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冬と鹿の死。

紅葉の季節が過ぎ、雪と冬の気配が近づいてくると、
北国の美しい、白い季節を思い出すのと同時に
鹿という動物の死を身近に意識するようになってくる。

自然の力にせよ、人の都合にせよ
夥しい数の彼等が、突然に、あるいは緩慢に死に
血を流し、腐って、森の土や、他の動物たちの体内に還り
自然は回っていく。

しかし、死んでいくという不幸に見舞われながら
その還元すら許されない鹿達の生命もある。
そこに、得体のしれない巨大な理不尽さを感じている。

今、鮭から始まった僕の視線は、熊を経て
徐々に鹿という動物にシフトしていっているように思える。
野生に生き抜く逞しい四肢。死んでいく鹿の何故か優しさを感じさせる瞳。
そして、血まみれになって鹿を捌く、鹿を愛する人間達。

この冬から、僕は新しい撮影に挑戦したいと考えている。
それには、二つの許しが必要だ。
自然に許されることと、人間たちに許されること。
どうにも難しいが、ひとつの、半生を費やすべき
深くて大きな主題になる気がしている。

まどろっこしいけど、こんな風にしか
今考えることを伝えられない自分がいる。

何年かかるか。
少し長くなりそうだから、その経過を
少しずつ発表していきたい。
それすら数年先になるかも知れないけれど。

いただいたサポートは、旅費や機材など新しい撮影活動の資金とさせていただき、そこで得た経験を、またこちらで皆様にシェアしていきたいと思います。