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プロ雑用の失敗1・利益をぜんぶ吹き飛ばした話

こんにちわ、プロ雑用です。
というわけで、全国1000まのプロ雑用ファンの皆様お待たせしました。プロ雑用の失敗シリーズ第一弾、利益を全部吹き飛ばした話、をお送りします!

さて、では、プロ雑用は、どんなことをやらかした?
この失敗は、社会人になって2年目か3年目、最初に就職した印刷会社でやらかした失敗です。

プロ雑用は何をやらかしたのか?

さて、プロ雑用は、何をやらかして利益を吹き飛ばしてしまったのか?

最初に結論を書いておくと、
それは「配送リストをミスった」です。

非常に単純なケアレスミスです。
現象だけ見れば、誰でもやりがちなよくあるネタに過ぎません。

が、このときは案件が大きかった!
なので、その影響は甚大だったのです。

その時、私が担当していた案件は、とあるレンタルカタログと、それに付随するオプションカタログです。。

レンタルカタログの協力会社は全国にありました。
なので、出来上がったカタログは、全国に振り分け配送する必要があります。その振り分け配送のリストを、EXCELで作ってました。

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どの場所に、どれくらいの部数を配送するのか、全国30程度の住所や連絡先、配送日時指定などを記した本当に簡単なリストです。

当時の連絡手段は主に電話とFAX。
メールもありましたが、ちゃんと使えるお客さんはいませんでした。
まだガラケーの時代だし、キャリアメールはお金取られる時代です笑

配送部数の変更は頻繁にありましたが、その連絡のほとんどは、電話での口頭連絡です。伝えられた部数をメモして、復唱するのが基本でした。
電話を終えると、そのメモをもとにエクセルを修正していくのですが、、、

この作業のどこかでミスをしてしまったのだと思います。

思いますというのは、経緯がはっきりしないからです。なにせほら、メモ書きだし、当時のエクセル先祖返りとかできないし。
しかし、エクセルを触っていたのは私だけですから、あきらかに私の作業中に何かあったんです。

配送リストを生産管理部門に渡すのが、その業務の、社内での最後の仕事です。リストを渡して、さぁやれやれと思っていました。

そして、いざ配送が開始されると、こんな連絡が立て続けに届きました。

「部数が全然足りないんだけど?」
「予定より多く納品されてるんだけど、予備かな?」

ど、どどういうことだ…?

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脂汗ジワリ。

連絡をもらって、すぐにリストを確認しました。

そうしたらなんと!!

配送先と、部数がズレたんです…!
これは今でも記憶に残ってる。
リストの4行目から下、一行づつズレてたんですよ!!

それに気づかず、配送手配にまわしていたのですね。

これ、ただズレただけなら、最後の行が空欄になってると思うんですが、そうではなかったんです。

これは、予測ですが、おそらく、ソートが原因だと思います。。

たまーにありませんか?
自動ソートしたとき範囲が中途半端になってることって。
それじゃないかなーと、今振り返ると思います。

失敗したときのお気持ち

ただただ「まじか…😨」なお気持ちです。

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生まれてはじめて血の気が引く音を聞きました😭
まじで、その場から逃げ出したい!と思いました。

パニックにはなりませんでしたが、それは、単純に、何をどうすればいいのかわからない状態でだったからです。

正直、この後自分がどう対応したのか、覚えてません。
が、とりあえず上司には報告したと思います。

幸い、未発送の分が多数、工場にまだ残っていました。
課長と共に、生産管理部門に事情説明と対応策を相談しにいき(というか頭を下げに行った)、追加発送を依頼。既に荷解きしているカタログの回収は難しいと判断し、不足分は再印刷の手配をしました。

この時、生産管理の鮮やかな手際に感嘆しました。
事態を把握するや否や、受話器を取り上げて関係各所に連絡し、冷静かつ的確な指示を出していく姿に、プロの仕事を見ました。

当時の印刷業界や業務の状況

さて、ここからは、少しその当時の状況や業務について解説します。長いので読み飛ばしていただいても大丈夫です。興味があればお読みください。

この頃、プロ雑用は、中規模の印刷会社で働いており、業務推進課という少し特殊な部署にいました。
この業務推進課は、全部門に関わりを持っており、特に営業と制作、本社と工場の間に立ち業務がスムーズに動くよう機能を有しています。
また、社内だけでなく、お客さんのところにも出入りしお客と会社の間に立つことも多く、まさに今のプロ雑用としての原点となったところです。

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いまから約二十年前、印刷会社、印刷業界というものは、大きな転換期にさらされていました。バブル期の過剰な価格競争と設備投資によって、利益を上げることのできないことが、当たり前になっており体力のない会社が次々と潰れていった時代。毎月何百社という印刷会社が倒産していたのです。

加えて、業界にもデジタル化の波が急激に押し寄せてきた時代でした。
デザイン分野にはDTP、印刷にはデジタル刷版、CTPなどが普及し始め、適応できない会社が次々と潰れていく、というような時代。
版下屋、製版屋、写植屋などが次々と姿を消しました。
(その中で生き残り、覇権を握ったのがモリサワです)

