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短歌:ボクはいません…

ご主人の股に隠れていないふりそろそろ呼ばれるよフレンチブル/銀猫
ごしゅじんのまたにかくれていないふりそろそろよばれるよふれんちぶる

 三女猫は去年から糖尿病を患っているので、定期的に病院通いをしています。例に漏れず彼女は病院嫌いで、キャリーに入れられるとこの世の終わりかという叫び声をあげます。毎回です。
 ただ、キャリーを車に乗せてしまうと静かになり、待合室でも診察室でもおとなしくしています。これは慣れなのでしょうか。

 病院で会うのは犬の方が多いのですが、キャリーやクレートに入っているコは滅多に見ません。ほとんどがお散歩スタイルでやってきます。

 先日、フレンチブルドッグくん(男のコかどうかは確認できませんでしたが…)といっしょになりました。待合室で、ご主人の座る椅子の下に入って「秘技 ボクはいません」をやっていました。カラダを小さくして縮こまっていました。それだけ病院がイヤなんですね。

 その緊張が周囲に伝わるんです。ブルドッグのように鼻先の短いコは、呼吸音が大きく聞こえます。一生懸命小さくなっている(つもり)なのに、息遣いが激しくて、わたしはついつい注目してしまいました。三女猫のキャリーを覗いたら、彼女もフレンチブルドッグくんを凝視していました。

 いい先生だからね。ちゃんと通ってきちんと治してもらおうね。

 あのコが病院に慣れる日は、来るのかな。

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