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飛行機内で泣く赤子


飛行機移動が好き。
半時間ほど前に搭乗口近くに陣取り、イヤホンで筋肉少女帯を聴く。

私の移動は大抵ひとり。

機内では、子供が地獄のように泣いていて
お母さんらしき人がすみません、すみませんと謝っている。

私は、あの頃知らない女性にしてもらったように
「かわいいですねー!大丈夫大丈夫!そんな小さな赤ちゃんの泣き声は、私には、ありがたいなつかしい声ですよー」を繰り出す。

赤ちゃんは泣いてる。
お母さんは、もっと泣きたいんだよね。
わかるわかる。

小さな赤ちゃん。
なつかしい。

いつのまに、なつかしいと思うところまで来たんだっけ。

振り返ると、いろんな「大変」が次々と飛びかかってきた。

最初は「木の棒」で、バシバシ戦ってた。
いろんな人に助けてもらった。

ああでもない、こうでもないとこねくり回し、歯が生えた抜けた、食べる食べない、出た出ない、出来た出来ない。
ずっと大騒ぎ。

今はもう、子の膝に血が出ていたって「洗っとけ!」とか言っちゃう。

ひっかき傷を見つけても、検索してたのに。




どうか、ずっと大丈夫でいてください。



どこの子も、よその子も


そして特に、うちの子よ、ずっと大丈夫でいてください。



飛行機は、なるべく前の席。
出来れば通路側。


そう思っているのに
広々とあいている機内。
ついさっき化粧をしたばかりのような美しい女性が
「こちらに移動されませんか」と優しく声をかけてくださって
隣のおじさまに、なんだか申し訳なく思いつつ
席を移動。

その後、おじさまが、やたら咳をする方ということに気づいて
CAさんは、私が嫌な気持ちにならないように、先に別の席に案内してくださったんだな、と思う。

そういう気遣いが出来る人だから
こんなに肌がきれいなんだな。と

着陸したら、ちゃんと伝えよう。
「気遣ってくださってありがとうございます。快適でした!」


赤ちゃんの泣き声きけて
なんだかかーちゃん、おっぱい出そうになっちゃったよ…
ありがとうございます!

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