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ゴミを売る通販Wishでゴミを買う(製品レビュー第二弾)

最強中華クソゴミパチモノ通販として名高いWish、前回様々なモノを買いレビューしてみたところ思わぬところで好評であった。元々第二弾は書く気ではいたが嬉しい事です。元気よく第二弾行きましょう。前回の記事はこちらです。

さてさて今回も目玉商品アルよー変人大好き中華ガジェットアルよー。関係ないが、このアルヨーという言葉は「役割語」という名称が付いているらしい。クレオール言語かピピン言語かは分類が分からないが、ステレオタイプと言えどかなり「アルヨー」という響きが可愛らしくて私は好きである。

早速ゴミもとい中華商品のレビューから入っていこう。皆さんお待ちかね、4000円スマホの登場である。

X27 Plus  Smartphone


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まずはカタログスペックを確認しておこう。自称メモリ4GB、ストレージ64GB、Android8.0。カメラは8.0と16.0メガピクセル。指紋ロック解除にデュアルSIM機能を兼ね揃えている。画像には写っていないが、スクロールすると4000mAhバッテリーだとか、8コアのCPUだとか謳われている。こうしてみると中々のエントリーレベルのスペックを誇っており、これが4500円前後で購入できるのは価格破壊に他ならない。商品画像には何か合成くせえ金閣寺が写っており、少なからず日本市場を意識していることが窺える…か?

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Wishお家芸の即席矛盾。上の画像と謳われているカメラスペックが全然違う。日本なら即JAROにブチ殺遊ばれる表記…というかこれは中国だろうとダメではないのだろうか。カメラ以外は上の画像と一致する。

買ってみるっきゃないな!

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コロナで物流が依然ブッ潰れている中よく頑張って台湾郵政経由で日本にやってきてくれた。5月2日に注文し、到着したのは29日。ほぼ1ヶ月である。箱には「智能手机藍色5寸代拍链接,备注X27联系:客服170元一件」と記述があった。手触りは若干マットな硬めの箱。特に傷もなく、深圳から1ヶ月かけて来たには中々に上等なイメージがある。ちなみに170元は約2600円。購入価格は4500円。おろ?

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付属品はこの通り。投げやりのユーザーマニュアル、USBケーブル、本体、中国式充電器、スマホケース、フィルム、イヤホン。内容物だけで言えばiPhone以上である。スマホケースはこんなマイナー以下の機種に対応しているものがあるわけないから最初から付属品としてやろう、という中国の暖かい思いやりを感じることが出来る。

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画面保護フィルムも最初から貼ってくれてあるサービス精神である。おそらくフィルムを貼る作業が人力ライン化されているのだろう。最初から気泡が入りまくりなのが若干気になるが、海の向こうの大陸で人間が貼ったフィルムと考えれば途端に風情が感じられる。中の空気もおそらく中国のものだろうし。

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実際の見た目に近づくように少し彩度や明るさを上げた。こうして見ると、スマホらしさはあるというか、中々悪くない。重厚感も感じられるというか、一応それっぽい。グラデーションは完全に塗装である。

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変なインクの匂いがする説明書を開いて見る。詳細なスペックに関しては記述はなく、ただこのスマホが携帯電話として持ち合わせている機能を説明している。……というかさ、俺買ったの「X27」なんですけど説明書には「Z60」としか書かれていない。(極めて今更だが)胡散臭い。Z60なる未知のモデルをベースにしているのだろうか。

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中学レベルの英語で「最初に使うときはバッテリーの絶縁を外して20時間充電してね!」と書いてある。バッテリーカバーを外さない事には先が進まない。しかし、早速このスマホをレビューするにあたっての難関が待ち受けていた。


外すのに必死で写真を撮っていないのだが、マジでカバーが剥がれない。冗談抜きで。第一周りがツルツルなのである。あるのは明らかに此処じゃねえだろと思われる隙間。

えっ、ここ…?マジで…?

