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イグアスの滝で蜂に刺されて 

イグアスの滝のU字形に陥没した最奥にある場所を悪魔の喉笛という。アルゼンチン側の瀑布駅(中間駅)からトロッコ列車に乗り、悪魔の喉笛駅で降りて、イグアス川に架かかる橋を歩くこと20〜30分で着く。そこは水しぶきを上げて落下する雄大な滝を真上から見下ろせる場所にある。大勢の観光客が滝を背景に思い思いのポーズで写真を撮っていた。真夏の太陽が肌を刺す。

その時不運が訪れた。妻と離れた場所でカメラを手にしたときに、小さな蜂が飛んできて腕に止まったと思うや、チクリと刺して飛んで行った。刺された箇所はあっという間に腫れてしまった。急いでもと来た橋の道を戻った。自然と足は速くなる。だんだんと腫れが大きくなっている。意識がなくなる前に着かなければと気持ちは高ぶっている。集合場所に着き、スタッフに蜂に刺されたと言うと、現地のスタッフが塗り薬を塗ってくれて、氷をくれた。おかげで腕の腫れは、だんだんと引いていった。

何故、大勢の人たちの中で蜂が自分に向かって飛んできて刺して去って行ったのかという理由が見つからない。運命のサイコロが振られて不運が起きた。神様はサイコロを振らないという。世界は秩序だった神の法則により動いているという。しかし、ときどき合理的な理由もなく、無秩序なことが起きる。大勢の中で必然的な理由もなく蜂に刺されたりする。善悪の見境なくサイコロが振られたとつくづく思いたくなる。まさに世界は必然と偶然によって動いている。

イグアスの滝 悪魔の喉笛






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