【解説】HPV(ヒトパピローマウィルス)ワクチンは女性だけが打つべきなのか?
と、先日トランスキッズから報告を受けました。
お母様からも…
生まれたときは女性だったけど、自認する性は男性。
"僕はトランス男性だから打ちたくないんだよ!"
"女の子のワクチン"と言われれば、それは打ちたくないですよね。
オーストラリアでは、2013年から12~13歳の男女にHPVワクチン定期接種が開始となり、子宮頸がんが激減。
近い将来、子宮頸(けい)がんが稀少がんになるのではないかと言われています。
日本でも2013年頃からHPVワクチンが定期接種となりましたが…いろいろあり中断。
2022年4月からHPVワクチンの定期接種再開、公費対象になりました。
日本では現在、小学校6年から高校1年相当の女性を対象に定期接種が行われています。
HPVワクチン接種中断により、ワクチン接種ができなかった世代:キャッチアップ世代(平成9年度生まれ~平成18年度生まれ【誕生日が1997年4月2日~2007年4月1日】)も、
令和7(2025)年3月まで、公費でワクチン接種が可能になっています。
キャッチアップ世代のことを【接種を逃した方へ】と書いてあることが気になります……………………………
いまだ、日本の多くの地域では、男性のHPVワクチン公費助成は検討段階ですが、一部の地域では、男性にもHPVワクチンの公費助成が始まっているようです。
公費助成検討段階の地域も増えてきました。
HPVワクチンは女の子のためだけのワクチンではない!
男性にとっても、HPV感染は病気のリスクがあります。
ジェンダー・セクシュアリティ関係なく、HPVワクチンの意義について知ってほしいです。
そして、もう一つ伝えたいことがあります。
トランス男性で、性別適合手術(子宮卵巣摘出手術)なしでの戸籍性別変更を考えている方。
テストステロン療法(男性ホルモン)によって子宮頸がんのリスクが上昇する、というデータはまだ出ていないですが…
臓器がある、ということは、その臓器のがんリスクはあります。
子宮がある限り、子宮頸がんのリスクは残ります。
HPVワクチン接種を検討してみてください。
そして、もちろん。
トランス女性にも、HPVワクチンは推奨されています。
のど・肛門・陰部のがん、コンジローマの予防につながります。
HPVワクチン接種可能施設
*尚、下記施設は、公費指定対象施設ではないため、ご注意ください。
【神奈川・横浜】
女性医療クリニックLUNA 横浜元町 婦人科/トランスジェンダー外来
【東京・上野】
パーソナルヘルスクリニック
【大阪・天満】
いだてんクリニック
*ワクチンに関する考え方は、個人により異なります。
副作用のリスクなどよく医師の説明を聞いてから、接種を検討ください。
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