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猫短歌:アカナラの木

構内のひときわ輝く赤は楢きみの毛色に似ていて こぼれる/銀猫
こうないのひときわかがやくあかはならきみのけいろににていて こぼれる

 毎秋、紅葉黄葉で有名な市内の大学の構内を訪れます。そこには、ひときわ赤く輝くような美しいアカナラの木があります。

 我が家は、2012年からの八年間は猫様五頭飼いの生活でした。その五頭の中で、一段と賢くみなのリーダーだったのは、長女猫でした。
 彼女は2020年の秋に亡くなったのですが、それ以来、紅葉見物のために件の大学を訪れると、このアカナラの赤い葉に目が行ってしまうようになりました。彼女は、レッドと呼ばれる明るい茶色い毛色でした。

 あまりにも賢くやさしい猫で、わたしは他の猫たちからえこひいきと思われても仕方がないくらい、彼女を溺愛していました。

 そうです。こぼれるのは涙です。

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