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我が主と襟汚れの戦いの話

吾輩はとあるアパートに住む
「ぬいぐるみ」である。

人間の基本的な生活において
吾輩に活躍の場はない。

どの家庭にも形こそ違えど
ひとつやふたつ…いや、数えたら
そこそこの数が生息しているであろう
ただのぬいぐるみなのだ。

今日は我が主とシャツの襟汚れの
戦いについて話そうと思う。

学生服のシャツに始まり、
スーツが必要な職業となれば
襟汚れとの戦いは永遠と続く。
特に男性のシャツはその代表だ。

我が主も結婚して20年を超えたが
パートナーのシャツの襟汚れと
戦い続け、近年は息子の分も増えて
試行錯誤の連続である。

洗濯は毎日のことだ。
そして、
毎日ではない作業は
日々あまり家事に目が向かない人には
残念ながら簡単に定着しない。

簡単に落ちない襟汚れを
さぁ一気に落とすぞ!と頑張れない。

家族の誰もが出来る家事を
目指す我が主としては
毎日の家事の中に取り入れやすい
簡単な方法で可能な限り汚れを
落としたいと考えている。

今まで色々な方法を試してきた。

高価な洗剤やアイテムは
現実的ではない。

詰替え頻度や購入品が増えるのも
面倒を増やすだけである。

襟汚れ専用洗剤や漂白剤、
予防にベビーパウダーやスティックのり、
食器洗剤も主は試している。

しかし面倒やアイテムが増えただけで
効果はいまひとつ…。

しかし一周回って
以前使っていた洗剤を再び採用し
既に存在している洗濯機を
最大限活用する方法が
イチバン効果的だったのは
皮肉なものだ。

我が主が行き着いたのは
「洗濯機の低水位を活用した
 お湯による予備洗い」だったらしい。

とある日、
粉末洗濯洗剤+湯による予備洗いが
野球のユニフォームの泥汚れに
効果的との口コミを見付け、
10L程のバケツ型小型洗濯機の購入を
主は検討していた。

問題は2つ。
ひとつはそのバケツ型小型洗濯機の
置き場所と給湯方法。候補は浴室だ。
これで給湯は賄えるが、浴室使用時に
移動させねばならない。
浴室で使えば稼働中の音も響くだろう。

ふたつめは一般的な価格の
粉末洗濯洗剤はすすぎ2回である。
予備洗いの後で洗剤液ごと
他の洗濯物と一緒に洗濯する前提では
常にすすぎが高水位で2回必要となる。
それに
洗剤液ごとバケツ型小型洗濯機から
いつもの洗濯機に移し替えるのは
毎日となれば重労働だ。
泥汚れと違って洗剤液が
酷く汚れるわけではないから
バケツ型小型洗濯機で態々洗う
メリットも少ない。

この段階でバケツ型小型洗濯機は
却下となったが、湯を使った
予備洗いという部分は
魅力を感じたので、
試しに洗濯機を使って予備洗いを
してみることにした。

同時に洗剤もジェルボールを
再び採用。
量を調節したいという理由で
液体洗剤に戻っていたが、
粉末洗濯洗剤の次に汚れ落ちがいい
らしいと聞けば採用もしたくなる。
すすぎも1回でOKだ。

もちろん我が家には洗濯機の蛇口から
湯は出ない。

掃除用のバケツを洗面台に置き、
それに湯をためて洗濯機へ。
5kg程度なら負担も少ない。

洗濯機が洗面台の左隣にあったら
シャワーのホースでお湯が簡単に
入れられたが、我が家の構造でも
洗面台にシャワーがついている大きめの
タイプだったからこそバケツも置けたし、
バケツを持ち上げて2歩で洗濯機である。
十分な環境と主は納得している。

元々予備洗いに使う予定で選んだ
洗濯機ではないので、一番低い水位は
23Lほど。ジェルボール1個で濃いめの
洗剤液は作れるが、
シャツの予備洗いだけにお湯を
これだけ使うのは少々もったいない。

そこで主は水回りで手拭きなどに
使っているフェイスタオルを
一緒に予備洗いすることにした。
これらも暫く使うとこまめに
洗濯していても黒ずんでしまう
我が家の問題児なのだ。

10分ほどの予備洗の後、
他の洗濯物を投入。
追加で水が入って濃いめだった
洗剤液も通常の濃度に。
ここからはいつも通りだ。

湯の準備に5分、予備洗いに10分。
いつもより15分洗濯時間は
長くなったが、
息子のシャツはこれで定期的な
汚れ落とし作業が不要となった。
水回りのタオルも長持ちするように。
シャツもタオルも購入頻度に
差が出そうだ。

光熱費も専用洗剤が必要なくなった分や
試行錯誤を繰り返す費用、
バケツ型小型洗濯機を買わずに済んだ分、
クリーニングが完全に不要になった分、
買い替え頻度などを考えれば、
大きな負担ではないと思われる。


しかし
残念ながら襟汚れとの戦いは
まだ我が主の完全勝利ではない。

勤務時間が長く、
汗をかくような作業も多い
パートナーのシャツは汚れが酷い。
襟汚れに効果のある洗剤を
事前に染み込ませてから
予備洗い工程に進んでいるので
ひと手間かかっているし、
それでも残る汚れは
1ヶ月に1回湯に洗剤を溶かして
電動歯ブラシを使い
主の手によって汚れを落としている。

この作業も洗濯用の漂白剤ではなく
普通の洗濯洗剤で
落ちるようになったのは大収穫だし
特に今後自分でできるように
なって欲しい息子の分はこの作業が
必要なくなったので喜ばしい成果だ。

そして、洗剤を詰め替えが必要な
液体洗剤からジェルボールに
変えたことで液体の詰替え作業が
ひとつ減った。
我が主としてはこれも嬉しいようだ。

主は以前、ジェルボールが割高と
感じて敬遠したらしいが
最近は他の洗剤の値上がりもあって
差が少なくなってきたように感じる。

今回の試行錯誤では
洗剤の特性を調べて今一度
見直すきっかけにもなったようだ。

毎日のことだけに洗剤は
惰性で同じものを使い続けてしまい
気付くと随分経っていた…と
なるのかもしれない。

もちろん、粉末洗濯洗剤、
ジェルボール、液体洗剤
どれがいいと言うつもりはない。

それぞれの家庭に合うものを
選べばいい。
肌との相性だってあるだろう。

情報過多とも言えるこの現代、
技術の進歩も開発の努力も
庶民の主では追いつけないほどだ。

家事の工程ひとつでもシンプルに
ならないかと考えながら
生活する中で
溢れる情報を適宜取り入れながら
試行錯誤し、それぞれの家庭に
合う形が運良く見つかれば
幸いだと吾輩は感じている。

我が主もシンプルな家事を求めて
引き続き試行錯誤していくことだろう。


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