マイナスドライバーを突っ込み、日本製Androidじゃあり得ないバキバキ音を言わせながらこじ開ける。

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開いた。隙間周りの塗装は剥がれまくった。バッテリーは案の定と言うか中国製らしい。一応CEマークが付いているが「China  Export」マークの可能性も否めない…というか多分そうだろう。

そして、この写真にはこのスマホが中国商魂スマホ(ゴミ)である確たる証拠が写ってしまっているのである。

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3眼カメラは嘘です。指紋認証も嘘です

3眼カメラは「3眼!」と書かれていたわけではないのであくまで嘘ではないが指紋認証に関してはデタラメである。裏に無いもん認証機構らしいものが

Wishの実態を改めて感じる。やはりここはパチモノ専用の通販だ。ワクワクするぅ!!!!

というか何が一番ヤバいってバッテリーの絶縁を外すことが必須工程なら、否が応でもこのカバーの裏側を使用者は見る事になる隠す気すら無い。もしかして俺みたいな人間しか購入しないことを見透かされてる?喜びそうだし。全くサービス精神旺盛だな。

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本体にも「China  Export」マークが付いている。バッテリー容量は表記を信じるならカタログ通り4000mAhらしい。SIMカードも二つ挿す場所が付いている。それでは絶縁を外して充電、電源オン!!!

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あ???

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(Android4.0の起動音)

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……いや私はメイン機はiPhoneでAndroid機はごく短い期間しか使った事が無いのだが、これがAndroid8.0でないことぐらい私にだって分かる。それに全体的になーんか動作ももっさりしてる。ホントにRAM4GBのストレージ64GBか??というか画面も酷い。少し傾けるだけで色温度がゴリゴリ変わり、本当に画面に対して平行でないと正しい色で見ることができない。解像度も低く、あの美しい金閣寺は表示できそうもない。例えるなら、2010年代前半のスマホといった感じ。

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あくまでAndroid8.0と言い張るようである。感涙。CPUは自称MTK6739らしい。細かい説明は省くが、MTK6739はエントリーモデルに使われがちなMediatekのCPUである。しかしこれでは処理速度に見合わなさすぎる、本当か?というかMTK6739は8コアでない。写真には写っていないが、空き容量は60GBほどと表示されていた。

もう既に綻びが見えつつあるこのスマホの本当の中身を炙り出していこう。

ここで我らが味方ベンチマークアプリ「Antutu」の出番である。様々なスマホの本来の性能を丸裸にする恐怖のアプリ。ハイエンドと信じられているiPhoneを容赦無く切り捨て、オタク臭えAndroidユーザーがiPhoneを馬鹿にする要因にもなっている戦犯アプリ。しかし今日ほどコイツの存在を頼もしく思う日は無い。パイセン!丸裸にしてやって下せえ!!!!

…アプリが入らん。何か色々弾かれる。ネットに繋げない。結局Antutuを入れる工程にたどり着くまでに30分、ダウンロードインストールに15分ほど費やした。


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……知ってた。知ってたけど、こう、改めて言われると風情がある。「お使いのデバイスは模造品です。」この言葉が深くしっかり重みとして私の体に染み込んでいく。あゝそうか、お前は模造品だったのか。この世にスマホとして生を受けたその瞬間から模造品として生きていくことを定められたこのスマホにひとしきり感情移入したところで、このスマホの嘘を改めて検証していこう。

ついでに、模造品呼ばわりされているこのスマホだが模造の元となった製品は見つかっていない。プロセッサーとしては「MediaTek Helio X27」というモノが存在しており、それのことを指しているもしくは模したと思われる。この正規X27は2016年に登場した当時としては中々のスペックを誇っていた。このMediatek自体は中国メーカーでなく、台湾の半導体メーカーである。多くの中華製スマホ、例えばOPPOであったりXiaomiであったりはこのMediatekのプロセッサーを使用していたりする。正規X27のスペックは下記リンクよりどうぞ。

それでは本題に戻ろう。無事このX27が偽物詐欺スマホだと判明したところで、本来のメモリ容量であったりバージョンであったりCPUであったりを確認していく。引き続きよろしくお願いしますAntutuさん。

