あいまいな過去 1 引きこもりの日々を綴って

始まりとするなら引越しだろうか。
田舎から都市に
当時小3の僕はとにかく嫌だった。

引っ越してからの毎日

「帰りたい」

とばかり思っていた。

転校先の教室、窓の外を見ながら

「こんなとこ嫌だ」

と涙を流して。

新しい環境に戸惑う日々。

皆と同じでなければいけないと思った。

自分は平均、いや平均以上だと思い込んでいた。

そうでなければいけないと思い聞かせていた。

同じなんて無理なのに。
平均なんてわからないのに。

だけど、自分なりの基準は出来てしまっていた。

周りの出来ることは、出来なければならないと。

皆と同じように普通でいなければならない、と。

普通でいなければいけない。

あらゆる場面でこの考えは、プレッシャーとなった。
完璧を求めていたわけではなかった。
ただ、そうではないと周りに思われるのを恐れていた。

授業中
休み時間
放課後

笑っているときも
大丈夫か
と、気にしていた。

クラスメイトと戦隊ものを真似て遊んでいるとき
何がおもしろいのか、と思いながらつきあっていた。

無邪気に笑う自分
一歩引いて見ている冷めた自分
周りを気にしてびくびくする自分

何か違うと思っていた。

帰りたかった。

引っ越す前は、一歩引いて見る事など無かったのに。
毎日、探検だ~と走りまわっていたのに。

帰りたかった。
自分のいるべき場所に。

逃げていたのだろうか
逃げてはいけなかったのだろうか

熊本市で、ひきこもり自助グループ「かこかり」の運営をしています。 居場所作り活動中。