静岡県川根本町🌿間伐材からサスティナブルな茶箱が生まれるまで その①

金曜日に以前から相互フォローをしております茶箱専門店の前田工房様の桑野山工場へ見学に行ってきました。

今回の大人の社会科見学は前田工房様のご担当者様がマンツーマンで工場を案内して頂き『これは永久保存版だ！』と思ったので撮影の許可を頂いた画像や動画を織り交ぜながらお一人でも多くの方に江戸時代から続く茶箱の素晴らしさを知って頂けたらと思い2つに分けて投稿しました。

ご興味がある方は是非キャプションも合わせご覧下さい♡　今回のその①投稿でご紹介するのは茶箱の基本と形になるまでのストーリーです。

そもそも茶箱とは？その名の通りお茶の保存箱なのですが、一般の方だとなかなか本物を目にすることがない品物だと思います。今回訪問しました前田工房様で作成している茶箱は会社がある静岡県川根町の樹齢30年以上の杉の間伐材を原料とし、内側にはトタンを貼り付けている茶箱です。

外側は杉材なので程よく湿気を放ち、内側はトタンなので害虫などから茶葉を守る防虫＆防湿＆防酸化に特化した保存箱です。そして蓋の部分に日本人ならではの工夫がありまして、敢えて作った本体との微妙なあそびが杉材とトタンの良さを引き出し、保管している素材を長期保存可能としてくれています。なんでも100年前に茶箱に入れておいた新聞が100年の時を経て蓋を開けてみると殆ど劣化なく残っていたそうです。この素晴らしさから今ではお茶だけではなく、コーヒー、紅茶、ハーブティー、パスタ、お米などの食料品から衣類などの収納として様々な用途で使われています。私もハーブティーのブレンダーなのでその部分にとても魅力を感じ今回訪問しました。

こちらの画像は茶箱の蓋の部分を作成してるものです。釘をセットし自動で打ち付ける。この機械はかなりの歴史を感じるもので故障すると大変なんですと教えて頂きました。小さい頃に見かけたミシンに似た雰囲気を漂わせるこの機械は茶箱の要的存在に見えました。

茶箱はそのものは蓋を含め14個のパーツで作られています。本体や蓋のパーツを間伐材の杉からパーツ分けを行う工程を担当されているのが静岡県優秀技能者として表彰された前田親方様です。温和な優しい眼差しの親方様でしたが木を裁断している時の眼は職人の鋭い眼差しとなっていました。

杉といっても様々な模様があるのでそのパーツパーツに合わせて裁断していくというまさに熟練の技。それでいて裁断の際に出る木くずも茶箱そのものには使えませんが養鶏場やかつお節工場へ流れているという話を伺い、間伐して裁断し最後に不要物として残るのはごくわずかという話を伺いました。

実際見させて頂くと本当にその通りで丸太はたくさんあるのに最終的なゴミ置き場にはほんの少ししか木材がありませんでした。まさにサスティナブル！

裁断を終えた大きな木材は敢えて太陽や雨にさらすように2ヶ月以上、外で乾かします。

これはさらす過程で木の歪みなどを出し、商品にした時に歪みが出ないようにする為だそうです。スパルタですねと思わず口に出してしまいましたが『そう、まさにスパルタなんですよ　笑』と教えて下さいました♫

ただこの工場がある場所はとても空気が綺麗な素晴らしい環境なのでスパルタかもですが、ちょっと羨ましく感じでしまいました。

続いてその②ではトタンの取り付けから完成までをご案内していますので次の投稿も是非ご覧下さい。

併せまして前田工房様では茶箱の他に、茶箱を利用した新しい取り組みとして『茶箱いす』を販売しています。この商品はにっぽんの宝物プロジェクトの審査員特別賞を受賞されている今話題の椅子です。

実際座らせて頂きましたがほんのり木の香りがして座り心地もよく、座る部分は防水布なのでキッチンでも使うことができ、座面を開けると茶箱の部分が収納庫になっているという画期的なお品ものです♫こちらの椅子も茶箱と同じくネット販売されています。

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