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美味しいクジラと、どんと祭のこと

 宮城県の伝統行事「どんと祭」が開催された昨日。
 夫と二人、自宅からもほど近いところにある仙台東照宮にお正月飾りを納めに行くついでに、日曜日恒例の食材まとめ買いに出かけた。久しぶりに塩釜に行こうかと話していたのだが、仙台市内の神社と同じく鹽竈神社もまたこの日がどんと祭である。


 松島方面の道路は混んでいるだろうと予定変更し、自宅から車で10分ほどのところにあるウジエスーパーに出かけて肉や魚、野菜をまとめ買いしてきた。
 地元産の新鮮な野菜や魚をたくさん扱っているウジエスーパー。
 この日の鮮魚売り場には、ミンククジラのお刺身があった。
 つい先日、捕鯨の町として知られる宮城県の鮎川浜を特集したテレビ番組を見て、久しぶりにクジラを食べたいねと夫婦で話していたところ。なんとも嬉しいタイミングである。


 買ってきたのは、太平洋産のミンククジラ。お刺身のパックの中に添えられていたおろし生姜にニンニクひとかけをすりおろして加えたものを醤油で和え、付けていただく。 

宮城県水揚げの太平洋産ミンククジラ

 「美味しいね!」
 「美味しい!鮎川で食べた時みたい!」

 つやつやとしたクジラの肉は新鮮そのもの。マグロやカツオのようなもちもちとした食感とクジラならではの甘みと旨味、それでいてさっぱりとした味わいが美味しい。
 ちなみに「鮎川で食べた時みたい」、というのは、我が家的にはクジラへの最大の賛辞である。
 以前にもnoteでご紹介したが、鮎川のクジラの美味しさは格別。クジラに苦手意識を持っている方でもここのクジラのお刺身を食べたらクジラへのイメージががらりと変わるのではと思うほどに美味しい。
 久しぶりの美味しいクジラのお刺身に、また鮎川にも行きたくなる。

 美味しいクジラには美味しい宮城のお酒をと、夫が冷蔵庫から取り出したのは先週の仕事帰りに仙台杜の市場で買ってきた、宮城・気仙沼の角星さんの特別純米酒「別格 直汲み生原酒」。

株式会社角星 特別純米酒 別格 直汲み生原酒
生原酒ながらアルコール16度で呑みやすいのも嬉しい

 気仙沼市の観光PRキャラクター・ホヤぼーやと雪の結晶が描かれたラベルも可愛く、海の幸との相性抜群のお酒。
 この後、宮城のお酒と同じく海の幸との相性抜群の、石川県の遊穂の燗酒などもいただきつつ、昨夜も幸せな晩酌のひとときを過ごした。



 仙台東照宮には、お焚き上げの点火前に行ってきた。
 混雑を避けて早い時間に参拝して正月飾りと御守をお納めしたのだが、参道には多くの出店が立ち並び、すでに多くの人で賑わっていた。
 春のような陽気の中、焼きそばのソースの香りとチョコバナナやカステラの甘い香りが鼻をくすぐる。様々な食べ物の屋台の隣には、ダルマの屋台もあった。鮮やかな青色のダルマが並べられた屋台は北海道のお祭りでは見た記憶が無く、後で調べてみたところ青いダルマが多いのは宮城ならではの文化らしい。
 私にとっては、初めてのどんと祭。なのにどことなく懐かしさと嬉しさを覚えたのは、ここ何年もこうしたお祭りの雰囲気から遠ざかっていたせいだろうか。去年はどうだったっけと夫と話しながら参道をのんびりと散歩して、良い運動にもなった。

 帰宅後、晩酌しながら開いたPCで見た地元のニュースでは、各地のどんと祭の様子が中継されていた。
 各神社でのお焚き上げだけでなく、無病息災を願っての白装束での裸参りの様子なども。やはり、これは私にとって馴染み深いどんど焼きではなく、宮城の伝統文化の「祭」なのだとあらためて実感した。
 ご利益があるというお焚き上げの煙を浴びることは今年も出来なかったが、これだけ各地で盛大にお焚き上げをしているのだからきっと宮城全域に、いやきっと日本中にご利益の有る煙が流れていただろうと都合よく解釈したい。

 年明けから辛い出来事が続いているけれど、これからは、良い一年になりますように。



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