見出し画像

塩田千春 The Soul Trembles @龍美術館(西岸館)

2019年に東京の森美術館で開催された塩田千春さんの個展"魂がふるえる/The Soul Trembles"が韓国の釜山市立美術館、台湾の台北市立美術館を巡回して、とうとう上海にもやってきました。展示のキュレーションは現在森美術館館長の片岡真実さん。
会場は西岸にある大舎建築設計事務所が設計した龍美術館(西岸館)。内外がコンクリートで覆われた特徴的な空間を持つ美術館です。

塩田千春さんの25年にわたる作家活動の全貌を網羅的に紹介する展示となっていて、彼女の代表的なシリーズとなっている赤や黒の糸を空間全体に張り巡らせた大規模なインスタレーションは非常に圧巻です。

コロナ禍の中、作家本人やスタッフが3週間に渡る隔離を乗り越えて、美術館の大空間の展示とインスタレーションを編み上げました。

展示は赤い糸で構成された《不確かな旅》、黒い糸と焼けたピアノと椅子を使った《静けさの中で》、スーツケースを集めた《集積ー目的地を求めて》、黒い糸の中に白い糸が張り巡らされた船が浮遊する《どこへ向かって》の4つの大型インスタレーション作品や彼女が手掛けてきた舞台美術、たくさんのスケッチを含む100点以上の作品群で作られています。

《不確かな旅 Uncertain Journey》
Photo: MASUI Shinichiro (Code-a-Machine)
《静けさの中で In Silence》
Photo: MASUI Shinichiro (Code-a-Machine)
《集積ー目的地を求めて Accumulation--Searching for the Destination》
Photo: MASUI Shinichiro (Code-a-Machine)
《どこへ向かって Where Are We Going?》
Photo: MASUI Shinichiro (Code-a-Machine)

糸は「人」を表していて、編まれて切れて絡まってというのが人の関係性だと彼女は言います。
作品の中に留まって、じっくりと空間に身を委ねていると、彼女の想いが伝わっているような間隔になります。

僕自身は森美術館の展示とこの龍美術館の展示しか見ていませんが、美術館そのものの空間の質が全然違うので、また新しい体験ができたように思います。

展示は2022年3月6日まで行われていますので、春節期間中など是非訪れてみてください。

この後展示はオーストラリア、インドネシアなど巡回していく予定です。

塩田千春:颤动的灵魂 The Soul Trembles
会期:2021年12月19日〜2022年3月6日
会場:龍美術館(西岸館) 上海市徐汇区龙腾大道3398号
チケット:280元


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?