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谷津遊園の思い出

東京ディズニーランドが昨年に開園40年を迎えた。1983年の開園だが、その前の年に京成沿線にあった京成電鉄が経営する谷津遊園が閉園した。

谷津遊園は、夏休みになると連れて行ってもらった思い出の遊園地だった。動物園、遊園地、バラ園、干潟があり、夏にはプールがあり、あらゆるものがコンパクトにまとまった夢の遊園地だった。近くには船橋ヘルスセンターがあったが、動物園がある遊園地では珍しいものだった。動物園には象がいた。子どもの頃は、上野動物園の象の名前は何々、谷津遊園の象は何々と覚えていたが、両方とも忘れた。

谷津遊園は、子どもの頃に家族とも行き、京成電鉄に勤めていた従兄にも連れて行ってもらった。夏のプールでは、従兄が水泳を教えてくれた。小学2年の時に谷津遊園に行った直後に猩紅熱という伝染病に罹り、ひと月ほど入院したことや、小学4年の夏休みに伯母に連れて行ってもらったことが思い出される。その日、自分では心臓弁膜症と言っていた伯母が谷津遊園を歩きながら、「疲れた、疲れた」と何度も繰り返し言っていた。それからしばらくして亡くなった。

谷津遊園が今年で閉園するというので、友人と最後の思い出にと行った。われわれ世代には、子どもの頃に行った共通の思い出がある遊園地だった。京成線の谷津遊園地駅は、閉園とともに谷津駅に変わり、跡地にある谷津バラ園がここに谷津遊園があったことを思い出させてくれる。


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