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推進課は、そういった時代背景から生まれた部署。
既存の組織の枠組みでは対応できない業務などを引き受けてたり、他の部門のサポートを積極的に行う部門。特にルーチンが確立してない、新規案件に多く携わっていました。

部門は少数精鋭、元々営業や制作などの部門での実力者が集まっています。私はその部門の一番の下っ端でしたが、皆さんに可愛がっていただき、多くを学ばせてもらいました。

大きな案件を扱うということは、それだけ金額も大きいのは当然なのですが、印刷業界は先に書いたとおり、非常に利益が出にくい業界構造となっており、粗利で1%出たら御の字、と言われていました。

純利ではないですよ、粗利ですからね。
如何に利益が上がらない商売だったかがわかるというものです。

相当な金額の受注でも、利益は微々たるもの。
状況によっては、赤字も珍しくはありませんでした。

ミスの損害は如何ほどか?

話をもとに戻します。

業界は超低利益体質、ミスが出たら利益が消えます。

では、私がやらかしたミスの損害は如何ほどだったのか…?

正確な数字は覚えていませんが、
たしか、この仕事は5,000万くらいの仕事だったと思います。
粗利は、ちょっと高めで2%くらい。つまり100万程度。
(印刷だけでなく、デザインなどトータルで仕事が取れると、少しだけ利益が高くなったんです当時は。なので生き残りをかけて、中規模の印刷会社はこぞって制作部門を立ち上げていました)

で、私が与えた損害は、

約800万

もうね、あまりにも損害が大きすぎてね、

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笑うしか無いですよね!!!!

…もちろん当時は笑うどころの騒ぎではないのですが。

尻拭いしようにもね、私のできることは何もないんですよ。
配送業者と工場と生産管理にひたすら頭を下げるしかない。
あのもどかしさは、なんとも言えず苦しい、の一言です。

この事件から得た学び

と、当時の自分としては、とんでもないミスをやらかしてしまった!
と今考えても思うし、実際そうだったと思うのですが…

なぜか怒られた記憶はありません。
いや、たぶん、うん、
やっぱり怒られてはないな…。

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事件のあとの記憶はあんまり無いのですが、(おそらく必死に頭さげてたと思います)、お客さんへ報告したときも、何も言われた覚えがないです。
「あ、そう」的な反応だったかと。

と、いうのも、たしかに最初の配送先に部数不足などがあったものの、そのカタログの性質上、全部数がその時に必要、ではなく、年間に必要になる部数なんです。これが幸いしたのだと思います。
つまり、私が思ってるほど、お客様には迷惑をかからなかった…
のかもしれません(憶測ですが)

会社にはもちろんめちゃくちゃ迷惑かけました…
なにせ少ない利益トんでるしね…
でもなんで怒られも注意もされなかったのか、という点が気になる。
(むしろなんか同情された覚えがある…)

で、今となっては完全な憶測なんですけれども、普段の仕事が一定評価されていたからかもしれません。

どういうことかというと、
私は基本的に、スケジュールとかきっちり守るタイプだったんです。
あと、ホウレンソウを特に生産現場に対してかなり細かく上げてたし、現場の職人さんたちのルールを絶対守ってたんですよね。

これは今回の事件とは関係ない話なんですが、当時の上長からこんなことを聞いたことがあります。

「若い連中はルールやスケジュールを守らないばかりか何度注意しても同じ間違いをしてくるが、彼(私)だけは例外。スケジュールを破ったことはないし、連絡もきっちりしてくる。注意したことは二度とミスしないから、あいつは信用できる」

私としては自分のヘマで現場に迷惑をかけてはいかん…!と常に思ってたので、必死にやってただけなのですが、今考えれば、それが信頼貯金になっていたのかもしれませんね。

まぁ、なんということもない、よくある失敗なんですけども。この事件から当時のわたしが学んだのは、以下のようなことです。

・たかが数十行程度のデータといえど、更新したら履歴としてデータは残しておこう…当時のソフトでは、まだ履歴確認とかできませんでしたので、更新毎に別名保存とかする必要がありました
・可能なら誰かに確認してもらおう…この案件の場合では、お客さんに最終Checkしてもらうこともできたと思います。一人で完結してたのが間違いだった。
・普段の何気ない仕事も手を抜かないでやろう…普段から信頼貯金を積み立てておくと、ピンチのときになんとかなるよ、という学び。

最後に、まとめ

今回の失敗の顛末を3行でまとめると、こんな感じです。

・エクセルのセルがズレてて、配送手配を間違えた
・そのせいで、会社に800万の損害を与えた
・仕事に慣れてきて、自身の油断があった

社会人2、3年目といいますと、それなりに社会人として慣れてきて、一人で仕事をすすめることが多くなってる時期ですよね。
まだまだ未熟だが、しかし初心者とも言えないころ。

人間、油断してるときが、やっぱり一番やらかしますよね笑

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というわけで、プロ雑用の失敗シリーズ第一弾、
利益をぜんぶ吹き飛ばした話、でした。

それじゃまた。

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