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つなぐ力を高め続けていく

 新年度スタートから2週間が経過し、3月末でリセットされた、新たなメンバーも馴染んできて、有機的に結びつくことで、戦力の再構築が図られている感じでしょうか。

 専門的な知識を要求される職場でも、高度な専門家集団の揃っている士業の共同事務所のようなところでも、外部との接点にあって、できれば自分たちの得手とする仕事を安定的に取ってくる、こうした役割を担う人材は、非常に重要だと感じています。
 
 個人や組織の専門性って、無人島で磨いていても、自己満足に過ぎないわけで、そこにモチベーションを保ち続ける人は少ないでしょうし、できたとしても、臨床経験を積んでいる人たちには追いつくことができません。

 一番わかりやすいのは、専門部隊の知見をお金に変えられる、優秀なセールス人材がいることですね。営業は、専門部隊のことをよく理解し、セールスポイントを的確に把握し、これを顧客のニーズにあわせてチューニングするわけですから、考えてみると、ものすごく大事な仕事ですよね。

 専門知識をお金に変えることは、事業の継続やモチベーションの維持、専門部隊を支えるスタッフの確保、生産性を高めるツールの導入など、事業環境の向上による好循環につなげていくことができます。

 若かりしころは、営業って、仮説も立てずに総当たりをする、飛び込みセールスのようなものか、決まった顧客との間で営業を行うルートセールスのようなものしか頭に描いておらず、何となく目標至上で、頭でなく気合で勝負的なイメージがありました。

 ただ、よく考えてみると日々の向上がなければ、気力体力の勝負になるでしょうし、そうした単純な力比べは、年齢とともにきつくなってきます。
 そうした単純な力比べで頭角を伸ばす人もいるのでしょうが、ある程度の年齢までには、対価を伴うニーズを見出し、それに対し、的確に価値提供できるよう、専門部隊の力を引き出す。

 熟練のつなぐ力を高めていくことで、他者の参入を困難にして、これにより、安定的に自分も実績を上げられるようになり、顧客と社内の双方から信頼を得て、自分の存在価値をも引き上げることができます。

 このへんは、経営全体を考えるマネジメント層になれば、当然持つべき視点になってくるため、社会においては、どうつないでいくか、つなぐ力を持つ人材をどれだけ動かせる力を持てるかが、自分の力量にも直結するように思います。そこには、自分自身が直接人と人をつなぐ、そうした役割を持つことが、一番わかり良いのだと思いますが、次第に信頼できる人に、つなぐことを任せていくことも重要です。

 そのうえで、自分自身はより高度な領域に到達し、人間関係も組み直して、再び別な領域でのつなぐ力を高めていく、これを繰り返しできるようになれば、元気でいられる間は、存在価値を持ち続け、機嫌よく生きることができるように思います。

 純粋に学びに浸ることが評価されるのは、20代までなんでしょうね。そこから先は、学びを通じて、つなぐ力を磨くことが求められるようになります。もちろん、自分へのご褒美的に、純粋に学問を楽しむのもありなんでしょうが、プライムタイムの仕事の経験を棒に振ることになります。これを容認してなお、人生を機嫌よく生きられる人は、そう多くはないのではないでしょうか。
 


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