかかわり方が変わると、患者様の動き方が変わります
ひいては人生すら変わっちゃうかもしれませんよ、って事。


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