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お見事!全てが嘘である。8.0と謳われていたAndroidは実は4.4.2。2013年ごろのOS。因みに、4.0系はPlayストアなどのサポートが終了している。画面解像度は480×854。iPhoneで言うところの4s以下である。

プロセッサーはMT6572。これまたMediatekの2013年時点でのローエンド向けの製品で、CPUがARM社製ローエンド向けCortex-A7 1.2GHzの2コア。一応解像度はqHDに対応しているはずなのでこのスマホの解像度の低さは単なるコストカットのせいだろう。CPU自体はカメラは5MPまで対応。まあ手っ取り早く言えば現代の日本においては化石のような中身だ。

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怒涛の嘘が続く。4GBと謳われていたメインメモリは実際は0.49GB、490MB。64GBと謳われていたストレージに至っては1.35GBである。メモリ500MBのスマホなど、2010年時点でかなりのローエンド端末だ。そこから10年経過した日本では使い道は全く無い。

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カメラぐらいは頑張れよ!CPUも対応してんだぞ!!!カメラは3.7MP0.9MP。公称が低い方でも5MPと3MPだったのでここでも説明詐欺が行われている。フラッシュは非対応。しかしどうやらライト機能自体は存在しているようで、フラッシュライトアプリを起動すると背面が光る。

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やはりこのAndroidのベースは2013年のものであった。

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バッテリーはまさかの1000mAh。公称の4分の1。というかバッテリー本体に書いてあった表記すらもちゃっかり嘘になる。しかも性能が48%まで劣化しているので実質500mAh。えらいこっちゃ…

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ただホーム画面を起動しているだけで頻繁に100%になるCPU使用率。真ん中のグラフを見ても分かるとおり少し前の日経並みの乱高下具合。CPUがこんな調子なのでしょっちゅう入力を受け付けなくなり、固まり、落ち、反応が無くなる。

…息も絶え絶えの状態で生まれ、日本にたらい回しにされつつもやってきて、そして晒される…彼は本当に悪いスマホなのか?

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さようなら。また会う日まで。私には彼がそう言ったように感じ取られた。

総評:カス

情状酌量の余地は無い。明らかに性能詐称を行っており、純粋な人は騙される可能性もある。4500円+1500円ほどの送料で諸経費は大体6000円。日本ではこれより性能の良いスマホが中古なりでももっと安い値段で手に入るので利用価値もない。これと同等の性能のスマホなら今なら2000円ほどで手に入るのではないだろうか。こちらも目下Wish運営とブチギレ闘争の最中である。

(2020年7月19日 速攻追記:返金してもらえました。返送の必要も無いそうです。Wishは5、6回返金申請を行うとその後は返金申請が突っぱねられるそうなので注意深く見守っていきます)

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因みにヤフオクで割と高額で流れている。純粋な人は騙されないようにね!!!このスマホ欲しい人誰か俺から1000円ぐらいで買いませんか

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付属イヤホンを使ってみた。音質だが、なんというか、逆に味がある。ラジオで放送されているレコードを聴いている気分。低音は最早存在せず、音は篭っている。昭和のニュースを見ているよう。100均のより酷い。ケーブルもめっちゃフニャフニャしてるし、何より物理的に驚くほど軽い。

まだこのスマホへの話は終わらない。このスマホをWishで買ったことは本当にお得であったのだろうか?(そもそもこのスマホ自体を買うことが無駄とは言わないお約束です)

他のパチモノ通販ではだいたい3000~4000円が関の山である。そう考えるとWishの4500円は若干割高だと言えよう。ちなみに他の通販では性能は殆どが「RAM 1GB、ROM 4GB」と謳っていたので届く前は多分こっちが本当なんだろな…と思っていたらそれも嘘だった。何たる様。

我らが中華通販筆頭、AliExpressも見てみよう。表記されているのは$25.29ドル=約2770円。なんてこった、Wishで買うよりもAliexpresで買うほうがお得じゃないか。送料も対して変わらない上にこっちは業者に直接ブチ切れる事ができる。Wishの良いところはPaypal様の加護を受けられるといったところだろうか。なんならAliExpressやAlibabaも業者によってはPaypalにも対応している。

因みに日本Amazonでは販売していなかったみたいだが、海外版Amazonだとちらほら取り扱っていた形跡が見受けられ、お値段は約2万円で販売していたそう。ぼったくりにも程がある

しかし、これらのページを眺めているとある共通の単語というか、語句が書かれていることに気づく。

「Huitton」ってなんだ?

