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【フードエッセイ】夕張・うさぎやさんのシナモンドーナツ

 先週、仙台市内のとあるスーパーマーケットで、北海道フェアが開催されていた。
 私が北海道から宮城に移住してきたのは2021年の春である。移住後も年に2回は欠かさず北海道に帰省しているのでまだ北海道の物産に郷愁を覚えるほどではないのだが、それでも故郷を離れたものの性なのか、北海道と名の付くものにはつい目が行ってしまう。
 棚にたくさん並べられていたのはお馴染みのとうきびチョコやトラピストクッキーといった北海道土産の定番商品だったのだが、そんな中、知る人ぞ知る一品があって嬉しくなった。
 それが、北海道夕張市の「うさぎや菓子舗」さんのシナモンドーナツである。

夕張名物 シナモンドーナツ


 このシナモンドーナツ、夕張のお菓子ではあるのだが全道にファンが多く、札幌市内のデパートや北海道土産を取り扱う店舗でも度々販売されている。私にとっては、札幌で一人暮らしをしていた頃に夕張までドライブに出かけた際に出会った、思い出深いお菓子でもある。
 しかし、揚げ菓子で賞味期限が短いこともあってか、北海道外の物産展等で見ることはさほど多くないという印象がある。少なくとも、宮城に来てから私がこのドーナツと再会したのは今回が初めてだった。
 嬉しくなって購入し、帰宅後に夫婦でいただいた。
 変わらないパッケージが嬉しい。昔ながらの包装紙を外すと、直径4~5センチのころんとまあるいドーナツが6個。外側にはグラニュー糖とシナモンがたっぷり。ちなみにドーナツの中はこしあんである。
 こうして言葉で表現すると、砂糖たっぷり、こってりとしたあんドーナツが想像されるだろうが、このうさぎやのシナモンドーナツは何故か不思議なくらい「くどくない」のだ。
 控えめと言ってよいくらいに素朴な甘さの滑らかなこしあんを包むのは、薄いけれど油っこさの無いドーナツ生地。その外側にたっぷりと贅沢にかけられているのは、風味豊かなシナモンとシャリシャリとした食感も嬉しい甘さ控えめのグラニュー糖。すべてが丁度良く、絶妙な美味しさなのである。ひと口サイズではなく2、3口で食べられる大きさなのも、お得感があって嬉しい。

「美味い!」

 宮城生まれ・宮城育ちで、この日初めてうさぎやのシナモンドーナツを食べた夫も大絶賛。

「これ何個でも食べられる。」
「でしょ?でしょ?」

 甘さ控えめとはいえ食べ過ぎ注意ではあるのだが、でも、自分が好きだった故郷の味を夫にも一緒に食べて喜んでもらえるのは、やはり嬉しい。
 この日の我が家は、週に一度の休肝日。
 最近は無理なく休肝日を継続するために、休肝日には日頃控えている甘いものを夫婦で食べることにしているのだが、この日も美味しいシナモンドーナツのおかげでお酒無しでも夫婦で笑顔のひとときを過ごした。


 私はお店の回し者でもなんでもないのだが、あんドーナツ好きの方々には、機会があれば是非このドーナツをお勧めしたい。
 北海道夕張市・うさぎやさんのシナモンドーナツ、美味しいですよ。


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