あいまいな過去 2 引きこもりの日々を綴って

学校に行かなくなったきっかけを
僕は憶えていない
季節が何時だったかも。

あの場所へ帰りたいと思うことは次第に少なくなった
友達もできていた 
陸上部とサッカー部に入り
勉強もそれなりにこなしていた。

ただ、
出来なければならない
普通でいなければ
この思いはなくならなかった。

出来ないことは悲しかった
恥ずかしかった、寂しかった、苦しかった
そして、怖かった
周りに失望されてしまうと思っていた
恐れていた。

出来ないことを知られてはいけない
ことあるごとにこの考えが頭を支配した。

休み時間
授業中
部活
放課後
休日
友達との雑談中
パスをもらった瞬間
遊んでいる時

先生に指名され答えようと立っただけで
涙が出てきたこともあった
答えは解っていたと思う
ただそれを言えばいいだけなのに
口から言葉が出ない
なにがなんだか、わからなかった
あせった、こんな姿を見せてはいけない
そう思えば思うほど、涙の量はふえていった。

結局、答えられないまま
となりの席から
どうしたの、大丈夫
と、声をかけられる
そんなことは自分にもわからない。

出来なくて泣くのならまだわかる 
このときはちがった
自分をおいてけぼりに涙はでていた
わけがわからなかった。

自分に失望していた。

自分は普通ではない。

周りに失望されないか
そのことが気になっていた。

熊本市で、ひきこもり自助グループ「かこかり」の運営をしています。 居場所作り活動中。