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「ヴィトン」が「Vuitton」なら、「Huitton」は「フィトン」だろうか。Huittonで検索すると、まあiPhone11のパチモノ「i11 Pro」だったりファーウェイのパチもんの「P30 Pro」だったり「Mate 31 Pro」が引っかかってくる。Huittonは恐らくパチモノを自社製品として専門に販売している企業であろう…というか偽物がワラワラ出てくる。かなり無差別にパクっているようで中国韓国スマホも餌食になっている。Galaxy S9ではなく、Huitton S9。Huawei P30でなくHuitton P30。中国同士で首を絞めあってどうする。恐らく、中身はどれも同じであろう… 逆に最新端末の見た目をした3Gスマホは面白さ的に考えると少し欲しいかもしれない。

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中東系?の通販でHuittonが多数販売されている。写真のiPhone XならぬHuitton Xは617サウジアラビア・リアは日本円にして17680円ほど。これならアリババ辺りで小ロット(1つのみ)で購入したほうが送料込みでも安かったりする。

見た目だけiPhone11 Proが欲しい方がいれば、Huitton i11Proを買うのも手。そういった手も存在するのが中華パチモノの魅力。性能詐称は、まあ間違いなく行われているであろう。

iPhoneやその他ハイエンド機のパチモノといえば巷では「Goophone」が有名だが、どうやらGoophoneでは無いらしい。第一あれはOSであったり箱であったり様々な面からiPhoneに似せているからだ。その他にもHuitton以外のロゴを冠した同じような「i11 Pro」を目にする。同一機種であるならば、i11 Pro自体がOEM製品なのだろうか?Huitton以外にもブランド名っぽいモノを冠したパチモノスマホは多く見るので、山寨機自体がOEM製品にようになっていると思われる。

(用語解説  山寨機、山寨手機:日本語で言う「パチモノスマホ」。大手企業のデザインやロゴをコピーしたり真似たりして正規の手段や手続きを踏まず製造されるため安価な事は安価。内臓部品もデッドコピー品であったり中古品であったり様々なサイクルを経て回ってくる場合が多いらしい。)

ともかく、Huittonの正体に迫ろうとBaiduであったりその他中国検索エンジンで検索してみたが、香港や深セン辺りにそれらしい企業を見つけるにとどまった。いずれにせよ、大規模なパチモノスマホ製造業者(中国語でパチモノスマホは山寨智能手机と書く)が蠢いているのだろう。

香港に存在する「Huitton」の名を冠する工業系の会社。この会社がスマホを作っているのか…分からない。

驚くことに、我らが淘宝網には「首页 > 网站地图 > 3C数码配件市场 > 手机配件 > 手机零部件 > 山寨机智能 > 智能手机山寨机」といった順で模造品スマホ専用カテゴリが存在する。眺めてみるのも楽しいかも。

創価大学(某ハピネス大学と違って割と健全な大学らしい)が偽スマホの生産スタイルと、中国が孕んでいる山寨文化自体が世界に与えた影響云々を研究したレジュメが存在する。(URLを貼るとなんか記事が公開停止になるっぽい)

これによると2013年より山寨机智能の生産数は下がってきている。恐らく、市場に流れきらなかった分がリビルトか何かされてネット上に流通しているということなのだろう。文中では山寨が人気があると述べられているが、時代が移り変わった2020年現状はそうではなく中華スマホの隆興、XiaomiやHUAWEIが自社ブランドを確立し高品質なスマホを安価で提供し始めたため一気に山寨の需要が無くなってしまった。需要がなくなれば当然偽物スマホは全然売れなくなったらしく、販売製造業者の嘆く声は深圳に夜な夜な響いているそう。

今回は、そんな時代の流れに取り残されてしまったスマートフォンに触れられた貴重な機会であった。(ということにしておく)

