私はアジアンフードが大好きだ。

　アジアの国々を旅したことは残念ながらまだ無いのだが、大学時代に旅好きの友人達の影響でアジアンフードの美味しさと出会って以来、美味しいお店の情報を聞くと足を運んでいた。
　当時住んでいた札幌には、台湾から移住してきたご家族が営む美味しい台湾料理のお店もあれば、本格的なタイ料理やベトナム料理のお店がいくつもあった。トムヤムクンの酸っぱ辛い美味しさと海老の旨味。ナシゴレンの香辛料の絶妙な風味。お米の麺を使った様々なフォーも好きだったし、ナシゴレンもミーゴレンも大好きだった。

　けれど、札幌を離れてから９年ほど暮らしていた街にはアジアンフードのお店は無く、宮城に移住してからは外食の機会そのものが少なくなったので、お店に足を運ぶ機会が持てずにいた。
　ガパオライスやグリーンカレーを食べたいなぁと思うことは度々あれど、タイ料理やベトナム料理を自分で作るのは私にとってはなかなかハードルが高かった。近所のスーパーでパクチーを買うのは難しく、ましてナンプラー等の各種調味料をきっちり揃えるとなれば、外食するより費用がかかる。
　そんなわけで、食べたいなぁと思いながらも、もう何年も食べていなかった。

　久しぶりのアジアンフード、しかも大好きなタイ料理を食べる機会は、突然訪れた。
　しかも、場所は福島。

「福島行くんなら、タイ料理食べに行かない？」

　夫の提案で、福島市内でのプロレス観戦とあわせて福島の浜通りに１泊してきた先週末。私以上にアジアンフードが大好きな夫が連れて行ってくれたのが、福島・富岡町にあるタイ料理のお店「サラータイ」だった。
　宮城から車を走らせ国道６号線に入り、富岡町の合同庁舎入口の交差点を抜け、月の下交差点を越えた右手。国道沿いのローソンの裏手に、そのお店はあった。
　鮮やかな黄色の壁。白い窓枠がきれいな、可愛い木造店舗のお店。

　ネットで「富岡町　タイ料理」で検索すると真っ先に表示されるこちらのお店は、地元は勿論、遠方からも多くのお客さんが足を運ぶ人気店とのこと。それで、正午は混んでいるだろうと今回は少し時間をずらして午後１時頃に訪問したのだが（ちなみにランチ営業は午後２時まで）、その時間でも正面の入口から入るほうの店内は満席だった。けれど、幸い行列になるほどの混雑ではなく、入口左手のカウンターとテーブル２つのウッドデッキ席は空いていたので、そちらに場所を取って食券購入。
　セットメニューが豊富。どれも美味しそうで、目移りしてしまう。
　悩んだ末、私はガパオライスとトムヤムクンスープのセット、夫はバネーンカレーとトムヤムクンスープのセットを注文。
　さほど待たずに番号を呼ばれて取りに行くと、予想以上にボリュームたっぷり！野菜もたっぷり！そして美味しそうな香り！！

　美味っ！
　ガパオライスはお肉がゴロゴロ入っていて食べ応え十分。辛さはやや控えめだけれど、スパイスの旨味たっぷり。ごはんが進んで止まらなくなる美味しさ。さらに、そのごはんがまた美味い。福島県産のお米の美味しさはこれまでも知っていたけれど、ここでこうしていただくと、その美味しさをあらためて実感する。
　トムヤムクンスープは、そっと口に含むとお口の中がふんわり旨味天国。クリーミーで、スパイスと酸味の調和が絶妙。具材は大きく切ったトマトや一瞬ヌードルかと思うほどのエノキ等のたっぷりの野菜と、ぷりぷりの海老。そして、ビックリしたのが薩摩揚げ。これがマイルドな辛さと酸味のトムヤムクンスープに合う！
　夫が注文したバネーンカレーもひと口貰って食べたのだけれど、こちらもピリッとした辛さが丁度良く、口の中が幸せスパイス天国。ひと口でガマンした自分を褒めたい。（ちなみにガパオライスをひと口食べた夫も感激していた。）
　久しぶりに食べるタイ料理、という嬉しさからの贔屓目もあったにせよ、それにしても本当に美味しい。
　めちゃくちゃ美味い。
　いやマジ美味い（語彙力崩壊）。

　サービスのコーヒーもとても美味しくて大満足。
　美味しくて、お店の方もとても感じが良くて、ここはこれから何度でも来ようねと夫と話しながらお店を後にした。

　サラータイ、おススメです。