ちなみにちなみに、山寨スマホにも割とグレード差が存在するのだが、その中でも今回のMT6572を積んだスマホは特にグレードが低い。(偽iPhoneだとか、Galaxyとかは大抵MT6580や82を積んでいる)残念な限りである。

次行きましょう。

i7S  TWS

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iPhoneのパチモノがあるならAirpodsの偽物もある。今回はそんなAirpodsもどきを紹介しましょう。その名も「i7S TWS」。中国製のこういったApple風のBluetoothイヤホンは数多く存在するが、この「i〜」シリーズは比較的ポピュラーらしく聞くところによれば他に「11」「12」モデルが存在するらしい。「7」はその中でもいわゆる廉価モデルで、11や12と比べ特に安価で流通している。今回購入したものは本体320円に送料300円。深圳現地ではおおよそ100円ほどで流通しているらしい。台湾郵政が多めのWishにしては珍しく中華郵政で到着。どうもガジェットの類は中華郵政が多めっぽい。5月17日に発注し、到着は6月11日。この状況下においては、まあ妥当な日数だろう。箱は潰れ気味で到着。これもよくある話です。

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開封した様子。あの独特の安っぽい中華プラスチックの匂いがする。そして箱の裏にはちゃっかり本家Airpodsの画像が使われている。実際に比較してもらうと分かるとおり形は結構違う。写真には写っていないが、中華パチモノガジェットあるあるとして最初から傷まるけであったり、ちょっとした汚れが付いていたりするが、今回のi7Sもそんな感じであった。そういった事を除けば、まあ300円以上の内容物と見える。

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中身を取り出す。画像では分かりづらいが、本物よりも若干デカい。太めのおうどん。ボタンが付いている以外はパッと見本家そっくりであるが、本物を普段遣いしている人には結構バレそうな気もする。プラスチックの材料も安っぽく、ケースイヤホン共にかなり軽い。持ち運びに関したら軽い方が良いだろうというユーザーの事を考慮した大中華仕様設計。充電して早速接続してみよう。

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ん!?

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iPhoneが…騙されちょる……それともBluetoothイヤホンを接続すると何でもかんでもAirpodsと表示するのだろうか。ともかく、パチモノを正規品と表示するのはあまり良い事では無いだろう。

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音楽を聴いてみる。案の定低音パスパス、高音スカスカ。音質にほぼこだわりが無くiPhone付属のイヤホンこそ至高だと思っているしむしこでも、これは結構酷いと感じた。少なくとも音楽を聴くのには向いていない。それでも、先のX27付属イヤホンに比べたら数百倍マシ。といった具合であろうか。

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別に音質にこだわる必要のないYouTubeの視聴とかには問題はない。実況動画なりスポーツ観戦なりなんでもござれ。装着感も実際決して悪くはなく、派手に頭を振っても落ちてしまうというような事は無かった。

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ちなみにめっちゃ光る。発光ダイオードの恩恵でビカビカ光る。プラスチックが薄いせいで透けて見えるのが中華らしくてイケてる。充電するとイヤホンの下が東京アラート時の都庁よろしく赤く光る。着けてる最中はうどん本体も飛行機よろしく青くビカビカ光る。定期的にビカビカ光る

バッテリーの持ちは公称は5,6時間だが、多く長く見積もって1時間半。作りも安っぽく音質も宜しくない。しかし、しかし!300円という値段がそれらの悪評を全て打ち消す!!!300円で特に問題なくBluetooth接続が叶い、音が聞けるイヤホンが手に入るのは結構凄い。送られてきた小包を見ると「送料:1ドル」と書かれているので300円の送料から考えると2ドルほどボラれてるのが気になるが、それでも合計600円。ワイヤレスに今まで触れたことのなかったしむしこにとっては、十分「買い」であった。逆に言えば、ワイヤレスイヤホンを持っている人がわざわざ買う理由は無いだろう…

どうやらこのうどんもどき、秋葉原やAmazonで1500円ほどで販売されているらしい。正直、1500円出してまでは要らないかな…といった感情が実情である。耳をつんざくような「ローバッテリー」という音声、実際もたないバッテリー、悪い音質。当然、ノイズキャンセリングなど付いていない。もし欲しい物好きがいるのであれば、これはWishで買った方が(1ヶ月近く待てるのなら)お得だろう。

総評:(俺は)買い。

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ちなみに本家より優れている(?)点として、カラーバリエーションが豊富な点が挙げられる。ゴールドやピンクが良い色かは置いておいても、黒AirpodsとジェットブラックiPhoneを同時に使ってみたい感はあったりする。こういった点も中華パチモノの魅力と言えるだろう。

因みにこのパチモノうどん、製造業者も販売業者も全く記述がないためそもそも追跡が不可能だった。でもどうせ深圳辺りの業者でしょ…深圳発送だったし…

それじゃあ次。

New  Portable  Game  machine  console 8ビット(400円ファミコン)

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早い話が携帯型ゲーム内蔵式ファミコンである。見た目は明らかにPSPを模しているが中身はファミコン。この大味さも中国らしい。プラスチックは本当に安っぽく、数年も放っておいたらかなり脆くなりそうな予感がする。単4電池2本で駆動。電池の規格は日本と同じなのでドンキ辺りで安い電池を買ってきて動かしてみよう。

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起動。こんなちゃちい作りでもきちんと迫力の2インチ液晶が搭載されており、ゲームが動く。日本においては怪しいガシャガシャの景品だとか、テキ屋の景品だとかその辺りでしかお目にかかれないような安っぽさのある質感のものに、液晶が搭載されておりきちんとファミコンが動くことがものすごく違和感に感じる。

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内容物は「268 in 1」。中華ファミコンパチモノソフトに非常によくある「in 1」タイプである。読んで字の如く、268本(自称)のファミコンソフトが1つに集まっているお得感満載!便利!な品物となる。写真のトップに表示されている「アングリーバード」の様に世界中で大人気のゲームもきちんと収録!アングリーバードのファミコン版が正規で存在しているのかは気にしてはならない。

少々道を外れるが、この機械を語っていくにあたっては「in 1系ソフト」の説明が不可避。政治的にも経済的にも様々な面で協力したり対立していたりする隣国中華人民共和国であるが、80年代日本でファミコンが爆発的なブームを巻き起こした際中国でもファミコンブームは起きた。しかし当時はまだまだ社会主義国たるもの、アメリカの犬で憎き旧宗主国小日本の商業物など正規輸入なぞしない!といったスタンス。すると何が起きるか?中国でファミコンのパチモノ、ファミコンソフトのパチモノが作り出されることとなる。元々著作権などの意識が薄い中国(誤解を恐れずにいうと日本も戦前戦後と様々な物で他国製品をパクり抗議を受けていた)、様々な製品を作り上げていく。それらの幾つかは形を変え、経済成長を遂げた後も依然残る大きい格差のため消える事の無い需要を受けて中国国内で生き残っている。それの一つが「in 1系ソフト」である。

先にも述べたが、1本のソフトに268本のゲームが入っている。しかしお察しの良い中華パチモノ有識者の方々は分かる通り、この「268本」、怒涛の水増しが行われている。流石中国。

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収録ゲーム自体は至ってまとも(この製品がまともか否かはここでは触れません)。往年の名作「マッピー」が遊べたり、

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米軍機の主人公が日本軍機を落としまくるシューティングゲーム、「1942」が収録されていたり、

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何故だか元祖クソゲーと名高い「いっき」が収録されている。

こんな調子で268本続けば良かったのだが大中華帝国の商魂だくましい方々はそうはいかない。どうせ違法コピーなんだからコストなぞかかんねえだろと思ってもコストカットと製品の質を高く見せるために内蔵ソフトの水増しを行うのである。具体的にどんな感じかと言うと…

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収録番号152。タイトルは「トムアンドジェリー」。かの有名な仲良く喧嘩するネコとネズミのカートゥーン。そのゲームがファミコンに存在するらしい。そんなゲームは無かったはずだがと思いながらスタートボタンを押して起動すると…

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始まるマッピー。確かにネコとネズミだけどさ全然違うやんけ!!!マッピーはマッピー自体できちんと収録されている為、これはいわゆる「ダブり」である。これをトムジェリと言い張って収録する勇気、さすが中国。

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収録番号131。「水が深く火がある場所でのマリオ」。マリオなのは分かったが水深火熱?ハックロムか何かが収録されてんのか?と思いつつ起動すると…

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2面からスタートするマリオ。開始するステージを変更して別のゲームと言い張っているのである。おかげで文字周りのタイルがお城に適応されている為色も変になってるし。

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初代はスタート画面で放置しているとデモ画面に切り替わりマリオが独りでに動き出す。これもデモ画面に切り替わるのだが、読み込まれているステージは2−1。しかしインプットされている動きは1−1。そのためマリオがカメに特攻し死ぬシーンが流れる事になる。つらい。

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しかも2−1からスタートするタイトルがあるなら3−1、4−1、5−1、6−1、7−1からスタートするタイトルも当然存在。マリオだけでかなり水増しを達成している。この写真に至っては、マリオが2つも写っている。

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ここまで来たら8−1からスタートするタイトルもあるでしょ、と言うわけで見つけたのがこちら、収録番号197「マリオの最後のお姫様救出」。今まで順当に2〜7面からスタートするものが収録されていたし、タイトル的にも流れ的にもこれは間違いなく8面からスタートするはず!

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1−1から開始。なんで!?収録ミス!?だったらツメが甘い!!1−1から起動するマリオは普通に「SUPER  MARIO BROS」として収録されているのでこれは正真正銘のダブりである。いやぁ絶対ミスだろうなあ…

何故こんなにマリオが収録されているのか?単なる水増しゆえかもしれないが、別の理由も考えられる。と言うのもこのファミコン、使わないボタンが一個余ってるくせにセレクトボタンが存在しない。ファミコンのゲームは大多数がモード選択をセレクトボタンに委ねているため選択の余地が存在しないゲームも多数存在する。せめてものその余地を埋めるためのダブり……まあだったら収録タイトルを変えろよって話だけれども

先ほどマリオのダブりの例を書いたが、収録タイトルにはいわゆるハックロムも多く含まれている。残機が残り1の状態で開始する「クレイジーギャラガ」、忍者くんのキャラに書き換えられた「ニンジャマッピー」等々…実際気持ちよく遊べるソフト数はかなり少なくなるだろう。


いまいち動作している状況が想像しづらいと思うので同型機の動画を探してきた。多少のボタンの位置や諸々に差異あれど、中身は同じだと思われるのでまあこれが私の手元にあると思っていただいたら良いです。

それでは恒例のお値段チェックに移りましょう。Wish以外ではこのファミコンはやはりと言うべきか同じくパチモノ中華系通販Lightintheboxも取り扱っているらしい。お値段は2300円。今回購入したものは390円+送料300円だったのでかなりお得。やるじゃん、Wish… この268系ROMを収録した別型機はそれなりに出回っているっぽい。

あ、ちなみにサイズ感だけども

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斜めからの写真で大変恐縮ですがこんなもんです。左がiPhone8、右がiPhone11。全長はiPhone8よりほんの少しだけ小さいといった具合。

総評:結構良い

こんなに小さい液晶は初めて見た。それに安っぽい品質の中にきちんとファミコンが収まっているのが極めて奇妙で見ていても持っていても面白い。実用性の面ではスピーカーが背面に配置されており持つと塞がって音が出なくなったり、セレクトボタンが存在しなかったり、画面にゲームが写りきっていなかったり、そもそも液晶自体が微妙に斜めっていたりするが誤差の範疇であろう。これぞ中国!これぞパチモノ!!良い商品であった。

……今回のこのパチモノレビュー、大学のゼミであったり色々な事が重なって大変な難産であった。記事を書き始めてからほぼ1ヶ月経ってるし… なのでこの文章の最初と最後ではかなりの年月の差があります。最初の方なんか腐ってそう。

次回!!!!

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乞うご期待…


ちなみにWish自体はそもそも何ぞや?というのも纏めてありますので良かったらどうぞ。




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